「エラキンクエスト7・オテガルの兜」
ヨシテル一行は、オテガルの兜を長い間探していたが見つからなかった。
ある日、商店街を歩いているダンチョを発見した。
「どこに行ってたんですかダンチョさん?」
「あの時は、ぼっちゃんのお相手をしてやりたかったのは山々でしたが、急な用事がございました」
ダンチョは申し訳なさそうに頭を下げながら言った。
「あなたがいなくなって、エラキーマウスさんが怒ってましたよ」
「そうでございましたか。ところで何をお探しですか?」
ダンチョにオテガルの兜の写真を見せた。
その兜には頭に魚がついている。
「この兜はタイヤキ屋で見た事がございます」
「本当ですか!?すぐに行ってみましょう!」
そしてタイヤキ屋に着いた。
「いらっしゃい!
値段お手軽、注文お手軽、美味しさだけはお手軽じゃねぇ。
オテガルタイヤキいかがすか!?」
「この兜があると伺ったのですが」
ヨシテルはオテガルに写真を見せた。
「すまないねぇ。
タイヤキの生地で兜を作るのは50年に2個しか作れねぇんだ。
しかしよぉ、俺が血のにじむ思いで作り上げた魂の結晶はもうねぇ。
さっき食い逃げされてなくなっちまったんだ・・・
あっ、てめぇだ!!」
オテガルはダンチョを睨みながら指差した。
「ダンチョさん。あなた食い逃げしたんですか!?」
「申し訳ございません!
家を出てからというもの酒を浴びるほど飲んだり、食べれもしないのに数十人前の外食をするなど暴飲暴食に費やしてまいりました。
ふと気がつくと手元には、タイヤキ1つ買うお金もなかったのでございます!
その時、私は無性にタイヤキが食べたくてたまりませんでした。
食べたくて我慢できなかったのでございます!!」
ダンチョは土下座をしながら謝った。
「ダンチョさん。あなたは盗みをするクソデブだ!
しかし、タイヤキ1つ食べる権利は誰にでもある!
それが無意味に暴飲暴食するクソデブであってもです!
デブがクソするように、罪も犯したら償えばいいんです!
タイヤキのアンコが腐っていようと、謝罪の心が腐ってなければクソデブでもやりなおせるはずです!」
その後オテガルと和解したが、もう1つのオテガルの兜の行方は分からなかった。
ある日、近所の100円ショップに立ち寄るとオテガルの兜が販売されていた。