第四話 【馬鹿】と【変態】
* * *
薄暗い廊下に、幼女が居る。
が。
幼女がこんな物騒に笑う?
んな訳ないじゃん……。
てか、そんなことあったらホラー。
それにさ。
見間違えるわけないじゃん。
友達を、さ!
でも、忠告はしてあげた方がいいよね?
「ねぇ、君くらいの幼女はそんな物騒な顔で笑わないよ。ルファネス」
声を掛けてあげたら、化け物を見るような顔で見れた……。
酷いよね!
失礼しちゃう!!
「なんだよ! その変な顔はっ!!」
「いや。やっぱりお前って気色悪いな……」
「しみじみ言う? てか、失礼すぎるよね?」
「うん。アウト」
「何が?! ねぇ、何がっ?!」
「うるさい。クラジーズ」
「お前もな! ばーか。てかちっちゃ!」
ひょいっと両手で抱えてみたら、ルーフったら、すっごく嫌そうな顔したんだよ。
酷いよね……。
「お前のその姿で軽々とやられると色々と複雑……」
「そう? 可愛いでしょ! この青のドレス!!」
「膝丈は無いんじゃない?」
「え? 足が綺麗? ありがとー!」
「いやいや。そんなこと言ってないし~。頭の中壊れ過ぎだし~」
「え~。天才って? 当たり前じゃん!」
「話が通じなーい~!」
「あはは! ルーフ、顔がおかしなことになってるよ~」
「なんだと?! 俺様の美少女フェイスがっ!!」
「うん。君って本当、自分大好きだよね。引いちゃう~!」
「はっはっはっはっ! さぁ! 俺様の美しさにひれ伏すがいい!」
と、まぁ。
アホで馬鹿でどうしようもない二人は、肩をいからせ、怒気に顔を歪めたクラジーズの妹・ベティがやってきて。
クラジーズを強制回収するまで続いたのだった……。
「っ、兄さんのっ――馬鹿ぁぁあああ!!」
と。
ベティの怒声が城に響き。
これを聞きつけた兵士と侍女により、ルファネスは捕獲されたのでした。
めでたしめでたし。
ってね!
ふふふふふぅう~!
たぁのしーいおもちゃがやってきったぞ~ぉ!
* * *
ベティの怒声を聞きつけた侍女に捕獲されてしまった……。
でもって。
ねちねちとやられているのが現状だ。
だがしかーしっ!
俺様は幼子!
本当の幼子であればこの女の言っていることを一割すら理解はできないのでアールっ!
ふはははははは!
まぁ、八十何年と生きた俺様はわかるがな!!
はーっはっはっはっはっ!
……ん?
『だったら考慮してやれ』?
ハッ、知らねぇなぁ!
こんな若造振り回してやんのが俺様の仕事だっての!