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恋している幼馴染と妹

 そうして満足しまくった次の日。


 朝起きると、美少女が二人、僕の目の前にいた。


 えええええ? ん?


 僕はすごく驚いた。


 それは、美少女が二人いたからではない。


 美少女の正体が、ものすごくおしゃれした、恋菜と、紅葉香だったからである。




 な、何が起こってるんだ……? 唐突なおしゃれ。というより、どうして僕が一目見ておしゃれしてんなと思ったのかを説明した方がいいのかもしれない。


 まず、髪のセットの気合がすごいはいっている。


 恋菜も紅葉香も、髪を気にする暇あったら部活や行事という感じの人なので、髪はときどき寝癖の名残があったりする。


 のが普通だった。


 しかし今は、すごい性能のブラシを使ったのかさらさらしていて、そもそも髪質が違う。


 整えに整えたのがわかる。


 さらに、髪留めまで、いつ買ったのか知らないが、おそろいの花を模ったものを付けている。なに、姉妹としてふるまうことにでもしたの?


 そしてさらに服だ。


 なんと、二人とも制服を着ている。


 あ、制服を着ているだけでおしゃれっておかしい?


 うん、そうなんだけど、二人の制服姿はマジで久々に見た。


 なにせジャージで登校しても構わないし、別に私服でもパジャマでも別に問題はない。


 僕と紅葉香が通う高校はそれくらい緩い高校だし、恋菜の中学も僕がいた時からずっとそうだった。


 だから、紅葉香も恋菜も、ジャージが基本スタイル。ジャージはたくさんの種類を所有している。


 そんな感じだ。


 だからまとめると、寝癖たまにありのあまり整ってない髪+ジャージだったのが、圧倒的に整っていて可愛い髪留めまでつけている+制服になったのだ。


 これはJK、JCなのでは? いや普通にそうだな。



 で、なんで今日の朝からこうなった。


 不思議だ。


 不思議すぎて、今僕が起きたばかりだということを忘れていた。


 とりあえず、自分が身支度を整えないとな。


 起き上がって、誰ともぶつかりようのない家の廊下の曲がり角をまがり、パンをくわえて来た道を戻る。


 時刻は6時50分と早めではあるが、朝練もあるので余裕はほぼない。


 荷物をまとめ、ジャージ(なんだかんだで僕はジャージだ)を着て、ラケットをもって、そして余裕がやっと生まれたので、僕は恋菜と紅葉香に言った。


「なんか、すごい身だしなみに気合入ってるな」


「ふふふふふ。私と、恋菜ちゃんは、男の子を落とすために可愛くしてるんだよ」


「そうそう。そうなのお兄ちゃん」


「え、まじ?」


 あ、好きな人ができた感じか。


 言われてみれば、紅葉香は、最近部活の時に少し落ち着きがなかったようにみえた。


 確かに気になる人がいそうな感じだったな。


 恋菜も、学園祭の準備をするうちに、クラスの誰かに恋したりしそうではある。


 なるほどな。


「その好きな人って、どういう感じの人?」


 僕は訊いてみた。


「高身長イケメン! 優しいの」


「私も同じタイプだな~」


 あ、そうですかい。


 身長普通くらいでイケメンでない僕は、見た目ではわからないくらい肩を落とした。


 まあ、僕が高身長じゃなくてイケメンでもないからって何か問題が発生したわけではないんだけど。


 まあ、ちょっとがっかりしちゃうよなあ、と心の中で本音を言って、僕はカバーの上からラケットをぽんと叩いた。

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