迷い家の風景
遅くなり申し訳ありません・・・
今回は迷い家のメンバーです。
-迷い家
紫「ふふっ、幸せだわ♪」
月姫「ふふっ、そう?」
現在、紫は月姫に膝枕をされている。
実に幸せそうである。
藍「紫様、入りますよ」
そんな時に、藍がこの空間に入ってくる。
月姫「あら、藍ちゃん。こんにちは」
藍「え、月姫様!? 来ていらしたんですか?」
月姫「ええ。……ふふっ、相変わらず藍ちゃんは綺麗ね」
藍「そ、そんな……月姫様の方が綺麗ですよ……」
紫「……藍?」
藍「ひっ!」
月姫とまるで恋人のようなやり取りをしていた藍だったが、紫の底冷えするような声に我に返る。
紫「私は今、葵とイチャイチャしてるの。だから……邪魔はしないで?」
それはそれは素敵な笑顔でそう告げる紫。
藍「はい……」
藍は紫のその様子に震えながら返事を返す。
月姫「こら、紫。藍ちゃんを怖がらせちゃあダメよ」
紫「あ……ごめんなさい」
月姫「謝るのは私にじゃないでしょ?」
紫「ごめんなさいね、藍」
藍「いえ……」
月姫に怒られてしょんぼりしながら謝る紫。
月姫「ふふっ、よくできました♪」
ナデナデ
紫を微笑みながら撫でる月姫。
紫「ふふっ……」
再び幸せそうにする紫。
藍「……」
藍は若干羨ましそうだ。
月姫「ふふっ、藍ちゃんも撫でてほしい?」
藍「い、いえっ! 私はこれで!」
藍は月姫の言葉に顔を真っ赤にして逃げた。
紫「……何しに来たのかしら?」
月姫「ふふっ、藍ちゃんは可愛いわね♪」
紫「む……じゃあ、私は?」
月姫の藍が可愛い発言に嫉妬する紫。
月姫「もちろん紫も可愛いわよ♪」
紫「葵~♪」
ぎゅっ!
月姫の返答に嬉しくなり抱きつく紫。
紫「まったく、葵は天然タラシで困るわ♪」
月姫「私は天然タラシじゃないわよ~」
若干皮肉を込めてそう言う紫。
微笑みながら否定する月姫。
橙「紫しゃま~、失礼します」
そんな時に再び訪問者が現れる。
橙である。
月姫「あら、橙ちゃん」
橙「にゃっ!? 月姫しゃま!?」
月姫「橙ちゃん、久しぶりね?」
橙「……月姫しゃま~♪」
たたたっ……
ぎゅっ!
橙は月姫に走りより背中に抱きついた。
その尻尾はピコピコと嬉しそうに揺れている。
ちなみに今の状態は……
前に紫が抱きつき……
後ろが橙という形である。
月姫「橙ちゃん、元気にしてたかしら?」
橙「はいっ! 月姫しゃま! 私は元気にしてました!」
元気良く返事をする橙。
それを微笑ましそうに見る月姫。
紫「橙、今は私が抱きついてるんだから離れなさい」
紫は橙にすら嫉妬していた。
ダメだこの賢者。
橙「紫しゃまばかりズルいです!」
なんと橙は言い返した。
紫「私はいいのよ。だって私と葵は相思相愛だから♪」
紫はすごい発言をする。
月姫「ふふっ、そうね♪」
月姫は冗談だと思いながら、その冗談に乗る返事をする。
紫はおそらく本気だと思うが。
橙「えっ!? そうなんですか……」
橙は本気で信じたのか、もの凄く悲しそうな顔になる。
紫「ふふふ♪羨ましいかしら?」
大人気ないなお前。
橙「……でも……でも! 私は、諦めないです!!」
月姫「……? 何を諦めないのかはよくわからないけど、頑張ってね橙ちゃん♪」
紫「っ! 諦めなさい!」
橙は決意の込めた目で宣言をし……
月姫は相変わらずよくわかってない鈍感っぷりを発揮し……
紫は橙の成長ぶりに驚きつつも言い返す。
橙「諦めないです!」
紫「諦めなさい!」
橙「諦めません!」
紫「諦めなさい!」
月姫「……私はどうすればいいのかしら?」
二人に挟まれて困ったような笑みを浮かべる月姫。
藍「先ほどは申し訳ありませんでした……って! 何やってるんだ橙! 紫様まで!」
藍は復活したのか戻ってきた。
そして、今の状況に目を見開き、止めるために動いた。
藍「まったく……月姫様、大丈夫ですか?」
月姫「ええ、私は大丈夫よ」
藍「さあ、謝るんだ橙」
橙「うう……月姫しゃま、ごめんなさい」
藍「ほら、紫様も……」
紫「……ごめんなさい。ちょっと熱くなりすぎたわ」
月姫「ふふっ、私は最初から気にしてないわ。さあ……」
パンッ!
月姫は手を叩いた。
月姫「しんみりしたムードはこれでおしまい! ご飯にしましょう♪」
紫「……そうね」
橙「月姫しゃま~♪今日は泊まられるんですか?」
月姫「ええ、そのつもりよ」
藍「わかりました。では、さっそくご飯の用意をしましょう」
迷い家に優しい時間が流れてゆく……
(月姫「一緒に作りましょうか♪」)
(藍「えっ!?」)
(紫「カップルみたいだから却下」)
(橙「月姫しゃまのご飯食べてみたいです! 」)
かなりの難産でした・・・