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あなたは異世界へと人々を転生させる神に選ばれました。  作者: リリー
剣と魔法と無能な神

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剣と魔法と無能な神

 ねえねえ。ナーフという言葉を知ってる?ゲームにおいて、強すぎるキャラクターがいるとする。ゲームの公平性を担保するためにそのゲームの運営はそんなキャラクターの強さを弱体化させる。それがナーフ。


 では、神は強すぎるキャラクターとしてナーフ対象となるか。なる。そして、それを私自身が望んでいる。前回はバトランが私の弱体化を試みてくれた。しかし、難しいもので、私はそれでもなお、強かった。


 全てに言える強さとは。それは人であれば状況把握能力と熟練度。あと気力だと思う。でも、神である場合にはちょっと違うかな。センスでもない。そう、『ちょっと違う』が答え。説明できない力で圧倒するのが神の強さ。  


 説明できない力。これを神の力と呼んでおく。結局、力じゃん、何が違うのって?自然法則を無視し、理を超越するから、エネルギーを必要としない、かな。ほらね。絶対に勝てないでしょう?


 最強はつまらない。最弱が最強になるのは面白い。私は最弱でいたかったんだ。策略を練ったり、工夫したりして、苦難に立ち向かい、時には負けて、努力しつつ、辛勝を掴み取りたい。それが神である私の望みだ。

 

 幸いにも、この世界では。それが叶う。何故って?


 この世界には魔力という力の大前提のエネルギーがあるからだ。魔法は貯蔵した魔力を放出することで実行される。実は魔力を使う術を神は持っていない。


 魔力。それはその世界でしか使用することの出来ない力。一方、私のような神の力は?実は魔力のない世界でしか使えない。魔法と神の力の相性は悪いんだ。


 つまり、何事にも魔力を要求される魔法の世界にいけば、私の神の力は無効化されることになる。ああ、そんな素晴らしき世界が!


ここに!


「よおおおしっ!行くぞっ!」


 私が自分を奮い立たせるなんて。なんて楽しいことなんだ。


 そうです、ここは。待望の剣と魔法のファンタジー世界。そして、今まさに、戦ってお金を稼ぐ、ピット・ファイターになるための適性試験の真っ最中。私が一撃でも試験官に攻撃をくらわせれば私の勝ちとなるとのこと。


 自分を鼓舞する叫びと同時に私は試験官を目掛けて、猛然と前へと突っ込んだ!


 いかにも魔術師みたいな大きめのフードを被った顔の見えない試験官。私の実力でそのフードを切り刻んで顔を拝んでやる!


 脚力には自信がある。こちとら1000日以上砂漠を歩き続けてきたんだ!


 私の右手には大剣が握られているっ!この距離なら届く!早く!早くしないと!魔法を使われてしまう!


 「剣を振り下ろした終わりを!!斬撃というならばっ!!その始まりは今ここからだっ!!!」


 言えたっ!それっぽい台詞!自分でもよく意味が分からんけど!とりあえず言っておく!私の全力の斬撃をくらええっ!!


 剣が対象を両断する寸前に、フードの試験官が地面に手を翳す。


 バンッ!


「うわっ!」


 突然、私の手前で爆発が起こる!爆発により、石畳の床が砕け、爆風により石の破片が舞い上がり、鋭利な石の弾丸が私に降り注ぐ!!


「痛い!死ぬ!死ぬ!あっ!普通に血が出てる!私の美しい顔がっ!助けてバトランっ!」


「ふふふ。リイン。逃げなくていいのですよ。後で回復してあげますから死ぬ気で戦って来てください。」


 観客席から見守るバトランは笑っている。あんなに楽しそうに笑う彼女は初めてみた。


「なんでバトランは魔法使えるんだよぉぉっ!!!」


 神は後悔する。この世界でもし、最弱の存在がいるとするならば。もしかしたら、それは私かも知れない。ええと。正直、ここまでは求めてませんでした。これは弱過ぎです。


 観客からの嘲笑が響き渡る会場から惨めに私は逃げ出した。

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