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stage2. ゲームにて

2話目です!!

この作品は大学のサークルで部誌に載せて頂いたものです!どうせなので、いろんな方に読んで頂こうかと思い、投稿させていただきました!!

趣味ゲームを詰め込んだ感じの作品です(笑)

どうぞ、のんびり読んでくだされば幸いです(*´꒳`*)

…そして時は現在。

倉内さんとの一件から数時間後の俺は座りなれた椅子に座り、パソコンを目の前に悶々としていた。

結局あの後、俺は倉内さんに満面の笑顔で感謝されつつ、夜にゲーム内で落ち合うこととなったのだが……正直まだ気持ちの整理はできてなかったりする。

だって、藤堂なんかとの仲を応援するようなもんだろ!?ほんともう、死ぬほどやりたくない……でも倉内さんとゲームできるのは死ぬほどうれしい……。

自分でも女子かって思うほどのうじうじ具合だが、そこは全力で察していただきたい。こちとらどこぞのイケメンな友人のおかげで花のない人生送ってきたんだよ!彼女いない歴=年齢だよ!ちくしょうっ!!


『……もしもし?乃木くん聞こえてる?』

「え……っとおわっ!あっぶね……あ、えっと、もしもし!聞こえてる聞こえてる!」


ぼんやりしている間にいつの間にか通話を始めていたらしく、ヘッドセットから不意に倉内さんの声が響いてきて思わず椅子から落ちそうになる。

実は、学校で別れる間際、倉内さんから「通話しながらの方がやり易いって聞いたから」と、連絡先を教えてもらっていたのだが……やはり、相手が倉内さんだと威力半端ない……ヘッドホンの奥から常に彼女の声が聞こえるとかもう最高すぎて死にそう……生声最高。この点だけは今回のことを引き受けてよかったと思える。……はい、そこ。キモいとか言わない。


『大丈夫?すごい音したけど……』

「大丈夫!全く問題なし!元気百倍!……ってあ!待ち合わせ!ご、ごめん!暇だったから町出てて……今戻るから待ってて!噴水前だっけ?」

『あ、いいよいいよ!どの道ダンジョン行くし、私がそっちに行くよ!』

「え、……………………ごめん」

『気にしない、気にしない』

「ほんっとごめん……じゃあ、えっと、場所は……」


なんてこった。ぼんやりしていたせいで待ち合わせ場所をすっかり忘れていた…。おかげで倉内さんにご迷惑をかける結果に……申し訳なさ過ぎて死にたい。倉内さんの優しさが目に染みるっ……!

出だしからの失態にしょぼくれながらも手短に倉内さんに現在地を伝え、俺は俺で分かりやすいように目印になりそうな大樹のそばで彼女を待つ。

今、俺たちがしているゲームは日本一の規模を誇るMMORPGこと「オーラムオンライン」、通称オーラム。職業や衣装などの種類の豊富さが人気のゲームだ。もちろん俺もこのゲームは遊びつくし、レベルも既に一〇〇とカンスト済み。全身は数年分のお年玉をつぎ込んだこだわり装備で固められている。

聞いたところ、彼女もずいぶんと藤堂に本気なようで、このゲームは数日前からやりこんでいるらしく、レベルも三十とそれなりに上がっているらしい。

数日で三十まで行くのはなかなかな腕だ。これには俺も期待が高まる。


……期待と言えば。


なによりキャラグラフィックが期待大だ!倉内さんの事だからそれはそれはかわいいキャラクターなんだろう……あ、でも清楚系美人とかもありだよな……あえてボーイッシュってのも捨てがたい!……うん、ともかく今から楽しみで仕方がない。

あ、ちなみに俺のは金をかけただけあって見事なイケメンと化している。銀髪に赤い目、さらに赤いコートと黒の剣…と、中二病全開な容姿ではあるが、極論、顔がよくて強けりゃ何でも許されるってなもんだ。


『あ、乃木くん見っけ!』


しばらくして、不意に聞こえた倉内さんの声に即座に俺はカメラを動かして周囲へ全神経を集中させる。右へ左へ上へ下へ…。

だが、かわいい女の子はどこにも見当たらない。


『? 乃木くん?どこ見てるの?』

「え?」

『後ろ後ろ!』


倉内さんに言われるがままに急いで振り返ると、いつの間にやら目の前には1人、大きな影が立っていた。


…そう、大きな影が。



「…………………」


流石の俺も言葉を失った。

なんせ目の前に立っていたのは、大剣を背負い、筋肉隆々の厳つく逞しすぎる大男。


これが…倉内、さん…だと…?


