Not ending
少年の決意
帰ってきてそうそうに妹はアメを要求してきた。いつもはチョコなのだが……どちらでも良いか。
「にぃちゃん!! アメが食べたい!!」「急にどうした?」「急に食べたくなった。」「はぁ、そうかい……」
ちょっと不思議だったが、とりあえずリンゴ味のアメをあげた。少しその味を堪能したあと語り出した。
「にぃちゃん。あのときわたしはアメをなめてたんだ。とてもおいしいアメをね。」「……それで?」
妹の急な告白に少し驚いたがそのとき、妹の顔がだんだんと暗くなっていくのに気がついて余計な事を言う気にはなれなかった。
そのいつもの元気な姿からは想像できない過去に色んな人が驚くが、僕もその過去に携わった人間だからそんなこと出来ない。ただ、
「でもね、わたしはこの味が好きなんだ。だって……お母さんが好きな味だったから……」
「そうだな……」
やっとの思いで僕の口から出てきたのはこの言葉だけだった。あの日までのことを思い出すと胸が張り裂けそうだが、それでもこのとき決心した。
次の……いや、新しい日々を楽しく過ごしていく。ってことを――
「ところで、にぃちゃん。」「……どうした。」「今日ってにぃちゃんのバイトの日だよね。」「あ。」
……楽しく過ごしていきたい。
「やっちまったぁぁぁぁ!!!」
ピアノを弾くのって簡単だけど、指が疲れるのが早すぎて困る