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32 鍛冶のスキル②

「破損個所確認!!補修!!バランス調整!!ほら、これで鍋は使える、1000ゴールドね、はい次は包丁の研ぎね、破損個所修復!!研ぎ仕上げ!!はい、1000ゴールド」


リリーン達が人だかりに近寄って行くと大勢の村人を背にメルトが鍛冶スキルを使用しているのが見えた。


「メルト・・・あなた何しているの・・・?」

「ん?ああリリーン達か、鍛冶屋の本業をしているのさ、この村は鍛冶屋がいないから、破損した金物がたくさんあるんだ、うん?鍬かえらく錆びているな、錆び取り!!破損個所修復!!」


「あぁありがてぇ、これで使えるようになった」

「んだ、1000ゴールドってのもありがてぇ」


集まった村人は金物を手にしてやって来たり、補修された金物を嬉しそうに持って帰っている。


「・・・よし、これで最後だ、1000ゴールドね」


最後の村人が帰って行くとメルトは首をひねってため息をついて水筒の水を一気に飲み干した。


「お疲れ様です、見事な手際でしたね」

「ん、ああセルフィンか、いや、師匠には叶わないよ、多分ハンスさんにもね」


そこにリリーンが割って入る。


「師匠とハンスさんってあなたよりレベルが下よね」

「そうだけれども、やっている作業の数と勘所が違う、単にレベルだけで決まるものじゃないんだ」

「確かに剣士でもレベルよりも強く思える人はいるけれど、どのジョブでもそう言うものなのね」


メルトは腰を上げて身体を伸ばして言った。


「もう日暮れだから宿に行こうか」


宿に向かい、その扉をくぐってカウンターに声をかける。


「はいはい、昼間に部屋を取っていた人だね・・・あれ、あんたさっきの鍛冶屋じゃないの」

「うん、今日ここに泊まらせてもらうんだ、おばさん、世話になるよ」

「世話になったのはこっちだよぉ、こうなっちゃ料金取るわけにはいかないねぇ」

「いや、商売は金銭をしっかりしないと・・・」


メルトがそう言ったところに宿のおばさんは声をかぶせてきた。


「商売はそう、けどねぇ村の体裁もあってねぇ、アンタ、料金安くしてくれたでしょそれこそ村中の金物を修理してさ、そんな恩人からお金取ったら村が恥をかくわよ」

「確かに村の繋がりや恩義は大事にしなくちゃいけないからな・・・」

「そうさ、だから宿賃は取らないよ」


宿のおばさんはにこやかな笑顔でそう言った。


四人はとりあえず一部屋に集まってひとごこち付いた。


「すごいですねメルトさん、あんなに村人が集まって」

「うーん、考えてみればあれが本来のジョブのあり方であって今までのが反則的なんだわよね」


セルフィンとリリーンがメルトの「鍛冶屋」ジョブについて話し合っている。


「ところでさ、鍛冶屋やってどれくらい儲かったの?」

「こら、そう言うことは聞かないの」

「ごめんごめん、でも大繁盛してたからさぁ」


ミーシャの何気ない一言をリリーンがなだめている。


「いや、かまわないよ、ええと・・・7万ちょいくらいかな」


メルトがそう言うと全員以外そうな顔をした。


「結構な額ね」

「一個1000ゴールドでしょ・・・?」

リリーンとミーシャは驚きの声をもらしおり、セルフィンは指を折って勘定をしている。


「いや、単純にこの村が30とちょっとの世帯数でね、消耗している金物って一家に2個くらいはあるもんなんだよ、共同農機具もあるし・・・だからだいたい70個とちょい1000ゴールドで請け負ったんだ、となると収入は7万ゴールド以上になるわけだよ」


メルトの言葉に全員が納得がいったと言う言葉をもらした。


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