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永遠の日々

今回は永遠亭と妹紅です!

-迷いの竹林




月姫「ごめんね、妹紅ちゃん。案内させちゃって……」



 現在、月姫は妹紅の案内で永遠亭へと向かっていた。



妹紅「気にしないでください。月姫さんの頼みですから構いません」



 妹紅は本来なら殺し合いのとき以外は永遠亭にあまり近づこうとはしないが、月姫の頼みとあらば話は別である。



月姫「ふふっ……ありがとうね。今回、妹紅ちゃんに案内を依頼したのは私が迷いそうだからだけじゃないのよ。妹紅ちゃんにたまには友人に会いに行ってもらおうと思って……」


妹紅「へ? 友人って?」



 妹紅は自分の友人に心当たりがないため疑問顔になる。



月姫「輝夜ちゃんよ」


妹紅「はい!?」



 月姫の衝撃発言に思わず声を上げる妹紅。



妹紅「……私とあいつはそんな生易しい関係じゃないですよ……」


月姫「ふふっ、仲良さげに見えるけど?」


妹紅「良くないです! ……その、むしろライバルというか何と言うか……(月姫さんを巡るライバルだなんて言えない……)」


月姫「……?」



 妹紅と輝夜は月姫を巡って毎回喧嘩になる。

 そんな妹紅に首を傾げる月姫。



妹紅「な、なんでもないです! とにかく! 私達は友人なんかじゃないです!」


月姫「ふふっ、そういうことにしておくわ」


妹紅「月姫さ~ん……」




 月姫にからかわれ、顔を若干赤くする妹紅であった……






-永遠亭の入り口付近




 そんなやり取りをしていると、いつのまにか永遠亭の近くまで来ていた。



月姫「妹紅ちゃん、ありがとう」


妹紅「いえ、私が好きでやったことですから……」


輝夜「月姫~! やっと来たわね!」



 永遠亭の中から輝夜が走ってくる。



月姫「輝夜ちゃん」


輝夜「まったく……また、迷ってたの? 随分遅かった……離れなさい、焼き鳥」


妹紅「あ? 何だとこのニート」


輝夜「私ニートじゃないですしーおすしー。私の月姫から離れなさいと言ってるのよ」


妹紅「誰がお前のだ。月姫さんは物じゃないんだぞ。しかも、毎回言ってるが、月姫さんを呼び捨てにすんな」


輝夜「私と月姫の仲なんだからいいじゃない。それにあんたにそれを言われる筋合いはないわ」


妹紅「よくねえんだよ! 大体てめぇはいつもいつも……」




 ぎゃーぎゃー!




