2-19 透視天使と天界警官(姉)
「うぅ……雲雀さん。ごめんなさい」
「いつまで言ってんだ、シャキッと眠そうにしろ」
「どっちですかそれ」
しかし、今更ですけど、カドルさんの変装メイクの技術は一体どこから……さっき鏡で見た時は自分じゃないみたいでしたよ。
下着姿の雲雀さんを保健室で放ったらかしにして縁日へ向かいました。
「射的やらせてくださーい」
「はいよー」
カドルさんがエアガンで的を狙う。
まず1発、的の中心を射抜き、紙の真ん中に穴が開く。そして、エアガンを上に投げ、一回転。エアガンをキャッチしてもう1発。的である紙に穴は開かなかったが的の奥の受け皿にはBB弾が増えている。
カドルさんは1度開けた穴からもう1発入れたのです。凄すぎです。
あ、いけない。見とれている場合ではありませんでした。
ささっと景品をいただいて……カードを添えて任務完了。そして、カドルさんに完了の合図を送りました。
「へへっ。もういっちょ!」
…………雲雀さんをあのままにしておくのも悪いですし、おいていきましょう。
雲雀さんに服を返して、私は調理室へ、その日は再び忙しさに追われていました。文化祭は戦いです。
2日目は調理班の仕事が無いので自由です。
陽向さんの提案で体育館ステージで怪盗アスカの張り込みを行います。まぁ、怪盗アスカの標的は屋外ステージのマイクなんですけどね。あの飴細工を作るのとっても苦労しました。
しょうがない。陽向さんにヒントをあげましょう。
『もしもし、クルか?』
「あの、屋内ステージの方は午前はダンスや演劇がメインでマイクを使う公演は無いみたいです」
つまり、狙いは屋外ですよー。
『それじゃあ屋外ステージが標的か。でも、今マイクの確認はしたし、目を離さなければ大丈夫だと思うんだけど』
目を離さなければ、ですけどね。カードに気を取られてはいけませんよ?
「そうですか、それではそちらはお任せします。今からダンスをやるんですけど、演目がキュアピュアのカバーダンスなんです。見逃せません」
まぐれです。知りませんでした。陽向さん感謝です。キュアピュアが見れるなんて……
『そっか、楽しんでこいよ』
「はい、それではまた」
「アニメ、お好きなんですか?」
隣のお馬さん……じゃなかった。ガブさんが尋ねてきました。
「はい、とっても。ガブさんは何か好きな物あるんですか?」
「私は……妹が」
「妹さんってラフィさんですよね?可愛いですもんね」
「ええ、とっても。いつでも抱きしめていたくなります。ふへへ」
あれ、どうしてでしょう……一瞬、身の危険を感じました。
「クルさんもラフィと一緒で小さくて可愛いですよね。ふへへ」
「え、えっと妹さんが好きって言うのはどういう意味で」
「もちろん1人の女の子としてですよ。ふへへ」
あー、アウト。完全にアウトです。
「も、もしかして私の能力をコピーしたのって……」
「はい、陽向さんから透視のことは聞いてました。まさか陽向さんたちまで透けてしまうとは思いませんでしたが……ふへへ」
ガブさんはお馬さんの被り物に手をかけて外そうとする。私の下着を見るために……
襲われる、お馬さんに、襲われる。
スクリュード、嘆きの一句。
「あら、1時間経ってしまいました。それでは、もう一度コピーさせてくださいね」
ガブさんは私に手を伸ばす。恐らく私の能力と同じでコピーできるのは1時間が限度。つまりこの攻撃さえかわせれば……
「……なんで避けるんですか?」
「よ、避けてないですよ?」
「避けましたよね?」
そう言いながら私にもう一撃。もちろん触られるわけにはいかないので全力でガード。
でも、このまま避け続けているわけにもいきませんし、どうにかしないと……
私はガブさんが脱ぎ捨てた馬の被り物を拾い、ガブさんに被せてキツく紐を縛りました。
「え?あれ?ちょっ、取れない。見えない、助けてください」
「はい、能力が欲しいならあげますよ。これで見えるでしょう?」
「うぅ……見えない。下着が、生肌が……」
「はぁ……趣味は人それぞれですしラフィさんには黙っておいてあげますから、人様に迷惑はかけないでくださいね?」
「はい、反省します」
その後は、キュアピュアのダンスに盛り上がり、カラオケ大会で熱唱して、1時間ごとにガブさんに能力をあげて、食事中に被り物を外したガブさんからの猛攻をかわして……
とにかく文化祭は戦いということを学びました。
ガブ「お願いします。このことはどうかご内密に」
作「なんで?」
ガブ「ラフィにバレたら嫌われちゃいます」
作「そんなことないよラフィにちゃんと想いを伝えたらきっと届くって」
ガブ「作者さん……」
作「おーい、ラフィー!お姉さんから話があるってよ」
ガブ「ちょ、作者さん?!」




