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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
第3章 ソラへようこそ。
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080 人魚の町をおいしく。

ウチの人達と人魚さん達に相談した。

本人呼んで入ってないけど。

目標にしたいのは、希望なものなんだよって。


きょうもありがとね。

 町のハッテンには「ヒメが必要なの」というムチャクチャな僕の方針発表に、面白いと王や聖女たちが乗っかったのが、町長をヒメ、つまりアイドルにしてしまおうという計画。

 本人はコワモテでいきたかったらしいけど、あんなにキレイ。

 だけじゃなくて洗ったらスゴく可愛いお顔してたら、髪や肌の色を変えたり、体中に傷を付けたって無理だって。

 これから文化寄りになっていくんだから、必要なのは目標になるもの。実績あるし、面白いしね。

 町長改め、ヒメには、ウチのドレスラインだけ着るようにいっぱい持って来たの。ファンになりそうなのを見つけてね。お付きの人っていうか、秘書みたいにずっと近くに居て、キレイや可愛いを保ってもらうのって思ってたんだけど。

 探さなくっても良いよだった。幼なじみのお姉さんとお兄さん達なんだって。不思議と小さいときからまとめ役になるので、ずっと支えてきたって事らしい。

 この前の休みの時に僕達が「たぶん素材が良い」ってムリヤリ傷を治して、洗ってフリフリを着せちゃったんだけど、予想以上で驚いたっていうのは、みんなもだったそうで「妹大好き!」がMaxになっているって感じ。そういうの知ってる。ウチにも居るの、孫大好きとか、娘大好きとかね。

 今でも大丈夫そうだけど、もっと確実にって思って、居る人だけ集まってもらった。


「この町が安全で幸せになるように願ってね」

「もちろん、いつも願っているぞ」

 遠足組は何するか分かってるからワクワクって顔してるんで、集まった人魚さん達も何かあるとは気付いてて、何々って期待してる。


 じゃあって、ぐ〜ちゃんにぎゅ〜っとしてもらう。するとぽわっとする。

「自分でもう分かってると思うけど、ルミナリエ姫。声に出して言ってみて」

 胸に手を当てて迷ってる感じ。頑張ってっていう小さな声が聞こえると決意した顔になって。


「ルミナリエ姫だ。月の加護を持つものだぞ」

 決意を込めたようにハッキリと。するとパア〜と輝く。


 うおおおお〜って、歓声を上げる遠足組。少し遅れて人魚さん達も歓声を上げる。うんわかる。何度も見た僕らだって、スゴイって思う。称号がね。来た!って感じなんだもの。

「すごかったねえ」「良いもの見た」「やったぁ」「見られなかったヤツに教えなきゃ」

 口々に何度も言いながら散らばっていく。


 自分が当事者とは思えないって感じかなあ。まあ普通はこういう反応だと思うよ。キミタチみたいに最初からノリノリにはならないって。じゃあ解説ねぇ。

「姫という称号は初めて聞くけど、月や世界や雪っていうのも浮かぶの。

 最初、ク〜姫で、ク〜は北の方の言葉で月っていう意味だなあが

 ルミナリエに変わってた。西のはじっこの国でピカピカ光る飾りの言葉。

 最初の2文字ルミは古い言葉で同じ北でも西の方の国だと光。

 ク〜と同じところの言葉で雪っていう意味で、

 ちょっと東の国だと世界って言うよ」


 今まではボクの願いのままだったんだけど、本人も願ったらどうなるかなって。ク〜が僕の願いで、名前が変わったのは本人の願いがあったからだよね。ゆ〜姉みたいな強い加護を持つんだけど、それは黙っておこう。

 強いものは怖がられる。いつかは言うにしても、みんなに自信がともって、この町の生活が大丈夫になってから。ずっと怖かった明日に希望が持てるように、来年を笑って話せますようにって、僕は願うの。


「じゃあルミ姫で。私たちはルミで良いよね。く〜も可愛いんだけど、ぐ〜ちゃんとかぶるし」

 べ〜姉が愛称を決める。人魚さん達は僕らがわずらわしがってた長い名前とは違う、二つ名みたいなものだったの。だから大きくなって何者かになるまで付かないから、子供達はナナシ。

 ルミ姫は「赤髪のいとし子」でかっこいいね、というのは認証具の記録。前に名前が消えちゃって思い出せなくなったから、記録するようにしてあるの。今は明るい金色だけど、洗ってからの二つ名は変わらなかった。

