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27 酒

乾杯をした後の女性勢はミードを二口三口楽しむように飲んでいる。


「ん?メルト、どうしたの?飲まないの?」

「いや、酒をんだ事が無いから作法が分からなくてさ」

「作法なんて無いのよ、好きに飲めばいいわ」


リリーンとメルトが隣同士で会話をしている。


「じゃあそうする」


メルトはマグを持ち上げて喉を鳴らして一気に飲み干した。


「ふー・・・喉が渇いていたから身に染みるな」


彼はマグをテーブルに置いて一呼吸した。


「一気に飲んじゃったよ・・・」

「好きにって言ってもまさか一気に飲むとはね、酔いが一気に回って来るわよ~」

ミーシャとリリーンはあきれた様子だ。


「酔うとはどんな感じなんだ?」


メルトが首をかしげてそう言った。


「体が熱くなったり、気分が良くなったりもしますが、気持ち悪くなることや頭痛が出てくることもありますね」

「ふーん・・・そう言うもんか」


セルフィンの声掛けにメルトはあいまいな言葉を発した。


その内全員のグラスが空いたので次はエールを全員分注文した。

ふたたび杯がかわされて各自飲んでいく中でメルトはまたしても一気に飲み干した。


「うまい・・・エールは苦いが肉の油分や調味料の味を消すのに最適だな、母が良く飲んでいたのがわかる気がする」


メルトは笑みを浮かべて満足そうにしている。


「っから、メルトに出会わなければ私たちはどうなっていたかわからーから感謝してるのよ」


顔を赤くしたリリーンはメルトの腕をパチパチ叩いている。


「これが、酔う、てところなのか?」

メルトはリリーンを指さしてセルフィンに聞いている。


「そうですよ、酔い方は人それぞれでリリーンさんは陽気になって絡み酒になりますね」

「ふむ・・・母は飲んでも何も変わらなかったが・・・」

「それはお酒に強い人だったんですね」

「ふーん・・・」


セルフィンの話を聞いているとまたエールが運ばれてきた。


「あっ、ミーシャ追加したわね、この量になるとリリーンさんが面倒なことになりますよ」

「いしし、男がいるから大丈夫よ」

「ふんむ・・・あなただってそうお酒に強くは無いでしょう」

「だーいじょぶだいじょぶ」


女性陣は全員赤ら顔で明るい空気が一層増してきた。


「メルト・・・あなた全然顔色も様子も変わらないのね」

リリーンがメルトの顔を覗き込みながらそう言った。

「うん?そう言えばそうだな、特に体調の変化は無いなぁ」


「体質的に強いんだねーそう言う血筋なのかもね」

ミーシャはけらけら笑いながら言った。


気が付くとリリーンが脱力してメルトの腕にもたれかかって船を漕いでいた。


「ああもうほら、リリーンさんが潰れかけてるじゃない」

「潰れる?どういう意味だ」

「あっええ、今のリリーンさんみたいに身体に力が入らなくなって、最終的には寝てしまうような状態ですね」


「・・・あ、そうか、これじゃ歩けないから誰かが運ばなくちゃならなくて、それには男手が必要だってことか」

「ご名答~~そう言うわけで宿まではメルトに運んでもらうね」

「はぁ・・・わかったよ」


魔石ランプで薄明るくなっている街路をメルトはリリーンを背負いながら歩いている。


「どうよ~ー、女の子背負った感想は!」

ミーシャがメルトをからかっている。


「どうって・・・鎧の角張ったところが当たって痛い」

「ふふふ、メルトさんはまじめで正直ですね」

「あははは、色気のない反応だなぁ」


ミーシャとセルフィンはなんだかメルトをからかっているようだった。



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