34/35
破れ去る初恋
少女は恋をした 叶わぬ恋と知りながら
恋慕を抱いても 想いを伝えても
実ることは叶わない 結ばない結果ゆえに
恋をした相手は はるか昔から抱いている恋慕を
叶えさせるために 少女が住まう地を造り上げた
純粋な愛を動機として 時には刃を振るわせて
だからこそ 少女が抱いた恋心は叶わない
彼女の直系の子孫であったとしても そうでないとしても
募らせ続けても いつかは爆発してしまう
ならばこそ伝えなければならない 叶わぬ恋を思い出にするために
好きですと 心を楽させるために
決められていた破れ去る初恋 乗り越えるための勇気
葛藤を呑み込んで 奮い起こして
結果を認めて 昇華させて
次の恋へと向かっていく はるか長い時の瞬間を生きながらーー
《終》




