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2-21 幼なじみと料理教室

 次は私の番だね。

 私は最初のシフトを交代して陽向とお化け屋敷に行ったあといずみんのところを訪ねた。


「お願い!いずみん。料理教えて」

「え、急にどうしたの?」


 陽向と喧嘩していること、実は自分が料理ができないのを自覚していることなんかを話した。


「いいけどなんで私?」


 なんでって、料理できそうだから?あ、でも変に期待を寄せない方がいい?


「え、だって親友だし、私よりは料理できるかなーって」

「あ、そうなんだぁ…………(できないことは無いけどそんなに得意ってわけでもないんだよねぇ……)」

「え?なんか言った?」

「ううん、なんでもない。任せて。カナちゃんのためなら力になるよ」


 あとは事情を知ったクルちゃんにキッチンを少しお借りしてひたすら猛特訓。


「でも、知らなかったな。カナちゃんが料理できないなんて。なんか以外」

「え、そう?」

「うん、なんかなんでも卒なくこなすタイプだと思ってた」

「裁縫は得意だけど料理がからっきしだから家庭科の成績はいつも真ん中なんだよね」

「あはは……私なんて家庭科以外も真ん中だよ」


 あれ、家庭科真ん中なんだ……裁縫が苦手なのかな?


「ところでいずみん?」

「ん?なになに?」

「どうして今、餃子を作ってるの?」

「どうしてって料理大会のお題は餃子でしょ?」

「チャーハンって聞いたけど」

「え…………」

「………………」


 持っていた餃子の皮がボウルの中に落下した。

 作りかけの餃子は最後まで仕上げてクルちゃんたちの賄いとして提供した。

 私も食べてみたけどそんなに悪くはなかった。


 気を取り直してチャーハンを作ろう。

 今思えばどこから餃子の材料が湧いたのかは謎だけど美味しかったからいいよね。包むの楽しかったし。


「それじゃ、まず卵を割って」

「卵ね、了解」


 私は片手で卵をパカッと割ってボウルの中に黄身を落とした。


「え、卵割るのうまっ」

「え、これ普通じゃないの?」

「う、うん普通だよね。私もできるし」


 そう言って卵を1つ手に取ったいずみんは卵を割ろうと力を入れる。

 しかし、いずみんの手はプルプルと震えていた。大丈夫かな?


 そして、卵はいずみんの手からツルッとこぼれ落ちる。


「わっ!」


 いずみんは慌てて卵を落とさないようにキャッチ!!出来ずにそのまま倒れ込みそうに……


「危ない」


 私は手を伸ばしていずみんを支えようとする。

 その手がさっきたまごを割ったボウルに引っかかって……


「あ……」


 いずみんの頭の上に着地しました。


 というわけで場所は変わってシャワールーム。

 この学校には部活終わりの生徒が汗を流せるようにシャワールームがある。本当に助かった。


「ごめんね、いずみん」

「ううん、私の方こそごめんね。っていうかなんでカナちゃんまでシャワー?」

「まあまあ、裸の付き合いってやつですよ」

「何それ、おじさんみたい」


 ハハハ、とお互いに笑い合う。


「まぁ、本当はいずみんの発育検査も兼ねてだけど……ね!」


 私はいずみんの使うシャワールームに侵入して適度に膨らんだ胸をワシっとひと掴み。


「ひゃっ!……ちょっ、やめ」


 抵抗しても無駄じゃい。その胸少し分けろ。


「じ、自分の胸が無いからって人にあたらないで」


 胸が無いは余計じゃい。同情するなら胸をくれ。


 という男子が喜びそうなシチュエーションはさておき、事件が起きたのはその後だった。

 シャワーを浴び終えてあとは脱衣所で服を着るだけというところ。


 もしこの瞬間を見ていた人が他にもいるのなら全員が同じことを思うだろう。


 なぜこんな所に固形石鹸が落ちているのかと。

 シャンプーもボディソープも常備しているこのシャワールームでいったい誰が固形石鹸を使うんだと。


 脱衣所へ戻ろうとするいずみんが狙ったかのようにそれを踏みつけ見事に滑る。


「きゃっ」


 と声を出して、そのまま後ろを歩いていた私の前に倒れ込んでくる。

 受け止めることはできたもののその勢いに耐えきれずに私も一緒に倒れ込んでしまった。


「いてて……」

「いずみん大丈夫……って、きゃぁぁあ」

「え?……あ…………」


 倒れ込んだいずみんの手が私の両胸にダイブ。これはこれで男子が喜びそうなシチュエーションになってしまった。


「あ、あの……さっきのお返しってことでいいかな?」

「いいわけあるかぁぁーーー」


 胸のサイズが違うんだよ!!

 結局、1日目の料理教室はなんの進展もなく終わるのでした。


 午後のシフトを最後までこなして、アイリスが最後に解散の一言を言って解散となるのだけど。ちょっと今は陽向と会いづらいよね……


 まだアイリスも戻ってきてないってことは陽向と一緒にいるのかな?


 あ、電話だ。


『もしもしお姉ちゃん?今どこにいるの?』

「教室にいるけど。あ、もしかして陽向もそこにいる?」

『え?あ、うん』

「今、会いづらいから20分くらい陽向を教室に近づけないでもらえる?実は料理、練習してて」

『あぁ、そうなんだ。うん、わかった。じゃあね』


 待っててね陽向。絶対に美味しい料理を作ってみせるんだから。

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