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旅人の詩

久しぶりの投稿です。

冷たい雨が降りしきる森の中で

見つけたのは廃屋敷

古びた鏡があっても覗いてはいけないよ

逆さまの人形が連れ去ってしまうから

だれもいないもう一つの世界は寂しいよ

飾られている戦場の絵画を覗いても虚しいだけ

鏡の世界を行き来する幽霊の令嬢に出会ったなら

さよならの空っぽの玉座に連れて行かれるんだ

暖かな太陽が照らす現実にね



魔女のからかいをキミはどう受け止める?

災厄の流星を見てはいけない

罪背負いの月は優しいから災厄を背負った

病の棺桶で横たわるために


迷いの森に住まうのは

一人のからくり人形

発明家がいなくなっても

避ける光は灯し続ける

結婚式のドレスを纏いながら

結婚式のタキシードを待ち望みながら


春の雪は見つけられたかい?

夏の桜を見られたかい?

秋の海はどうだった?

冬の紅を慰めれたかい?


四季の欠片は道となって

放浪者を導いて行くだろう

真実に憤って偽りに楽しませて


黒い呪いは悪魔がもたらすもので不幸を招く

白い祝いは天使が与えるもので幸せがやって来る


透明な自我は常識の檻に閉じ込められない

純粋な生命の赴くままに動き回る


噂話が飛び交うのは

列車に乗った乗客の間

暖炉の温もりで身体を暖めて

故郷で過ごした日々を懐かしむ

徒歩で気を付けることは

包帯が必要なまでの

怪我をしないようにすること


悪夢にうなされていても

目覚める時には安らぐもの

寄辺の宿屋で休んだなら

薬草園で摘み取ると良い

水面を覗き込めば

今の自分を知れるのだから


盗賊が欲望のままに求めたのは

金貨の袋が乗せられた宝の船

芸術の花冠はそこにあるだろうか?

記憶の花畑を頼りにして

朽ち果てた城に向かうならば

老いた庭師から昔話が語られる

毒草の薔薇へと辿り着いた虚構の王は

高慢への反逆を受けて露に消えた


丘の長椅子で交わした約束は

父の剣を振るえるように力をつけて

母の盾を構えられるように意志を持つこと

真実の葬儀が告げた絶望は

昔の手紙に紡がれた別れの言葉

疑心の克服を後押ししたのは

祝福の青空の雄大な景色


天使の光が輝いて

嘆きの祈りは届けられた

迷路の町で探し続けるのは

影の女神が気付かせた思い

彫刻造りで職人たちは残すだろう

思い出された最初の気持ちを


クローバーの群生地でキミと約束を交わした

花の約束は朽ちてもきえることなく

追憶の中で永久に咲き誇る

私のものである私の心の中で永遠に


旅の終わりで出会ったのは

追いかけていた盗人の最期

取り返したもので私は

彼のために墓を作った

簡素ですぐに朽ち果ててしまう

枝と蔓でできた墓を


《終》


作品モチーフは、『棺かつぎのクロ』?という四コママンガから取りました。


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