エラキンクエスト10・コロッケ村
ヨシテル一行はコロッケ村に来ていた。
この村はマシンが労働の軸となっていて、人間は指示を出しているだけだ。
「ようこそいらっしゃいました」
見た目は人間そのもので、コロッケマシンという。
「お世話になります」
「あなたもダンスしませんか?」
コロッケマシンはカクカクと動きながら言った。
「そんなことをしている暇はない!
私は魔王を倒さなければならないんだ!」
ヨシテルは、コロッケマシンにきびすを返し宿へと足を運ぼうとした。
「これが踊れれば無敵になれますよ」
「それは本当ですか!?」
無敵という言葉にヨシテルは反応し、半信半疑ではあるがロボットダンスを教えてもらうことになった。
数ヶ月経ったある日。
「ここが勇漁ヨシテルがおる村は!?」
髪が爆発し、丸い眼鏡をかけたドクターエラがやってきた。
「私ですが?」
「おぬしか、魔王エラキング様を倒さんとする無謀なヒヨッコは?
ワシの作った最強メカの餌食にしてやろう!」
ドクラーエラは、片手にマシンを起動するスイッチを持ちながら言った。
「私はこれから世界一の、ものまね師になるんです!
失礼します。これからロボットダンスの特訓なので」
「何じゃ?
ワシの作ったマシンに、この様なダサいダンスをインプットした覚えはないのじゃが」
ドクターエラは、マシンの設計図だろう資料を流し読みしながら言った。
「何を言っている!
ロボットダンスはロマンに溢れている。
梅干しを食べた時のような渋い顔!
骨格一つ一つが、まるで鉄で出来ているかのような体の動き!
ふざけたい気持ちが先行してしまう声真似!
ロボットダンスは、踊りを極めんとする者が挑戦するものだ。
人智を越えているといっても良いでしょう!!」
「おぬし何を申しておるのか全く分からんわい!
行け!エラーマシンよ!
ヨシテル達を、もんじゃもんじゃのやきやきにしてやるのじゃ!」
エラーマシンは、尻に付いているエラから凄まじい水を飛ばし空へ飛んだ。
しかしロボットマシンの踊りにつられて制御不能になったのか、上空からドクターエラに向かって落下した。
「覚えておるがよい!
今度あったら、おこおこのみゃきみゃきにしてや・・・」
ドクターエラは爆風で空遠くへ飛んでいった。