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2-12 天界警官とおもてなし

「おい、どこ行くつもりだよ。この時間だとみんな次の日に向けて準備してる時間だろ?」

「わかってますよ。なので文化祭の出し物ではなくてですね」


 口調、元に戻ってるし。


 連れてこられたのは屋上。


「どうしたんだよ、こんな所に連れてきて」

「私、前から陽向兄さんのことね……」


 え、この空気……まさか。


「陽向兄さんのことお姉ちゃんとお似合いだと思うんです」


 は?


「え、このシチュエーションでどういう意味?」

「ふふっ、ドキッとしました?」


 いや、訳分からん……


「ごめんなさい。こうやって男の人をからかってみたかったんです」

「それだけのために屋上まで連れてこなくても……」

「まあいいじゃないですか。ほら、夕陽が綺麗ですよ」

「はいはい、ほんとだね」

「もう戻ってもいいですよ。文化祭は明日もありますし」

「あぁ、明日は一緒にいられないかもしれないから……奏多と一緒にいてもらってもいい?」


 明日はラフィとガブが来ることになってるから一緒にいてあげないといけないしな。


「むぅ、しょうがないですね。彼女さんとデートですか?」

「別にアイリスはそんなんじゃないよ」

「私はアイリスさんのことを言ったわけじゃないですけど。おやおやぁ?まさか本当に……」

「違わい!」


 でも、なんでアイリスのことだと思ったんだ?


「ふふっ、今日はありがとうございました。また相手してくださいね」

「はいよ、また機会があったらな」


 そう言い残して教室へと戻った。アイリスが解散の一言を告げて次々に帰宅を始めているところであった。


「アイリス、奏多は?」

「もう帰りましたよ。なんか随分避けられてますね……」

「他人事みたいに言うなよ」


 ひとまず今日は帰宅。


「ただいまー」


 誰も家にいなくてもただいまというのが俺流。アイリスも続いてただいまと一言。


「おかえりなさいませ、ご主人様」


 帰ってくるはずのない返事が……


「何してんの?2人とも……」

「天界警官ラフィエラただいままいりました。地球でのおもてなしはこのような形で行うと聞きましたので、エリートの私は忠実に再現しましたよ」

「すみません……多分違うと思うって言ったんですけど、聞かなくて。やっぱり違いますよね?これ」


 出迎えてくれたのはメイド服姿のラフィ&ガブ。

 とりあえずガブは頭をあげてくれ。どっちかと言うと悪いのはラフィだから。


「ま、まぁ、間違ってはいない……かな?だよな?アイリス」

「は、はい。そうですね」


 なんだろう。家に帰っても文化祭の続き感。メイド喫茶を出してるクラスはなかったな……


「それよりもどうやってここに?」

「企業秘密です」

「……どうやっ「企業秘密です」


 教えてくれる気は無いようだ。


「そうだ、せっかくですしおもてなししてもらいましょう」

「一応、夕飯の準備はしてますけど……」


 お、ガブの手料理か?それは、食べてみたい。

 荷物を整理して食卓へ向かうと美味しそうな料理が並んでいた。


「ハンバーグか俺の好物じゃないか」

「お口に合うといいんですけど」


 それでは一口……

 ん!これは。


「お前、もしかしてアイリスの能力コピーしたか?」

「……」


 俺がそう聞くと何も言わずににっこりと微笑むガブ。いや、それじゃ分からないんだけど。

 と、思った瞬間ガブがその場から姿を消した。


 これは黒ですな。


「アイリス様顔赤いですね?どうしました?」

「え、いや、その、陽向さんが私の料理の味を覚えててくれてつい……」


 これで俺がバカ舌じゃないことを証明できただろう。どうだ奏多、参ったか。

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