表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

第六話 【馬鹿】疲弊

 と、まぁそんなわけで。


 一年がたった!

 そんで俺様は城下だぜっ!!


 はーっはっはっはっ!!

 

 今頃、リーナスは城中駆け回ってんだろうなぁ~。


 くっくっくっ。


 アイツ、ホントちょろい。



「くふ、くふふ……」

「だ~か~ら! 餓鬼がそんな不気味に笑うとかないわ~」 


 ……背後から、聞きなれた鈴を転がしたような少女の声。

 まぁ、確認するまでもなく。

 クーだな……。


「クー。いたのか」

「うん! ずーっとルゥの後に居たよ?」

「へぇ……気づかなかった」

「でしょ!」

「ああ」

「ところで、イニナはどうしたの?」


 変態女装趣味の人格破綻者こと、クラジーズ。

 そいつが言った『イニナ』とは、俺が侍女にした、以前廊下で会ったあの掃除の娘だ。


 今は……まぁ、魔術師と呼んでやってもいいくらいには成長した――らしい……。


 俺はその辺は分からんが、この変態がそう言う程には成長したということだろう。

 

「ねぇ、ルゥ」

「なに?」

「……あたしを虫けらでも見るような目で見るのやめない?」


 と。

 俺の横を歩き始めた膝丈のふりっふりのぶっりっぶっりの緑と黒のドレス。

 頭には同じ布と色のベッドドレス。

 そして……ドレスと合わせた緑のレースがついた膝上の黒の靴下。

 黒のほてっとした丸いつま先に、踵は低く、甲の部分が空いていて、長い緑のリボンがついてて、脹脛ぐらいまで足に巻きつけてある変な靴。

 

 俺から見たらもう少し踵は高くてもいいんじゃねって感じ。


 つーかさぁ。

 仙人とか言われてもおかしくないような爺がしていい恰好じゃねぇよ……。


 そして小首かしげんな。


「うん、やめない」

「そんな笑顔で言うことじゃないよね?」

「何が? 君がゴミ屑なのは今に始まったことじゃないでしょ~?」

「ん? あれ? そう言えばさ。ルゥってさ、もしかして昔の事まだ根に持ってるの?」

「あはは! 今頃気づいたんだ! てか遅くない? 何百年以上かかったら気づくの?」

「だってあれだけで根に持つなんてありえなぁ~いって感じ~ぃ!」


 真横でケタケタっと笑う変態。

 それに殺意を覚えた俺は悪くないはずだ。


「………………」

「アタシはぁ、ルゥが暇って言ってたから、ちょっと他国けしかけただけじゃん?」

「そうだね。確かに他国だね。五個入った連合国軍だったけどっ!」


 四方八方敵だらけ~。


 なんて笑えない状況だったんだけどねっ!

 あの時は本気で『こいつ死ねばいいのに』って思った。

 そんな俺は絶対悪くない!

 まったく。

 何故ベティはこの屑を生かしているのだろう……。

 まぁ。

 彼女には彼女なりの考えがあるんだろうなぁ……。

 魔導師ってほんとわっかんねぇ…………。

 


「え~……あんな雑魚束になったって雑魚だよ~ぉ」


 再びケタケタ。


 嗚呼。

 うん。

 

 以前のように腰に剣があったらこいつ殺ってた!

 今は太ももに短刀があるくらいだから、以前みたいにはいかないけどさ!

 

 いっそ帯刀すっかなぁ……。


 てか。 


「クー。君さぁ。一度死んでアルに記憶書き換えてまともに戻してもらって来たらいいんじゃない?」

「あははは! それも面白いかもね!!」

「でしょ! 外見も変われるし、何よりその悲惨な脳みそも変えてもらえるよ!」

「う~ん。そうなったら実験の数々がパァだね! それはヤ!」

「うわぁ……。うん百越えてうん千年近く生きようとしてる奴が【ヤ】なんて言うと、キモイね!」

「え~。自分から進んで女になる変態にいわれたくなぁいぃ!」

「性転換なんて、面白そうじゃね?」

「面白そう! でさ。話し替わるけど、城下来たの良いけど、どこ行く?」

「ん~。アン探そうかなって」

「あぁ。そう言えばちょっと前にアルがそう言ってたっけ」

「そ。だから探してんの」

「見つかりそう?」

「…………この国に、いるって……」

「……はぁ……。ルゥ、君ってホント馬鹿だね!」

「お前に言われたくない」

「あ~! そーんなこと言っていいんだぁ~……。せーっかくアタシが力を貸してあげちゃおうかなぁっておもったのにぃ~」

「…………これまでの経験上、クーが自分から力を貸すとかなんとかいうときって、良い事なかったからいらない」

「えー! そんなことないよ!!」

「……自覚なしとか、超厄介なんだけどー。さぁ。帰ろっと!」

「え! もう帰るの?!」

「うん。そろそろ帰んないとリーナスに泣きながら叱られると思うし」

「あぁ……。あの侍女…………」


 『げぇ……』とでも言いたげな顔するな!

 つぅか!

 基本クーのせいで叱られてんの!

 まったく。

 人間だけ置いて城、消滅とかするし!

 あれのせいで俺がどれほど動きにくくなったことか!!


 リーナスには『変なの手懐けないでください』って叱られたんだからな!!

 ごめんって素直に謝ったら。

 『姫様。後生ですから、犬猫ならばまだしも、あんな天災とも災害とも言えないモノだけはやめて下さいませ』

 って。

 号泣されたんだ……。

 つか、犬猫とコレ比べちゃダメじゃね?

 人外だし。

 ゴミだし。

 屑だし。

 変態だし。

 所詮人格破綻してるし。

 魔術と錬金術以外良い所ないし。

 アルにそっくりだし。

 『自分が楽しければまわりがどうなろうと知らん』みたいな?


 ……コイツ、魔術の錬金術奪ったら只の変態にしかなんないよ。

  

 不老長寿で爺で女装趣味で少女趣味で自己中でKY、屑etc……。

 嗚呼。

 良いとこ一つ、思いつかねぇ……。

 

 ついでに、魔導師としても屑だ……。

 なぜか。

 それはイニナを指導している姿を見ているだけで分かる。

 こいつは理屈より、感覚で覚えてやがる。

 よって。


 『良い? 見ててね? これはね、こうぎゅーっとして、ぐーっとするんだよ!』


 と。

 まぁそんなわけだ……。

 

 もう疲れた。

 かえって寝る!


また時間ある時書きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