Coming home!!
昔の記憶の痛み
予想に反して、何事もなく学校が終わった。期待させやがって。そして、あろうことか家路もとくに何事もなかったのだ。……少し残念だ。
……と、家について一息ついた僕の脳裏に突然、あのときの記憶がよみがえった。
去年の今ごろだったろうか、僕は学校にいた。学生のなのだから当たり前の義務だ。そこでは友達と楽しく好きなことを語っていたし、授業を少しさぼって屋上……ではないが、学校近くの河川敷の土手で寝転がったりしていた。
――そんな楽しい時間を壊すように時に悲劇は起きた。父親が母親を巻きこみ心中を図ったのだ。燃え盛る自宅の一軒家のなかで両親は身を焼かれた……一体、どのような思いで身を焼かれたのかは分からない。ただ分かることは、この一件によってショックを一番受けたのは「妹」だった。「妹」はこの一件のあと、しばらくその顔から悲哀は抜けなかった。強いストレスで声が出なくなったのだ。
……まあ、そんな「妹」が今となっては元気に笑い声をだしながらしゃべってはいるが、ここまで立ち直るのに半月を費やした。それが短いか、長いかは僕には分からない。それでも言えることは……
「ただいま~!!」
明るい声が新居にこだまする。
「やっと帰ってきたか……おう、おかえり!!」
……ここまで帰ってくるのが僕にとっては長かった。
最近のマイブームはアコギ
……弾けるようになりたい