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孤独な男と居場所のない女

追憶の秋四編目です。


最愛の彼女を喪った男は一人孤独に生きる。

最愛の彼女を喪ったあの日からずっと。

ただ一人、ただ一人、孤独の夜に怯えながら。

悲しみに頬を濡らし、孤独の夜に痛みを堪えて。

日々を過ごしている。


一時は死を望んだが、彼女との約束を守るため。

死への欲求に戦いながら、生きている。


鳴り止まぬ雷、降りしきり止まぬ雨、吹きすさぶ突風、それらが過ぎ去った朝のことだった。

浜辺に倒れている一人の女を男は見つけた。

男は女を抱えて、家の床に寝かせる。

女と共に過ごしている時、男の心は安らいでいた。


男が女を見つけてから数刻が過ぎ、女は目覚めた。

男は女に問うように語りかけ、女は男に言葉を返す。

女の名と浜辺に倒れていた理由を聞くために。

理由を聞いた男は女と重なるものを感じた。

孤独の男と居場所のない女。

男はこれからのことを話し、女は喜びに涙を流す。

初めて得た自分の居場所に涙を流す。


男と女は互いに心の喪失を埋めるように過ごす

喪った最愛の彼女を男は再び得て。

今まで居場所のなかった女は、初めて居場所を得て。

二人は幸せに生きて、日々を過ごしている。


《終》

これで追憶の秋は最後です。

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