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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
12章 人魚さんとなかよし。
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093 せつめいしてみた。その2

ずっと無視だったんだから、半年くらいで平気になる事は無いの。

視線避けメガネ作ったし、直す気がないともいう。

視認できないのに視線を感じるとか、超機能は持っていないし

100M程度離れてもらえば平気。

目が良いので、手旗信号でも良いよ。

いつもありがとう。

 最初の1団が終わって、ふ〜っと息をつく。やっぱり説明は苦手。

 段々と重い感じになる予定だけど、事実は変わらないから、大変さはどれも同じ。僕の大変は視線で今日のは特に怖い。肌にピリピリってする。

 好かれるようなことは何もしてないどころか、命令ばっかりでイヤな奴だよね。分かってるけどさ。

 また、放送で次の人〜ってして、ゾロゾロって来る。2団目も足の人達でケンシュウ組だから、まあ同じ。


 3団目は、最初の説明は同じだけど、これからの所がかなり違う。もう仕事が決まってるからね。畑と牧畜の人達で、指導する人が一人ずつしか残ってないの。初めての事ばかりで大変だよね。ここは今の4倍くらいの人で計画してたの。人がいっぱいいるし、人数頼みでノンビリやろうねって。この町は広く造ったから車は必須にしたけど、あとは手作業でって考えていたんだよ。始めてみたら、なぜか働く人が少ない。あれ〜って。

 道具頼みに変えなくちゃ!になってね。ここは日常的に車を使うから、道具化も早いかなあをちょっとだけ。そのうち温室化するって言う。管理が楽になるし、冬は寒くない。通年収穫になるって聞こえは良いけど、ずっと忙しいんだよ。

 これからは、お酒造ってだから原料が増える。育てるのを任せたい果物たちもいっぱい。大変になるから、ケンシュウの人が終わったら、トックンしようね。働かない人達を期待する計画がダメなのは経験済みだから、何とかできるようにしてね。

 道具は良いの。楽になる。収穫量は里よりずっと少ないし、ここに人は里の何倍もいるとか気休めにもならないか。個人のレベルがそもそも違うんだから、そのまま比較しちゃいけないこと。


 仕事は大変だけど、今までは苦労して探してもせたのばかりで美味しくなかったし、たぶん栄養も。工夫は考えもしなかった。大きい獣は滅多めったに捕れなかったのは仕方ないにしてたせいだって思う。教わったのは、どれも簡単なことばかり。

 あと一歩が出来ていたなら、もっとマシな生活をさせてやれたのに。もう怖い買い物に行かなくて良いんだ。忙しい分だけ、みんなが幸せになれるって分かる、最高じゃないか。もっとやってやるなんて、鼻息が荒い。


 道具が増えれば、この人数でも何とかなるけど、完全理解の半分は必要なの、初めてのことばかりだから理解はかなり遠いけど、僕は果物いっぱい作って欲しいから、ほどほどにとか言わないしズルして成長させちゃうから、すぐ忙しい。ちょっとずつでも道具が使えるようになれば、楽になるから実感する。鉄も硝子がらすも熱いうちに作るんだよって、この人達の技術が大丈夫になるまでに、どんな燃料を入れていくか考えたりしてる。

 誰もが現状が変わらないって思っているだろうけど、人も町も当然増えるよ。マップの端っこしか造っていないでしょ。ずっと楽にはしてあげないけど、きっと付いて来てくれるって予感はある。

 質問タイムは、女の人はカード王の弟子〜ズ(ムキムキ)で、男の人はウサミミさんが好みらしい。ってラブばっかりだけど、他に聞くことないの?


