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1-10 天使たちと俺たち

コロナウイルスで、外出を自粛されている方が少しでも暇を潰せるように、この章は投稿ペースをあげようと思います。

「たしか、聖水って私たちの近くにあったんだよね?」

「そうだね」

「動いてたらその聖水ってどこにあるの?」

「陽向さんが持ってるとか?」

「ま、その線で追ってみるしかねぇよな」

「それじゃあ、それぞれ自分で見つけた陽向さんのところに行ってみましょう。先輩の見つけた陽向さんのところには私が行きます。先輩は私たちをそれぞれの場所に転移させてください」

「わかった。それじゃあ私はカナちゃんと一緒に行くね」


 80秒後に転移は完了する。


「さてと、俺様は山道だな」


 カドルは町の外れにある登山道へと来た。


「あいつが居たのは山頂だったかな」


 カドルはまっすぐ山頂を目指す。


「お、いたいた」


 カドルの目の前には俺の姿があった。

 その俺は虚ろな目をしており、意識はない状態。


「おーい、陽向さんやーい」


 カドルは俺の目の前で手をパタパタと振って見るも俺の反応はない。


「うーん、見たところ聖水も持ってねぇしなぁ。これはハズレか?」


 一応、まだ分からないのでみんなの所まで俺を連れていくことにしたカドルは電気を発生させて目の前の俺を電気ショックで無力化する。


「悪ぃな、我慢してくれよ」


 カドルは俺を担ぎあげ、さっきまでいた監視室へと向かった。




「ここは……遊園地?」


 クルが来たのは遊園地、というよりアスレチックなどが豊富にある大きな公園だった。


「あ、いました。陽向さーん」


 クルが声をかけるも反応はなく、クルは走って追いかける。


「って、なんで逃げるんですか!」


 クルが追いかけると俺は公園内の迷路の中へと逃げ込んだ。


「はぁ、あんまり使いたくはありませんでしたけど仕方ないですね。透視しましょう」


 本日4度目の透視。

 迷路は複雑に入り組んでいるため探すのは困難であるが壁1枚向こう側が見えてれば少しは楽に探せると判断。


「って、これじゃあ迷路の壁が見えないからまともに歩けないです」


 クルらしからぬ失敗。壁の向こう側は見えても本来あるはずの壁が見えないのでどこに壁があるか分からず、透明な壁にぶつかるという状態になってしまった。


「こうなったらこのまま行くしか無さそうですね」


 両手を前に突き出して壁を手探りで探しながら俺の捜索を始める。


 順調に進みながら迷路の中央付近へとやってくるとクルは壁越しに俺の姿を確認した。


(こっちには気づいてないみたいですね。このままそっと近づきましょう)


「少し見えちゃいますけど、ごめんなさい」


 クルは俺が逃げないようにガバッとしがみつくようにして俺を押さえ込んだ。しかし、そこであることに気づく。


「捕まえたはいいけど、この後どうしましょう。聖水も……見たところ無さそうですね」


 クルは俺を引っ張ってどこかへ連れていくような力はなく必死にしがみついて逃げないようにするのが精一杯。

 どうしようもないと悟ったクルはこのままアイリスが助けに来てくれるのを待つことにした。

 仮に自分の捕まえたのが本物の俺なのであれば時期にアイリスが来てくれると信じていたからである。


「あー、もう。暴れないでください。はぁ、実際はそうじゃないにしても、下着姿に見える男性にしがみついてる私はいったい何をしているのでしょうか……」


 俺がこの、透視能力最大のデメリットに気づいたのはとうぶん先の事だった。

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