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2-5雷天使と仲直り作戦

 皆が待ちに待った文化祭。今日がその本番である。


 うちの学校の文化祭は土曜と日曜の2日間の開催でその次の月曜日と火曜日が振り替え休日となる。


「浮かない顔ですね」

「まぁ、昨日のことがあるからな」

「大丈夫ですよ。きっと仲直りできますって」

「だといいけど」


 教室へ行くとまだ奏多は来ていなかった。さすがに文化祭を休むなんてことはないと思うが……少し心配だ。


 しばらくして、奏多が来る前に先生に体育館へ行くように促されてしまった。

 おいおい、マジで来ない気か?


 体育館へ集まり、開会式が行われる。オープニングセレモニーとして、軽音部が1曲演奏したり、各団体の宣伝をしたり、有志の一芸が披露されたりと開始早々大盛り上がりだった。


「さて、私たちも頑張りましょう」


 教室に戻り、クラスのリーダーであるアイリスがみんなに掛け声を掛け、それにみんなが「オー」と応える。


「みんなごめーん」


 ガラッと教室のドアを開けて入ってきたのは奏多。どうやらただ遅刻しただけのようだ。


「カナちゃん。おはよう。これから始まるところだから準備してね」

「ごめんね、すぐに準備するから」

「あ、あの、奏多……」


 俺が声をかけるも奏多はスルー。ま、まぁ、準備しなきゃだもんね。邪魔して悪かったね。


「じゃーん。どう?」

「おお、似合ってんじゃねぇか」

「ありがと」


 準備を終えてカフェの制服姿で出てきた奏多。それをまずは俺ではなくカドルに見せびらかしている。昨日のことをまだ怒っているのだろうか……


 時間になり校舎内には一般の人も続々と入ってくる。

 まだ、朝なのでカフェであるうちのクラスの客足はまだ少ないが、うちのクラスの誰かの親らしきお客がちらちらと足を運んでくれている。


 俺は接客はせずに会計係。カフェを出ていくお客様からお金を受け取って管理するだけ。しかも、すぐに他のやつと役割交代。混雑しそうな昼頃には解放される。



 さて、そろそろ時間かな。


「陽向、お前そろそろ交代だろ?一緒にわまろーぜ」

「おう、他のみんなは?」

「クルは料理、アイリスは昼の部の接客、イオは新聞部に行ってる。一応、奏多はそろそろ交代のはずだが」

「あのさ」

「ん、どした?」

「実はまだ奏多に謝れてないんだよね。なんか話しかけるタイミングなくて」

「はは、朝からなんか気まずいもんなお前たち」


 笑ってる場合じゃないだろ。


「それでさ、奏多と佐多さんのクラスに行く約束してたんだけどカドルのほうから上手いこと誘ってもらえない?」

「ったく、しゃあねぇな。おーい、奏多。一緒に行こーぜー」

「うん、わかった!今、行……くね」


 今こっちみて少し躊躇しなかったか?そんなに怒ってるのか?


「これは面白くなりそうだな」

「この悪魔め」

「俺様はこれでも天使だぜ?」


 俺と奏多の間にカドルを挟んで雲雀のクラスのお化け屋敷へと向かう。


「な、なぁ陽向。先輩のクラスって……」

「お化け屋敷だけど……まさかお前……」

「い、いや、いざとなったら静電気で……」

「おいおい、やめとけやめとけ」


 こいつに意外な弱点が……


「でも昨日ゾンビゲームやってたじゃないか」

「ゲームはゲームだ」


 しかし、奏多と2人きりでってのは今の俺には厳しすぎる。


「お、保井くん。来てくれたんだ」

「はい、他の3人は忙しくて来てませんけど」

「それじゃ、今空いてるしさっそく入ってく?」

「はい3人お願いします」


 本当に入るのか?というカドルを無理やり連れ込んで中へ入る。


「あ、あの、奏多はこういうの大丈夫なんだっけ?」


 さすがに全く言葉を交わさないのはどうかと思いぎこちないながらも話しかける。

 さすがの奏多も無視はできないだろう。


「うん、まあね」


 すんごい素っ気ない対応。


 お化け屋敷と言っても所詮は文化祭の出し物。先輩たちも頑張ってるみたいだがそんなに怖くはなかった。

 奏多も不意をつかれて一瞬ピクっとはしてたけどそんなに怖がってはいなかった。

 一方、カドルは……言うまでもないか。

 俺にしがみついていたカドルがびっくりする度に俺に電撃をかましてくる以外に特にトラブルはなかった。うん。


「どーだったー?」

「死ぬかと思った……」

「俺も違う意味で死ぬかと思った」


 カドルの電撃事件を知らない雲雀は首を傾げて疑問に思うが、まぁ、知らなくていいと思う。


「よかったら、また来てねぇ。私はそろそろ、スヤっとしてこようかな」


 常に平常運転で非常に良きかな。雲雀は開いてるのか分からない目をしてフラフラと保健室へと向かっていった。


 カドルはお化け屋敷でノックダウン。シチュエーション的には奏多と2人きりと言えなくもない状況。謝るなら今かな。


「あの、奏多」

「あ、そろそろ戻らないと。それじゃあ私も行くね」


 奏多のガードが固くて苦戦中の俺です。果たして、仲直りできるのでしょうか。

(作)いやぁ、投稿期間が空いてしまって申し訳ない。

(陽)別にいんじゃねぇーの?

(ア)そうですよ。自分のペースが大事ですから

(作)2人ともありがとね……

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