 そして、4団目も最初の説明は同じ。足の人達で僕が養殖をお願いしている人達で、今は試験でアレコレ試して、記録してもらっているの。ちょっとずつで、いっぱいの種類なだけ。ヒレの人達も一緒だし、エースと呼ばれてる10人に入ってる人までいる。人が多いから担当も交代できるし、一番ラクだと思う。でもね、これから規模が100倍くらいになるの。働かない人達の受け皿のつもりだったし、少しずつお店に引き抜き予定。


「ケンシュウに来てる人には海塩と乾物を教えてて、まず100人くらい。

 漁担当はこれから大規模になっていってね。その加工をする人達が100人、

 養殖をする人達が150人でお店をする人達が50人くらいで

 これから新しい産物、採掘や金属加工や織物に木工なんかも

 やってみたいから150人、いやもっと要るね」


「ま、まて。計算が合わないぞ」

 あ〜やっぱり、買い物に行く人もいるから計算は得意か。


「身体が3つ、4つあれば大丈夫でしょ」

 みんながわあ〜って。


「思い出して。車って歩くの代わりをしてるだけなの。

 走る速さが出る。走るのをずっとは大変。

 同じ事は面倒だしね。もう一人の自分にやってもらう。

 じゃあ、あれもこれも代わってくれたら、どう?

 出来ることが何倍にもなるの。

 一番上手くできたなあってやり方がずっとね。

 畑や牧場では、今でも人が足りないの。

 この町の人が全員働くって思ってたからね。


 でも、倍にするって僕は言った。

 道具は、自分たちが出来ることだけ。

 だからね、あれもこれも出来るようになって、やらせちゃえば良いんだよ。

 やってるのは自分だから、身体がいくつにもなるよって言うこと」


 なるほどって感心してる。歩くことを理解してから車に乗ったから、こういう言い方が分かりやすいかなって。道具って、なかなか理解してもらえないのは何でかなって思って、勉強って言うとイヤな顔するのが多いから、言い方を変えてどうかなって試してみた。

 驚かしてから、ネタばらし。詐欺師さぎしだあ〜とは思う。超働けって、倍どころじゃないしヒドイよねえ。

 じゃあもう良いかな。たぶんって思って・・

「姫の相手はいないけど、周りはピンク。じゃおわり」

 が〜んってしてるのが何人もいる。あれ? 当たりだったみたい。


 5団目から、しばらくヒレの人達。泳ぎや性格的に外海で漁ができなくて、入江や近場で採取や小規模な漁をしてたって、自分を卑下ひげしてるけど、貝や海藻や海老は大事な栄養が取れるの。かなりの量が採れてたはずだから、貢献は大きいと思うし、荒天が続きやすい冬とかに支えていたのは、きっとこの人達。

 みんなをしっかり守っていた、素晴らしいってことをちゃんと伝えるよ。魚は優秀な食べ物だけど、それだけじゃ足りないってことをね。おじさん達を見ると首を振ってるからセーフ。質問に入ると、やってみたいが色々出てくる。真面目だなあ。希望が陸向きでシメシメとか思ってる。


 アレどうするつもりなんだの一言で、みんなが固まっちゃったよ。


「どうもしないの。ココは働く事が昔からの決まりでしょ。

 里も来月からそうなるの。

 罪はあるから、どうかしちゃうかは、これから聞いてからかな。

 猶予は、ちょっとだけ。冬が来るからね。いっぱいは待てないの」

 そうかとうとう。いい気味だ。決まりだしな。と口々に。

 好意的なのが無いよ。う〜ん。


 6団目も同じだけど、養殖に参加しているってことで、精鋭が何人か混じってる。これからの漁に200人も要らないの分かるからだって。流石(さすが)だと思う。サメく〜や、戦いく〜ってエース級がぽろぽろ抜けているからというより、精鋭の上を狙ってるね。カンだろうけど、分かってるねえ。

 説明の内容は5団と同じ。道具で限界を超えるって言うのもね。今回は上を狙っている人が居るから、これからの組織な話もちょろっとする。ヒレの子達の世話はしてるけど、大きくなってもずっとはたくさん。線引きは必要だと思ってたんだけど、昔からのことを止めようと言い出せなかった。辛いことをやらせることになって、ごめんって、みんなが頭を下げる。おじさん達は今回も首を振っている、これもセーフか。


 ある程度大きくなるまでは面倒見るが、名前が付けば大人とみるんだなんて、自慢げに言うけどね。食べ物や服やアレコレするのがダメだと思うけど、昔っからになっちゃうと「止めよう!」と言い出すのも出来ないんだろう。言えそうな精鋭達の前では、上手くやってたみたいで、働かない人達がいるなんて思ってもいなかったし、陸のことに口出すなみたいな雰囲気あったしね。膠着こうちゃくってやつかな。


