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21 想定外の魔物

フォレストウルフを狩るのが日々のルーティーンになっていった。


最初の方は二つの群れを倒すくらいで、その日は終了となっていたが、今では4-5の群れを倒すまでに成長していた。


「ふふーん、だいぶこなれてきたわね、やはりワイヤーバインドが決め手になるわ、良い調子よ」

リリーンは機嫌良さそうに街路を歩いている。


「このままいけば家賃も余裕で払えるようになりますね」

「もっと格上の魔物を狩っても良いとは思うんだけれど、まだ様子見かなぁ・・・」

セルフィンとミーシャが楽しそうに話している。


「そうね、格上の魔物となると次の町を拠点に選んだ方がいいし、家賃を払い終えるタイミングで移動した方が良さそうね」

「家賃か・・・食費もそうだけれども冒険者ってのは細々とした出費があるものなんだな」


メルトは他の三人になんとなく話しかけた。


「そうだよー、駆け出しの冒険者だと生活費とカツカツで四苦八苦なんだからね」

「そうか・・・白亜の塔攻略までは時間がかかりそうだな・・・」


ミーシャの言葉にメルトが返事を返している。


「・・・そうね、メルトには悪いけれど、私たちのレベルだと白亜の塔にたどり着くのにはまだ時間がかかるわ」

リリーンは少し申し訳なさそうに話に入って来た。


「いや、いいんだパーティーが組めただけでもありがたいよ、そもそも鍛冶屋をパーティーにいれてくれたこと自体がありがたい」


そのようなことをはなしながら都市メルボクを離れ、いつもの森林地帯に入って行った。


「変ね、そろそろフォレストウルフが何組か出てきてもおかしくないのだけれど・・・」

リリーンが怪訝な顔をしていたところに、木々の枝葉をなぎ倒すような大きな音が聞こえてきた。


「げっ!ベアーが出てきた!!」

「この個体は通常の倍くらいありますよ!!」


ミーシャとセルフィンが警戒態勢に入った。


「ワイヤーバインド!!」

メルトは通常通り、にスキルでベアーを縛り付けた。


激情して身体を振り回していたベアーが力を込めると、ワイヤーがはじけて周囲に散らばった

「ミーシャ!!ファイヤを」


リリーンの言葉にミーシャはファイヤを放ち、ベアーの体毛を炎上させたが、あまりダメージが乗っていないようだった。


「メタルスプラッシュ!!」

メルトがスキルを使うと金属のつぶてが勢いよく放射されてベアーの身体にいくつも突き刺さったが、それでもベアーは体力を残しているようだった。


「俺のスキルが効かない!!」

メルトが焦っている所に


セルフィンが叫んだ。

「フラッシュ!!」

まぶしい閃光がベアーの目の前で光ると魔物は咆哮をあげた暴れまわった。


「逃げるのよ!!」

リリーンがそう言うと、パーティーメンバーは森の外を目指して全速力で走り出した。

森を抜けて街道をしばらく走ると、全員膝を落として肩で息をしている。


「ハァツハッ、あんな個体が出てくるなんて・・・ここらのボスかしら・・・」

「魔法がほとんど効かなかったよ・・・」

リリーンとミーシャはこわばった表情をしている。


「フゥー・・・俺のスキルも効かなかった、もっと強度があるかと思っていたので油断していた・・・すまない」

メルトの言葉にセルフィンが答える。


「あの個体は特別強い個体ですし、そもそもベアー自体が怪力で体表が硬いので無理も無いですよ。


「あの魔物は私たちの手に負えないわね・・・中途半端に痛手を与えたし、しばらくはこの辺りをうろついていると思うわ」

リリーンの言葉にメルトが答える。


「では他のエリアに行くしかないな・・・それにしてもいきなりあんな上級の魔物が出るなんて・・・そうか、君たちはああいった具合に・・・」

メルトは他の三人が深手を負った時のことに考えを巡らせていた。



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