表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うちの聖女様は怒らせたらマジでヤバイ  作者: うる浬 るに
本編「ダンダリア王国編」
15/116

15 天罰?

「お会いしてくださるとは思いませんでした」


 そう言ったのはアマンダの弟、ジャックだ。


 今日はアマンダの代わりにジャックが教会にやって来た。あれだけ貶されていたのに、実は仲が良かったのだろうか。


「そっちから訪ねてきたくせに、ジャック様がそんなことを言うんですか」

「いえ、姉が何度ここへ来ても追い返されていたようなので、私でも無理だと思っていましたから」


 ショールのお礼分くらいは、話を聞いてあげてもいいと思っただけだ。


「それで、ご用件は」

「えーっとですね。ローザさんは姉のことをご存知ですか」


 ご存知も何も、ジャックは公爵家でアマンダと私が会っているの見ていたではないか。


「アマンダ様のことですか? いつも押しかけてきて教会では迷惑しておりますが」

「それは申し訳ございません。そうではなくて、身体のことです」

「身体? 何のことでしょう」


 ジャックの言っている意味がわからない。何かの比喩でもなさそうだし。


「ローザさんは本当に何も知らないようですね。実は姉のアマンダが、誰にも言えないような病気になりまして、それを治してくださる方を探しているんです」

「ルル様は無理ですよ。二度と目の前に現れないと神様に誓っていますから」


 間髪いれずに私は拒否する。


「他の聖女様でもいいのですが……」

「聖女の癒しって何でもできるわけではないんですよ。誰にも言えないような病気なんて治せるわけないじゃないですか」

「そうですよね……」


 ジャックは困ったなぁとため息をついた。


「悩んでいらっしゃるところ悪いですけど、アマンダ様はとてもお元気そうでしたけどね」


 教会の門で大騒ぎしている姿はとても病人とは思えない。あの人はいつでもパワフルだ。

 そのエネルギーをもっと役立つことに使えばいいのにと私は思っている。


「病気とは言っていますが、命に別状があるわけでもないんです」

「だったらいいじゃないですか。なんでもかんでも聖女を頼られたら困るんですけど」


「それはわかっていますが、姉の身体が治らないことには、結婚もままならず、ずっと家にいられたら私が心労で倒れてしまいます。それをローザさんが癒してくださると言うのなら目をつぶりますけど」


 なぜ私を巻き込もうとする?


「さっきから意味がわかりません。こんなことしてても時間の無駄ですね」


 私だって暇ではないのだ。

 席を立とうとした私より先に、ジャックがドアの前を身体でふさいだ。


 信用して二人きりで話をしてあげたのに、まさかそんな暴挙にでるとは。


「こんなことしてすみません。ローザさんに包み隠さずお話しします。それで話を聞いたあとに、もし治療方法があったら教えてもらえないでしょうか」


「えー、そんな面倒くさい秘密、私は聞きたくありませんよ。そこをどいてください」


「そう言われると逆に聞いてもらいたくなります。姉たちはですね、天罰がくだったんですよ」


 私は耳を塞ぐ仕草をして拒否したのに、それを無視して、ジャックはアマンダに起こった出来事を話はじめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