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影神様  作者: 紀希
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かけがえのない日々。友達。



「続いてのニュースです。

○○県狸村で小学生5人が昨日から

行方不明になっていることが分かりました。

行方がわからなくなっているのは

いずれも狸村に住む小学校3年生の

木暮楓夏ちゃん、沢村諒太くん、近坂啓くん、

髙城未歩ちゃん、酒倉優くんの5名です。

5人は昨日、午前7時頃に外へ遊びに行き、

近所の住人が目撃して以降

行方がわからなくなっています。

昨晩から地元住民が総出で近隣を捜索しましたが、見付からず、警察への通報がありました。

警察はなんらかの事件に巻き込まれた可能性もあると見て、本日正午から捜査員を増やして

捜索を行っていますが、

未だ5名共に見付かってはいません。」



この事件を知ったのは

都会でやっと友達が出来て、

久しぶりに大きく玄関を開けて帰った

あの日だった。

帰るなり母親が俺を強く抱き締める。

あの時の母の泣き崩れる姿を今でも覚えている。


友達が行方不明になった。


楓夏、諒太、啓、未歩、優。皆好きだった。

大好きだった。


その後今に至るまで、

俺の大切な友達は未だに見付かっていない。


時々あの頃の日々を思い出す。

二度と戻らないかけがえのない日常。

友達のことを。


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