プロローグ
その世界には6つの塔がそびえたち、その影響で「魔物」と呼ばれる異形がはびこっていた。
人間の住む領域を脅かし、数多くの村落が魔物に手によって壊滅した。
塔をすべて破壊すれば魔物は出現しなくなるとの言い伝えを元に、塔に挑まんとする者が現れ、2つの塔までは攻略された。
ここに3つ目の塔に登り、攻略戦とする一つの集団がいた。
「ガドス!!シールドは持つか!!」
「シールル!!長くはもたん!!」
「俺の残りを全部ぶつける!!」
シールルは高く跳躍して巨大な骸骨の魔物に斬りかかった。
「セイクリッドオメガスマッシュ!!」
彼の攻撃は魔物を袈裟懸けに切り裂きその巨体を地に叩きつけた。
「攻撃後の体勢ががら空きだ愚か者め!」
魔物は指先の骨をシールルに向かって射出し、それは彼の胸鎧を貫き肉体に深々と刺ささり地面に叩きつけられた。
「シールル!!傷を見せて!ヒール・ハイ!」
補助師のアコが回復魔法をかける。
「だめ!!ヒールは効いているけれど強烈な毒が回っていて除去できない」
「くそ・・・シールドがもう持たん・・・」
ガドスの言葉に魔導士のサラが反応した。
「ここで撤退したらコイツはまた強くなって手が付けられなくなる!」
「やめろ・・・サラ・・・アレは使うな」
サラはロッドを掲げて詠唱を始める。
「我が源を持て眼前にある邪悪の根源を断て!ライフターンエンド!」
「な!ライフターンエンド!?命を燃やし敵を打つ魔法!?身に着けているのか!!」
魔物は驚愕すると同時にまばゆい光に包まれ叫び声をあげると白い塵となって消え、魔石が一つ地面に落ちた。
「サラ!」
アコは叫んでサラにヒールをかけに走る。
「サラのバカ!体力が枯渇している!!死んじゃうよ!!」
「シールルの方も死にかけている!!」
ガドスがそう叫んだとたん暗黒の霧が辺りに立ち込め、先ほど消えたはずの魔物が姿を現した。
「ん~~わが強さを減少させ、魂を二つにしておいて正解だったわ、その女は無駄死にと言うことになるな、どちらにしても完全体のワシにはかなうはずも無いがな」
「うそ・・・でしょ・・・」
アコが青ざめた顔をしている
「馬鹿野郎!!目ェ覚ませ!拠点移動のクリスタルだ」
アコははじかれたように自分の首に下げたクリスタルを地面に叩きつけて叫んだ。
「拠点移動!!ポルガ村!」
そのとたん4人の姿はかき消えたかと思うと、次の瞬間、村落の中心に体を横たえていた。
「お、おい、勇者パーティーじゃないのか!?」
村人の一人が叫ぶ。
アコがよろよろと立ち上がって言った。
「白亜の塔・・・ボスの攻略に失敗、シールルとサラは瀕死・・・いえ、あと2-3分で死亡するでしょう、メルト君を・・・二人の子供を早く」
それを聞いた村人の一人どこかへと走り出した。
しばらくするとその男は児童を肩車して走って戻って来た。
「なんだよぉ!!お父さんとお母さんがどうしたってんだよ!?」
メルトはすぐに地面に降ろされた。
「お父さん!お母さん!!?」
「メルトか・・・俺と母さんはもうすぐ死ぬ・・・お前は勇者と魔導士の血を引く子供だ、必ず強くなる・・・世界を・・・かえ・・・」
シールルの身体は脱力し、死を迎えたことが分かった。
「死なないでよお父さん!お母さん!俺いやだよぅ!」
メルトは泣きながら二人の遺体に縋り付きいつまでも離れなかった。