 まあ名前はそういうもの。でも称号でみんなは忘れたよね。ぼくは認証具があって町長さんを見つけてただけで覚えていなかったけど、今はちゃんと分かるよ。


「姫はね、乱暴な言葉は言わないの。キレイで可愛いって絵本に書いてあるよ」

 僕が言うと、周りの人魚さん達がうんうんって頷いている。うぇ〜なんて言うから、ぺしって叩かれてる。周りの人達がとっても嬉しそうで、ほのぼのする。


「姫の周りの人だって、キレイじゃなきゃダメ」

 ふふんって笑って、

「聞いたか。さめを狩るものやあかつきに走るものや戦いの傷を持つものやゲテモノ食いや嵐に流されたものもキレイになんだぞ。ヒラヒラを着るんだぞ」

 みんな、う〜んとして「ダメね」「ダメだよ」「ん、ダメ」「ざんね〜ん」

「可愛くないわねぇ」「仕方ないかあ」って口々にダメダメ言う。


「これって、印象に残ったことだし。その人と関係無いよね」

「誰と戦ったって」

さめったとかって、これからいっぱいるって」

「ノラちゃんも大概たいがいゲテモノ食べるよねぇ。この前、虫食べてたし」

 ええっ〜って言われる。イヤ僕は良いって。

「走るとか流されたとか何なの」

 衝撃って顔してるね。


「名前はね。呼ばれたいや呼びたいものなの。

 称号は名前の力。名前は大事なものなの。

 たとえばねぇ、ずっと嵐に流されたって呼ばれたい?

 じゃなくて、嵐からみんなを守りたいって思わない?」


 ぼくは、カッコイイお兄さんに聞く。

 名前を書こうで、印象に残ってるのが「月光の流星群」って名前をつけた人。今は聖都にいるはずの元勇者のお友達で変えた方が良いって登録保留にしておいたんだけど、べ〜姉が面白いって登録しちゃって。

 お友達からは、言葉が難しいって最初のをつなげて「げりべん」って言われてるって聞いた。子供達には人気で「げりべ〜ん、3たす5は?」とか声を掛けられてたんだけど、7とか答えるから、「うんこ漏らした〜」なんてからかわれてたんだよね。


「それは、もちろん」

 だよね。僕だったらアーサーって言う名前を付けるな。大国との戦争に勝利して国を作った聖剣(アーサー)の勇者のこと。カッコイイお兄さんだしね。


「それが良い。俺は姫を守れる者になりたいんだ」

 聞き耳立ててる人達から、きゃ〜って声が上がる。お兄さんお姉さん達は気付いて無いみたいだけど、ルミ姫は真っ赤。

 あれ?って思ってたら口に出てるって言われる。よく考えてることが口に出てるよ、なんて言われるし、げりべんは、私も聞いたことあるって笑ってる、全部言ってたって。

 料理してるときとか、ずっとしゃべってるわよぅって、お姉さん達に言われる。細かい分量を聞かれないのは、僕と同じで見て分かるのかと思ってたよ。じゃあ。

「ゴメンナサイ」称号の名前も言っちゃてるよねえ。

 平気よぉ、ヒトリゴトには答えないようにしてるしぃって優しいなぁ。


 コホンってワザとらしく、

「名前から希望を感じるようにしたいの。アトね。読み書きに計算。

 ここに閉じた社会を作るの。学校やお店や工場があってね。

 働いて、お買い物して美味しくて楽しくするの。あとキレイも。

 それで良いかなって思ったんだけど・・・


 上流の、え〜と山の町と仲良くして欲しいの。いつも会えるよにしたいし、

 外は怖いけど、一緒に見ようよもしたい。

 他の街でやったお祭りは楽しかった。

 ずっと遠くに一緒にね、行って広い世界を見ようよもしたいの。


 今はもらうばっかりで嫌だなって思ってるだろうけど、

 これからはあげたり、もらったりになる。

 家族はそういうもの。困ってたらお助けはするけど、

 いつまでもは家族じゃないでしょ。


 だからね、船のバスを作るよ。いつでも来られるし、いつでも行けるように。

 山から何人か来てるからね。海からも来てよってこと、ね」


 姫を守るナイトは広い世界を見ないと強くなれないんだよ、なんて。まず生贄(きっかけ)を一人とか思って言ったりする。ホントは違う交渉方法の予定だったんだけど、なんかピンクだし、負い目とか持って欲しくないから、タテマエが分かりやすい方が面白いかなって。

 ちょっくら行ってくらぁくらいに気軽にね。お仕事感のお買い物隊は、いっぱい仕事したいんだから仕方ないけど、他の人達は早めに帰って来て欲しいって言われてるの。

 できるって自分から言えるくらいなんだもの。


「む、家族か。それなら助けるのは当然ってことだな。悪くない」

 さっきまでは迷いがいっぱいあった感じなんだけど、称号の力で先を見通せるようになったのかな。こっちの思惑も汲んでくれる。

 姫は王に近い称号なんだろうか。

 人魚さん達が多分気にしてる序列とかつまんないし、どっちも自分達の町にして欲しいから、人魚さんが多い町、ケモミミ達が多い町程度なの。そのうちにエルフの多い町や小鬼ちゃんの多い町もできると良いな。

