10 鍛冶スキルの本領
あばらやに入ったメルトはとりあえずリュックをおろし名を名乗った。
「俺はメルト、さっき言ったように鍛冶屋だ」
「私はリリーン、剣士だよ」
「リリーン、さっそくだけど患部をむき出しにしてそこの椅子に座ってくれ」
リリーンはシャツの袖をまくり上げて痛々しい傷の残る患部をむき出しにして椅子に座った。
椅子はボロなので彼女が座ると大きくかしいで不快な音を出した。
「じゃあ始めるぞ」
メルトはそう言うと患部に手をやるとスキルを使った。
「破損部診断」
「・・・神経はきれいに切断されているからこれなら付く」
次にメルトは空間収納を使い、中からインゴットを取りだす。
ミーシャと呼ばれていた片脚のない女性がつぶやく」
「すごい・・・空間収納」
「インゴット!バランス調整!義手フィッティング」
メルトがそう叫ぶとリリーンの腕から先が眩く光り、義手が浮かび上がり、各部が細かく動き、カシャカシャとした音を立てた。
「溶着!義手!」
メルトがそう叫ぶとリリーンの腕に義手が固定された。
「あなた、義手だけじゃ何の意味もない、ただの重しだよ」
リリーンがため息をつくとメルトがそれに答える。
「ここからが本番だ、多分痛いぞ、これを咥えておけ」
そう言ってメルトが差し出したハンカチをリリーンはおそるおそる右手で受け取り、口に咥えた。
「接合!神経!」
メルトが叫ぶと、義手がガチリと動き、同時にリリーンが悲鳴をあげた。
「義手の取り付けは初めてでね、どのくらいの痛みが何分続くかわからないんだ、耐えてくれ」
メルトはそう言ってリリーンを見下ろしている。
5分ほどだろうか、リリーンの押し殺すような悲鳴が続いたが、しばらくすると声が収まって来たかと思うと、義手全体が眩い光を放ちすぐに収束した。
リリーンは荒い息を立てていたかと思うと、ハンカチを口から外して膝に置いた。
「腕を動かしてみろ」
メルトがそう言ったのでリリーンはうなづいて義手に力を込めるような体制を取った。
「う、動いた!?」
リリーンが驚き叫ぶ。
だが動いたと言っても非常にぎこちなくゆっくりとしたものだった。
「まだぎこちないだろう、この先はリハビリが必要だ」
「リハビリ?」
「ああ、義手が馴染むように訓練することだ、さて、次はミーシャだっけか?義足を付けるぞ」
リリーンの苦痛を目にしていたミーシャはそれを聞いて青ざめた顔をした。
「いだいいいいいぐぅううう!!!!」
ミーシャは義足の接合で叫び声を上げている。
「こればかりは耐えてもらうしかないんだ、すまないな」
義手をぎこちなくぶら下げながらリリーンが声をかけてくる。
「何か痛みを和らげるスキルとかは無いのか?」
「ない、妙なスキルもたくさん会得しているが痛覚を遮断するスキルは無い」
「スキルをたくさん会得しているって言ったけれど、どのくらいの数なの?」
リリーンは義手をぎこちなく動かしながらメルトに問いかけた。
「いまのところは250だ」
「250!?まさか!!じゃあレベルはいくつなの!?」
「レベルは99だ」
リリーンはしばらく驚きの表情を見せたがはたと気付いたような表情になり、メルトに問いかけた。
「まさか・・・一度もスキルを使わずにレベル99にしたの?」
「リリーンは知っていたか」
「誰も信じていない噂話程度の知識だよ」
「ステータス画面の共有をしてくれない?」
リリーンがそう言ったのでメルトはステータス画面を共有した。
「すごい・・・本当にレベル99」
リリーンは次にメルトのスキルツリー画面を共有しさらに驚愕の声をもらした。




