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脳内戯言策定曲

頭の中が騒がしい。言葉にならない言葉の種子が喚いている。

いつものことだ。

対処として、思考で歌う。暗唱する。

すでに決められている道を歩むようにして、歌い出す。

適当な曲を。イントロから覚え切った曲を思考の中で始める。

発露のきっかけ。それを与えればいい。騒々しい思考を黙らせるにはちょうどいい。

思考暗唱に集中さえしてしまえば楽だ。労働の最中は特に。

思考と身体の別離。それが私が身につけたスキル。

いや、気がついたら出来ていたスキルだ。

労働の時は労働のことだけ考えるように言うが、そもそも私にはそれが不可能だ。

欠落している。最初からないもの。

最初からないのに、やれというのは不可能を確定させている。

だからだろう。別の思考が紡ぎ出す。

不可能をやらせているなら、不可能をやらざるを得ない状況に叩き落とせばいい。

できないことをやらすならば、自分ができない状況を作り出せばいい。

そんなことを紡ぎ出している。

思考の中で定曲を歌いながら、別の策略を練り紡ぐ。

そして身体はルーティン的に労働を繰り返していく。

いつものことだ。変わることのない、いつもの日常。

一対の蛇が互いに絡まった先に無表情の仮面を着けた感覚の中での日常。

それを私は繰り返していく。いつもになった日常のして。

これまでも、これからも、変化が訪れる時までずっと――。

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