2-25 妹ちゃんと天使の秘密
「急に呼び出してごめんなさい」
「いいよ、暇だったし」
文化祭の振替休日にスズちゃんに呼び出された。スズちゃんも学校の創立記念日でお休みらしい。
「それで、どこ行くの?」
「見たい映画があるのでそれを」
「へぇ、どんな映画?」
「今、話題のホラー映画です」
ホラー映画か。悪くないだろう。
「奏多は?あいつ、ホラー大丈夫だろ?」
「ホラー映画で怖がらない女の人と一緒に行っても面白くないですしね」
「クラスの人は?」
「みんな受験、受験、って誘いづらくて」
確か、スズちゃんはもう推薦決まってるんだっけか。奏多が言ってたよ。
「俺で良かったのか?俺もホラーは苦手じゃないし」
「他に誘える人居ませんでしたので、私が怖がって陽向兄さんとイチャラブするシチュエーションを演じようと思います」
あはは……もういいや。この子のからかいにも慣れてきたよ。
「怖がる女の子がいいのか?」
「誰か宛でも?」
「んー、来るかなぁ」
とりあえず電話だ。
「あー、もしもし」
『なんだよ朝っぱらから』
「いや、一緒に映画でもどうかなって思って」
『万が一の時にブレーカー落としてもいいなら行くけど?』
「やっぱりいいです。やめときます」
ダメか。さすがカドル。既にリサーチ済みか。
それならもう1人。
『何時だと思ってるんですか?』
「9時だけど」
え、9時って電話しちゃ行けなかった?
『アニメで徹夜して眠いんですよ』
「そんなクルに目の覚める情報だ。俺の友達が要らなくなったアニメグッズを提供したいって言ってるんだが……あれ、切れてる?」
ダメだったかぁ。おかしいな。
「やっぱりダメそうですか?」
「うん、ごめんね」
「いえいえ、陽向兄さんとなら十分楽しめますし」
「お待たせしました」
「うぉっ、びっくりした」
アイリスに転移してもらったな?
確か昨日はあのまま俺ん家でみんな寝ちゃってたし。
あれ、てことはクルは何でアニメを見てたんだ?
「おい、徹夜って嘘だろ」
「はい、本当はこれから見るところでした。すみません」
まぁ、来てくれたんだ。よしとしよう。
「それで、その方がお友達の?」
「あ、うん奏多の妹なんだけど」
「何この子、可愛い」
鈴音はクルを、見るやいなやすぐに飛びつきほっぺをスリスリ。
「俺の親戚だよ」
「うん、可愛い。それで本当はどういうご関係で?」
「え、だから親戚だけど?」
「こ、こんな可愛い子が陽向兄さんの親戚だなんて信じません。ま、まさか誘拐……」
鈴音はクルを、背後からギュッと抱きしめ否定する。一方、クルは苦しそうに鈴音の腕をポンポン叩いている。
「って言われてもなぁ……クルの方からも言ってやってくれよ」
「説明するより見せた方が早いですね。場所を変えましょう」
場所は奇跡的に映画館。
「なんで映画館?」
「平日の映画館は人が少ないので迷惑もかからないかなと。えっと鈴音さんでしたか?少し目を閉じてもらってもいいですか?」
ま、まさかクル……えっと、よし。アイマスク持ってて良かった。
「はい、目を開けてください」
「うん、って、えっ?なにこれ」
「はい、おしまい」
俺は持っていたアイマスクを被せた。
「ちょっと。今の何?なんですか?」
説明時間は割愛させてもらおう。
「こんな簡単に秘密をバラして良かったのか?」
「だって彼女はアニメ好きなんでしょう。アニメ好きに悪い人はいないので大丈夫です」
あ、そういえばまだ言ってなかったな。
「えっとな。非常に言いにくいんだが……」
「クルちゃんごめんね。今回、アニメは関係ないんだ」
事実を知ったクルは鈴音に捕まり、地獄の2時間を過ごすのだった。
鈴「なんかすごい秘密を知っちゃいました」
陽「まぁ、そりゃ驚くよね」
鈴「あんなに可愛い上に私のストライクゾーンど真ん中の萌え要素を何個も持ってる子が存在するなんて」
陽「え、そこ?!」