 しかし条件が同じだと、同じ反応だし、同じような事を言う。今日はラクだから助かるけど、見て聞いてやってみて、色んな考え方になっていくし、なって欲しい。仲良しの考え方も違ってきて、言い合いも出来るようになる。好きもいっぱい。楽しいもいっぱい。キライは僕だけにしたら良いよ。


 7と8団目は、ずっと町の食を支えてきた精鋭。今までありがとうの気持ちで専用の水着を贈ったの。漁を続けなさいじゃないからって改めて言う。これからは大物を狙ったり、種類を狙って大量に獲ったりする。サメを狙って獲るというと歓声が上がるし、何人かでやって取れたり取れなかった大きな魚もとか、いっぱい居るあれをゴッソリや遠くにもとかで、いちいち歓声を上げるの。ノリが良いね。

 漁は穏やかな日しかしないし、毎日でも無くなった。そんな日は座学。とりあえずやってみるは賛成だけど、経験を引き継げないのはダメ。擬音ぎおんばかりじゃ伝わらないの。

 僕が作った図鑑を元に経験を話してもらってる。あと捕り方ね。理解してくれないと、道具が動かせないって、また車を例にして話す。船を扱えないと、いちいち泳いでいかないと行けないよとか、帰りはラクしたいでしょが分かり易いみたい。いっぱいいるのに変わらずに1尾ずつ?獲るつもり、僕が代わってあげようかとかあおったりもする。


 時々流しているアレは何だって言う。海図づくりの一環って思わせていたんだけど、エースは隠れた意図まで気がつくか。


「海図づくりは、本当。魚がどこに集まりやすいとか、海流の動きは必要なの。

 流れは恵みをくれるけど、危険なときもあったよね。

 流される人がかなりいるって聞いたの。

 帰ってこれる人もたまに。極々(ごくごく)たまに。

 普通は、どっちに行けばいいか判らないから、きっとじっとしてる。

 いっぱい流してみて、どこに行くかを調べてるの」


 誰かが、それってって言うと空気が変わる。


「そう。海流は毎年場所が変わるけど、どこへはたぶん同じじゃないかな。

 流された人達がたくさん。なら、何とか生活はできるんじゃないかって。

 僕は、あきらめないんだよ。

 きっといるって思って、ここを見つけた。

 助けられたかは分からないけど、たくさん居てくれて嬉しかった。

 きっと、信じて待っててくれてるって、僕は思ってるの」


 し〜んとして、わ〜っと騒がしくなる。

 あきらめてゴメンって言う人が何人か。俺を助けて流されたヤツが、もしかしたらとか、会いたいって泣く人とかいて盛り上がってて悪いんだけど、たぶんでしかないから言わなかったの。

 予感があるからだけど見つけられなかったら、キライ度がさらに上がる。怒ったら顔かなって、ほっぺをナデナデする。


 ヒレの人魚さん達は役割に一所懸命だったから「役目?」が子供が産まれるための何かだろうってだけ。

 教えられることが無くって、何は分かってないと思う。

 僕は家畜の繁殖をやってるから判ってるし、生命の不思議を教える事もできるって言うんだけど、おじさん達は足りねぇって言ってニヤニヤする。

 何がって聞くとまだ早いって言うばかり。でも足りなくても必要なことだから、ちゃんと教えないとだし、里でもだよね。

 おじさん達は教えてくれないから里のお母さん達に相談してみようって思ったよ。


 これで、お昼前のは終わり。おつかれ〜僕。おじさん達ありがとう。

 実のところ、これでオワリにしたいな〜。でも、やらなくちゃ。イヤイヤは、おなかが空いてるせいにして平気平気〜、がんばるよ。

結局、無茶振りしかしない。

限界は超えるためにあるんじゃ無くて、越えられないから限界っていうの。

っていうのは聞こえない振り。

じゃあ、また見てね。

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