 いやいや、町増やしてどうすんの、ウチに来てよだった。住んでくれる人、探さなきゃ。


 と、そろそろお昼。人魚さん達にリクエストを聞いたら、肉!って声を揃えて言う。ウチの人達と一緒だなあって思った。野菜もいっぱい食べさせなきゃ。しゃぶナベの時に作ったタレの中に焼いた肉に合いそうがあって、ちょっと改良したのをいっぱい作って持ってきてあるの。そう、メンって言われても肉が出てくるっていう「何で聞いたの」って怒られそうな。はずしたことないので分からないけどね。

 野菜採りと魚獲りに行ってもらった。魚は、獲れすぎるので、アレとコレをちょびっとって言ってある。でっかい金網を下ろしてきてもらって、こっちではかまどを作ってもらう。

 今日のは屋台で超人気だった串焼きに野菜も入れたのを(これから定番になると期待してる)焼き肉用のタレでどおぞ。

 野菜はざくざくっと切って、肉の間に刺す。野菜も食え〜ってこと。


 獲ってきてもらった魚は、ここの人達がゲテモノっていうタコやイカやカニ、それと海老。僕からしたら海老と変わらないじゃないって思うんだけどね。下ごしらえをして、これも串に刺して焼く。海鮮串もどうぞ。

 タレがなかなか好評で、実はバリエーションがあって、アサガオちゃんやカタバミちゃんが聞き耳を立てている。

 僕のご飯に・・は、もういいか。最初は何にも作れなかったんだけど、すぐ出来るようになって味の向上にとっても助かってるの。意見を聞いてまとめたり調整するのは僕には難しい。それが分かれば美味しいアレンジができるので一緒にやると美味しいに「とっても」や「すごく」が付くようになるから、とっても楽しいんだよ。


 ごはんが終わって、僕が海の街に注文してあったモノと情報を取りに行く。

 今日はひとり。この街は僕の方が上手く行く。

 ケモミミは目立つし、称号はもっと、人魚さんはニンゲンが怖いって思う。

 たくさんの服に、あったらってお願いしていた果物の苗木や種がたくさんあった、うれしい。また、運んでもらうのをお願いする。そして情報を買った。

 戻って、手伝ってもらって役所の倉庫に買ってきた服をどさっと置いて、苗木や種を飛行の道具に仕舞う。

 それから、さっきのお買い物用に作った船を改良してるの。飛行の道具を作って、さらに細かい制御が出来るようになってて、バスを作るって言ったのは大丈夫になっているからで、トラブルがあっても大抵(たいてい)の事を自動で回避できる。

 しばらく運行してみて、また調整をするつもり。完成したので、他に2そう作って、速さを変えて出発させた。到着した船の記録を見て、また修正を考えようって思ってる。初めてでも分かるように注意書きプレートをあちこちに設置する。「船に入ってください」アナウンスを無視して、扉ロックで締め出されたのは、まず落っこちるけど、河だし「スタートに戻る」ってことで。


 後3は、おやつってなってるんだけど、まだ出来てないそうで、僕への圧がスゴイよ。料理担当が増えるのを見込んでいたんだけどね。食べ物への執着がスゴイから、料理への興味がいっぱい出るはずって思ってたの。

 やっぱり僕に人の心は分からないなあって思う。

 今日のはね。前に出した「甘くて冷たいのをパリパリしたのに乗せてどうぞ」なの。味や香りに木の実や果実を混ぜたのとか色々増えててね。いちイベントで、氷の食べて、コレも食べてを繰り返して、お腹が嵐になっちゃったのがいっぱい出た。

 トイレいっぱいあったんだけど足りなくて、近くのおうちに突撃してたのがいっぱいいたよ。

 せっかく植えた木が飛んで行ったりするから、嵐はしばらくいい。積むのは3段までにしたの。シリアル乗せたりジャムたら〜とかで、スゴく美味しくなってるのをどうぞ。まだ、美味しくするアイデアはあるのでお楽しみに。


 王や聖女、おじさん達に姫〜ズを「特別メニュ〜」で釣って、食堂の3階の奥でおやつ中。まあ7段にしてるだけだけど。高くするときは組み合わせが大事なの。下が柔らかいとポキって折れちゃって、手で支えて食べることになるの。周りは面白いけど、本人はとっても悲しい。でも美味しい。フクザツ。

 天井高いから、3階は遠い。みんな折れちゃうって?

 大丈夫、ちゃんと昇降具あるよ。階数を念じれば良いだけなので倒さないことに集中できるのは大事な事。


 美味しかった〜、ごちそうさま〜って喜んでもらえて何より。

 悲劇もなかったね。遠足組は、ぐ〜ちゃんのゲームで慣れているから、バランス取るのは得意。

 来てる人達を見れば、僕が何か大事なことを言うっていうのは分かる。ほわほわはしてるけど。


「あのね。センソウをするよ」

姫プロジェクトって思ってたけど。

えっ?! なんだって〜!!


ドキドキするぅ。またねえ。

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