エラキンクエスト9・魔王討伐会議
「ヨシテル!ヨシテル!」
「おぉ、仏様!クマになられたのですか?」
仏はまるでサーカスの輪のような穴から頭を出した。
「これ熊の穴じゃねぇから!仏界の穴なの分かる?」
「仏の世界にはクマがいらっしゃるんですか!?」
ヨシテルの言葉に仏は呆れた顔で答えた。
「熊なんていません~!
熊がいたらクマっちゃう!
熊がいたらクマっちゃう!
さて、ヨシテル。
次の目的はエラドラゴンと、エラーマシンを倒すことだ」
仏はスイッチが切り替わったように真面目に話した。
「何か良い対策はありますか?」
「エラドラゴンとの交渉は、金で解決するんじゃなかった?」
仏はいつもより穴から頭を突き出して聞いた。
「私は一度も金で解決しようなどと、言ったことも思ったこともありません。
私は勇漁!正義そのものです!」
「まぁ、いいけど。
エラドラゴンは、エラキングの右腕だが昔は魔王だった。
頑丈な竜の鱗で身を守り、灼熱の炎と絶対零度の氷の息吹を吐く強敵だ。心してかかれ」
仏は顔を穴に引っ込めながら言った。
「エラーマシンは、どのような敵ですか?」
「エラーマシンは、魔王軍の勢力を拡大するために機械と魚で作られたモンスターだ。
よりすぐりの強いモンスターデータを参考に、実験に実験を重ね今や魔王の左腕となったのだ」
仏は自分の後ろに向かって何かをブツブツ言いながら話した。
「手ごわそうですね。
討伐方法を教えていただけたらありがたいのですが」
ヨシテルが声をかけるも、すでに仏の姿はどこにもなかった。