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1-21 雷天使と女神様の秘策

 客席に戻ってきたアイリスにどうしてカドルを借り物競争に参加させたのかを聞いたが、見れば分かりますと答えを濁されてしまった。

 しかし、なにか秘策があるのには違いなさそうだ。問題はカドルがそれに気づくかどうか。


「あ、始まったよ」

「あれはなんだ?」


 俺が指さしたのは大きなモニターのようなもの。そこには借り物のリストが表示されている。


「ルーレットで借り物を決めるんですよ。カドルちゃんなら借りやすいもののところでルーレットを止められるかと思いまして」


 いや、でもカドルって……


「あれ、でもカドルさん。何もしないでルーレットが止まるの待ってるっスよ?」

「え、嘘っ!?」

「カドルは電源のON/OFFしか操作できんぞ?」

「あ……」


 忘れてたんかい!

 しかし、今さらどうすることも出来ない。ルーレットは止まりモニターにはそれぞれの借り物が表示されている。

 カドルのモニターには『天使の輪』とある。


「あれって?」

「天界人の必需品みたいな物ですね」

「アイリスさんやクルさんも持ってるっスか?」

「はい、これですね」


 と、クルはヒョイと頭の上にリングを乗せる。するとクルの背中から白い翼が生えてきた。

 それだけでなく、目は青く輝き、髪は綺麗な金髪へと変化した。


「それじゃあ、それをカドルに渡せばいいんじゃないの?」

「はい、もう渡しましたよ」

「早っ!」


 再びカドルに視線を戻すと確かにその手にはクルの持っていたものと同じリングがあった。

 転移で輪だけをカドルの元へ送ったのだろう。

 ただ、そのリングはクルのものとは色違いだ。クルのものは淡い黄色っぽいいろ。アイリスのは水色に見える。


「あれって持ち主によって色が違うのか?」

「いえ、基本はクルちゃんの持っているクリーム色の物です。私のは特別で女神の資格を取ると管轄の世界に合わせて色が変わるんです。この世界は青ですね」

「で、私のこの姿には感想とかないんですか?」

「あ、うん。可愛いと思うよ」

「むぅー、なんか腑に落ちません」


 アイリスから輪を受け取ったカドルはトップでゴールラインを切る事に成功した。他の選手はまだ借り物を探している。恐らく、カドルの引きが強かったのだろう。


 午後の部も終わり残すは結果発表のみとなった。

 結果は天界チームの勝利。

 俺たちは客席から拍手を贈った。

作「あれ、ラスフェルさん出てました?」

ラ「私は審査委員だからな。競技には参加しとらんよ」

作「あ、そうだったんですか」

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