「エラキンクエスト1・ホイナ」
ヨシテルはフィールドに出てからモンスターに襲われた。
「大丈夫かヨシテル?」
パパブが呪文を唱えるとヨシテルの傷は治った。
「すっ、すごい!何という呪文ですか?」
「教えて欲しいか?よかろう。この呪文はホイナだ。
何か頼まれて答える時、何か頼まれてそうな時に、さりげなく唱えればハナクソのような物ができる。
これを擦りつけると・・・」
パパブは自信満々に言いながら、ヨシテルにホイナを擦りつけた。
「ハナクソのような物で傷が治るなんて!無敵ですね!もう一度つけてください!」
それから、しばらく歩くとホイナ村に着いた。
「やぁ、パパブさん。お久しぶりですね」
ハチマキをした職人が、にこやかに声をかけてきた。
この村では大工として働いているらしい。
「うむ。何事もなかったか?」
「実はホイナの上級呪文を唱えることが出来る者が現れました」
職人が指差した先には丸くてデカイ物がある。
「あれは何ですか?」
ヨシテルは丸くてデカイ物に近寄った。
「よしなさい!それはホイナズンの残骸です!
治癒効果はありますが、時間が経つと猛毒になるのです。
決して触ってはいけません!」
職人は両手を広げながら道をふさいだ。
「なっ何だと!?それにしても大きなハナクソだ。
何回トイレに流せばいいのか・・・」
ヨシテルは真顔で言った。
「うん。え~と、これだけ大きかったら、まずトイレは詰まるよね。
流れたとしても溢れてくるよね。溢れたら足元ビショビショじゃん!
かといって猛毒だから海に流したら全滅だよね」
パパブは呟くように言った。
そのハナクソは、村全体を飲み込むくらいの大きさがある。
「えぇ、我々民族はホイナ魔法を研究していました。
そして、とうとう究極の魔法が完成したのです!
さて、おつかれでしょう。お宿をご案内します」
職人に連れられ宿に着き、すぐに眠りについたが深夜に物音で目が覚めた。
ヨシテルは音のする方へ恐る恐る足をすすめた。
「この巨大爆弾で隣村もおしまい。あの忌まわしい野郎がいなくなると思うと清々するぜ」
職人はニヤニヤしながら言った。
「これはホイナズンの残骸ではなく爆弾でしたか。
どんな恨みがあるか知りませんが、人を殺めるのは許せません!」
「お前に兄弟の何が分かる!
同級生の女の子をとられ、楽しみにしていたゲームを売られ、最後に残しておいたトロを食べられたんだ!
許せるはずがない!」
職人は狂ったように爆弾の導火線に手をかけた。
「もう終わりだ!この村も!俺も!
お前達には恨みはないが、これも運命と思え!」
職人が松明の火を爆弾に近づけた時、トコトコと歩いてきた犬が爆弾の導火線に尿をした。
こうして村は救われたのだった。
キャスト
パパブ
モデル・パパス+メレブ