キズナ——その果てにあるもの

ルーンケルン国の父王であるデメテールが亡きあと、女王に即位しなければならなくなった十七歳のエレーナ。彼女の教育係のカインは陰の役割を自覚してエレーナを支え続ける決意をする。一方、ルーンケルン軍部頂点にいるレフティも、亡きデメテールに特別に目を掛けられた人物であった。彼もまた、国を守ることでエレーナへの想いを昇華させようと心に決める。
実は、生々流転の繰り返しの中……三人の因縁は深かった。遥か昔から、魔王として全世界に君臨していたカイン。とある時代の魔王に両親を殺害されていたレフティ。レフティの妹だったエレーナ。
それらすべてを、いち早く察したカインはレフティとの対決を避けようとする。しかし、運命の波はそれを許さない。
やがて今世でのレフティはエレーナを孕ませ、ルーンケルン国家の頂点に立つことを企むようになる。
……若い女王エレーナは、他者を疑うことなど露ほども知らない。
カインは今生に生まれる前に誓ったこと「善人になりたい」を叶えることが出来るのか。

人は変われるのか。運命に逆らえるのか。カインは苦悩をしつつ、エレーナを護るために。戦いの渦に飛び込む決意をする。
久遠から繰り返す戦いを決する「時」が迫っていた。

「運命に逆らえ！」

※他サイトにも転載しています。
※ムーンライトノベルズで完結させている「魔王に抱かれた私」のＲ15リメイク版です。