転職希望
職場に対する心境を綴ったものです。
私は望んでいる
今の仕事を辞め、転職することを
私は望んでいる
転職先で自分を磨くことを
私は生産の柱だった
呼吸するような自然さで誰よりもできて
他者の追随を許さないほどに
仕事に熟練していたから
私は疲れていた
周りの仕事のできなさが
私にしわ寄せとして
来ていたから
私は知恵を駆使した
ぬるま湯の中で沈んでいた
曖昧な真実を
冷厳を用いて現実にした
私は頼りにされていた
時を金に変換されるまでに
休みを奪われながら
仕事に励まされていた
私は疲れたのだ
向上心の無い職場に
壊れ損なった人形の愚かさに
精神の病みが忍び寄るほどに
私は動いた
冷厳なる真実で
曖昧を打ち砕いて
蔓延の怠惰を殺した
私は戦った
ぬるま湯を望む者たちを
言葉を刃にして
彼らの主張に沈黙を招いた
私は突きつけた
白昼夢を視ている者たちに
別側面の真実と現実を
容赦なく突きつけた
私は独裁者となった
ただ仕事をこなせば良いという
怠惰な考えに対しての
暴君と成り果てていた
私は悟った
このままでは倒れてしまうことを
蟻地獄に落ちてしまうことを
抜け出さなければならない
だからこそ私は願った
今の仕事を辞めることを
転職して抜け出すことを
自分の心に挑戦するために
私は戦おう
新たなる職場で
自分自身の弱さと向き合い
自分自身をさらに知るために
私は動き出そう
がんじがらめの心の鎖を
意志の力で断ち切り
踏み出していくために
私は未来へと歩もう
時間ではない明日へと
白昼夢ではない現実へと
鳥のように羽ばたいて行こう
私は生産の柱だった
繁栄の木蔦に絡まれていた
しかし、繁栄の木蔦は枯れて
黄金の大鷲が私を持ち去った
私は黄金の大鷲が持ち去るままに
運び出された場所で
新たに頑張っていこう
一人の熟練者として――
《終》
意図的に邪推なる曲解を明かすなら、職場の倒産を望んでいますね。