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追憶の絆
君が眠る世界で歌を口ずさむ
君が好きだった歌を墓標の前で
僕にはそれしかできないから
僕には歌うことしかできないから
好きだった君の前でこの歌を口ずさむ
亡くなった君の前で追憶の歌を口ずさむ
唯一遺された君との思い出はこの歌だけ
他に遺された絆はないから
自分を慰めるためにこの歌を口ずさむ
他にも好きな歌はあるけれど
この歌に勝る歌には出会えない
君が遺してくれた歌だけが
君と僕とをつなぐ唯一のものだから
だから僕は歌い続けよう
君との思い出の歌を
僕が死ぬその時までずっと
それが僕の決意であり
亡くなった彼女への誓いだ――
《終》