 月姫をそっちのけで騒ぐ二人。



月姫「あらら、困ったわね……」



 口ではそう言いながらも、顔は微笑ましいものを見るように微笑んでいる。



永琳「あら、月姫さん? もう、中に入ったと思っていたのですが?」



 後ろから永琳が来た。



月姫「あら、永琳」


永琳「……月姫さん。少しお待ちください」


月姫「わかったわ」



 永琳は言い合いをしている輝夜達を見た瞬間、すっと目を細めた。



永琳「お客様である月姫さんをほって置いて、何をやってるのカシラ?」


輝夜「(びくっ)え、えーりん……」



 底冷えするような低い声で輝夜に問いかける永琳。

 その顔は笑ってはいるが、目が本気だ。



輝夜「あ、あのね、ち、違うのよ! この白髪が!」


妹紅「はぁ!? 何言ってんだ! 元はといえばてめぇが!」


永琳「ダマリナサイ……」


二人「「(びくっ)」」



 二人とも言い合いが再び始まろうとしていたが、永琳のドスの利いた一言に一瞬で押し黙る。



永琳「姫様は後でお仕置きです。妹紅さんは、慧音先生に伝えておきます」


輝夜「嫌だ!」


妹紅「それだけは勘弁してくれえ!」



 輝夜はおそらく実験につき合わされ、妹紅は慧音に頭突きがされるであろう。



月姫「ふふっ、その辺で許してあげたら?」



 絶望している二人を救ったのは月姫だった。



永琳「でも……」


月姫「私は気にしてないから……ね?」



 そう言って微笑む。



永琳「っ! ……わかりました……」



 その微笑に顔を赤くして了承する永琳。



二人「「……」」じとーっ



 そして、そんな永琳をジト目で見る二人。



永琳「……あら、ナニカ?」


二人「「なんでもございませんっ!」」




 お前ら本当は仲いいだろ……






-永遠亭




 あのあと、妹紅は名残惜しそうにしながら、人里へと帰っていった。



永琳「さて、月姫さんは薬を貰いに来たんですよね?」


月姫「ええ、いつものやつをお願いね?」


永琳「わかりました。しばらくお待ちください」



 月姫は今回永遠亭に薬を貰いに来た。

 常備している風邪薬等が切れたため、貰いに来たのであった。



月姫「さて、待ってる間どうしようかしら?」


輝夜「私と遊ぶわよ!」


てゐ「待つウサ!」



 輝夜が月姫と遊ぶために自分の部屋に行こうとしたが、ウサミミの少女……てゐに邪魔をされる。



輝夜「何よ、てゐ?」


てゐ「私が母上と遊ぶウサ!」


輝夜「はあっ? 何言ってんの? 私が先だからダメに決まってるでしょ」


月姫「てゐちゃん、こんにちわ」


てゐ「こんにちわウサ! 母上~♪」




 ぎゅっ




 輝夜をスルーし、元気に挨拶をしたあと、月姫に思いっきり抱きつくてゐ。



輝夜「ああっ! 何やってんのよ! 今すぐ離れなさい!」


てゐ「嫌ウサ! 久々の母上分を補給するウサ!」


月姫「ふふっ、存分に甘えなさい。……輝夜ちゃん、別に私は苦しくないから気にしないで?」


輝夜「そういう意味で言ったんじゃないわよ!」



 月姫は久々に会えた娘(むしろペット?)のような存在に好きに甘えさせる。

 輝夜は嫉妬から叫んだが、月姫には勘違いをされた。



月姫「……? なんでかしら?」


輝夜「え、いや、その……」


月姫「……?」


輝夜「うぅ……バカああぁぁ~!」


月姫「え!? どうしたの、輝夜ちゃん! 輝夜ちゃ~ん!」



 輝夜は気恥ずかしさに耐えられず走り去った。



てゐ「ふっ、邪魔者は去ったウサ。さあ、母上♪私と遊びましょう♪」



 てゐは二人きりになれるチャンスを逃しはしまいとする。


 


 が、しかし……




うどんげ「月姫さ~ん……お薬ができましたよ~……てゐ? あんた何月姫さんに抱きついてんの? ダメよ……月姫さんは私だけのものなんだから……」



 薬ができたため、それを持ってきたうどんげが目からハイライトを消して、てゐに近づいていく。



てゐ「ウ、ウサ……(母上が関わると鈴仙は怖いウサ……)」




 ぎゅっ!




 恐怖のため更に月姫に抱きつくてゐ。



うどんげ「……」



 完全に無表情になったうどんげ。



月姫「よしよし……怖がらなくても私がいるから。……もう、ダメよ鈴仙ちゃん。怖がらせちゃ」


うどんげ「……はっ! す、すいません!」



 月姫の言葉で元に戻るうどんげ。



月姫「ふふっ、わかればいいのよ……」




 なでなで




うどんげ「はう……」



 うどんげは月姫に撫でられて、気持ちよさそうに目を細める。



てゐ「羨ましいウサ……」


月姫「ふふっ、ならてゐちゃんも……」




 なでなで




てゐ「ウサ~♪」




 てゐも撫でられてご満悦だ。



うどんげ「ふみゅ~……はっ! 忘れてました! 月姫さん、これお薬です」


月姫「ありがとう」


てゐ「ええ……もう薬ができたウサか~……師匠早すぎウサ……もうちょっと一緒にいたかったウサ……」



 てゐは寂しそうである。



うどんげ「わがまま言っちゃあダメよ」



 そういううどんげも寂しそうである。



月姫「ふふっ……大丈夫よ、私はまだ帰らないわ」


てゐ「本当ウサか!」


うどんげ「本当ですか!」



 二人とも月姫の発言にウサ耳をぴんと立たせる。



月姫「ふふっ、本当よ」


てゐ「っ~! やった~!」




 ぎゅっ!




うどんげ「嬉しいです!」




 ぎゅっ!




 二人とも嬉しさのあまり月姫に抱きつく。



月姫「あらあら……」



 月姫は抱きつかれながら微笑む。



輝夜「月姫……さっきはごめんなさ……って! またあんたたちは~!」



 輝夜が落ち着いたため謝りに来たが、目の前の光景に騒ぎ始める。



永琳「月姫さん、今日は泊まるのでしょうか……あなたたち……」



 永琳は宿泊するのかどうかを聞きに来たが、目の前の光景に青筋を浮かべる。




 ぎゃーぎゃー!



月姫「ふふっ……毎日退屈しないわね……」




 月姫は実に楽しそうに呟いた。







更新若干遅くなりまして申し訳ないです・・・

感想お待ちしております。

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