 ……なんかもう、とりあえずツッコミどころが多すぎて眩暈がしてきた。

なぜ男!?なぜマッチョ!?なぜ無駄にでかい!? なぜ目元に大きな古傷が!?俺の思い描いた麗しの美少女はどこにっ!?

おかげで俺の心はすっかり大荒れ状態だ、ちくしょう。


「あー……女キャラじゃなかったんだね」

『うん! だってまずは見た目から強くないとでしょ?』

「あ、うん、ソダネ」


必死に絞り出した感想…というよりは指摘のような発言に倉内さんは楽しげに答えるが…俺はなんだか倉内さんの思考が分からなくなってきて大変混乱している。

これはあれか? 考えるな、感じろってやつか?


…女心、なんて難しいんだ……



『乃木くんはザ・イケメンって感じでかっこいいね!』

「え、あ、ありがとう」


褒められて悪い気はしないが、正直倉内さんのがインパクトありすぎて驚きというか……ショックがでかくて素直に喜べない。

でもまぁ、今の「かっこいいね!」は最高だった。しばらくはこれを脳内再生して気を落ち着かせるとしよう。……はい、そこ。またキモいって言わない。


『よーし!じゃあ合流もできたし、早速ダンジョン行こっか!』

「そうだね。……あ、でもその前にちょっと装備変えてもいい?」

『え、うん。いいけど……その剣は使わないの?』

「んー……使ってもいいけど、近接職二人だときついかなって思って」


言いながら、俺は装備リストから剣同様、これまたやたらと黒い杖を装備する。

暇すぎてソロのくせに後援タイプの職業を極めていたのがこんなところで役に立つとは思ってもいなかった。やはり、何事もやってみるべきだな。勉強になった。


「俺が倉内さんの回復とかバフでの火力強化とかして、倉内さんがどんどん敵をたたく……ってな感じの方が安定すると思ってさ」

『バフ……火力……?ん~……よくわからないけど強いってこと?』

「まぁ、簡単に言えば……そうだね」

『なら問題なし!』

「あ、ありがとう」


言葉と同時に倉内さんのキャラクターが親指を立てるモーションをして俺は思わず苦笑いを浮かべる。

声も動きも大変可愛いが……だがキャラクターはマッチョな大男だ。そこを忘れてはいけない。


……と、いうか。


そんなことより気になることが一つ。

今までの発言、特に先ほどの「強ければ問題なし」発言からなんとなく、もしかして程度に気になったのだが…


…倉内さんってもしかして脳筋?


…………いや、まさかね。


才色兼備の倉内さんが脳筋だなんて……ねぇ?ありえないありえない。きっと単純にどちらかというと強い方がいいってだけで、まさかそんな……ねぇ?


「というか、そういえばパーティー組んでなかったね」

『パーティー?』

「あー、えっと、パーティーってのは一緒に行動する人たちが作るもんで……えーまぁ、簡単に言うと作っておくと便利なもんかな」

『はぁ~なるほど!それは大事だね!』

「うん、これが終わったら今度こそダンジョンだから準備もしといてね?」

『わかった!』


現実逃避気味に話題を投げかけたため、若干投げやりな説明になってしまったが…倉内さんは理解してくれたらしく、素直に一通りの説明を聞いてくれた。

おかげですんなりとパーティーを組むことができ、すぐに今回の目的地のある場所への移動を始めることができた。サクサク進めて実にありがたい。


 ……ただ、一つ、倉内さんのステータス欄に「職業:狂戦士」という文字が見えた気がしたのだが…気のせいだろう。


……そう信じたい。


(裏話)

作者はゲームでアカウント作るのに最低5分、最高50分ほどかけます。


((((((10倍の差))))))))



次回は、明日の18時に投稿されます!!お楽しみに!!

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