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5 帰郷

メルトはハンマーを構えて巨木に向かって立っている。

「クエイク!!」


メルトがそう叫び、ハンマーで地面をたたくと足元が揺らぎ、彼の前から地割れが放射線状に走り、地面が隆起して走り、巨木に向かった。

地面はえぐれて巨木はその中に飲み込まれて、地面に埋没したところで揺らぎは収まった。


「ふぅーん・・・クエイクか、強力なスキルじゃな、では次に-メタルスプラッシュ-を」

ブンドルがそう言うと、メルトは空間に手を伸ばし鉄の塊を取りだした、空間収納のスキルだ。


「インゴット!!鋼鉄」「メタルスプラッシュ!」

メルトがそう叫ぶと鋼鉄のインゴットが空中で回転したかと思うと、前方にくるみ大の鋭利な鋼鉄群が放出され、崖の表面に鋭く突き刺さる。


「ふぅん、全体攻撃は大層なもんだな。

「はい、師匠」


「インゴット!鋼鉄!!」


「打ち出し!!」

彼がそう叫ぶとインゴットは矢のような速さで射出されて大木に楔が穿たれた。


「うーむ・・・、もう慣れたモノじゃな、これで修業は終いじゃな、すぐにでもここを立つと良いだろう」

「師匠、長い間お世話になりました」

「ふん、10年か・・・退屈せずによかったわい」


メルトとブンドルは互いに向き合いしんみりとした顔をしている。


「ほれ、これは選別じゃ」

ブンドルはそう言って片手大のハンマーをメルトに手渡した。


「師匠、これは・・・?」

「マジックハンマーだ、その名の通りマジックアイテムだ、ワシを越える弟子が現れたら持たせようと思っておってな、高レベルのものであれば自分の意思をハンマーに込めるとその通りに形を変える、ほれ、やってみぃ」


「はい」

メルトがハンマーを構えると、それは一瞬で巨大なものに姿を変えた。


「これは・・・重さが変わらない」

「そうなんじゃ、大きさに限界はあるが、重さは片手大のハンマーと変わらず、大きさに応じてそれを叩きつける物には重く作用する」


「すごい・・・」

そう言ってメルトはハンマーを腰ベルトに差し込んだ。


「さ、もう別れの時じゃ、元気でやれよ」

「師匠もお元気で」


メルトはそう言って傍らにある大きなリュックを背負い、ブンドルに背を向けて山道を降って行った。


2日ほどは徒歩で山を降り、それ以降は通りかかった駅馬車に乗り、故郷への道を進んだ。

別の客が馬車を降りて、御者と2人だけになると、御者はメルトに話しかけて来た。


「お前さん、もしかして鍛冶屋のブンドルに弟子入りしていたんじゃないかい」

「え?そうだけどどうしてわかったの?」

「やーっぱりそうかぁ!!俺だよ俺!!お前さんが行きがけに乗った馬車の男だよ」

「あ!・・・ああ!あの時の人!その節は本当にありがとう!」


2人は手を握り合った。


「ふぅ~ん・・・てことは見事修行は終了ってとこか、お前さんこんなにちっこいガキだったがいい身体になったなぁ」

「お兄さんは変わらずで」


しばらく話をしていると森からガサガサと何かが出てくる音がした。


「ん?乗客が来たかな?・・・なっ!フォレストウルフの群れ!?」

「魔物が出て来たの?」

「ああ・・・まずいぞ、この数のフォレストウルフじゃどうにもならない、逃げきれるかわからないが、馬車を全力で走らせる!!つかまってろ!おい!なんで馬車を降りるんだ!!」


「行きに良くしてもらった恩返しです、俺がこいつらを相手します」

メルトは腰にあったハンマーを素早く抜き取り手の中で回転させながらフォレストウルフに向かって歩みを進めた。



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