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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
10章 秋になりました。
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077 嵐の過ごし方。

8月だけど旧暦だし、9月って思うと季節感が合うかなと。

1年は10月なので、秋の始まりだけど冬の備えが頭をチラチラ。

嵐のシーズンで、いつも2〜3回は来るの、収穫前なのにぃ。

嵐はワクワクするタイプなので、何かした〜いって話です。


ありがと〜。

 ガタガタって音で目がめた朝、8月3日は水の日。だけど雨はまだみたい。外に出ると飛んでいきそうになるのを妖精さんが繋ぎ止めてくれる。これは面白い。風は浮力を生むってこと。速さで風を作れば飛べるってことだ。

 空に上がるためにトリを真似まねるって考えるだろうけど無理に決まってる。トリって軽いでしょ。僕らをモツの重さで考えると、巨大になっちゃう。それも飛ぶだけ。居住スペースや荷物を載せるって考えると超巨大。ムリ。出来る出来ないじゃなくて、そんな大きいのは邪魔。飛べても降りる場所がないよ。

 じゃあ浮かぶのを別にしたら良いというのは、ずっと考えてた。それでも乗るところを支えるのは、かなり大きくなるから速いってことはない。今思ったのは、速さで浮遊ができるって事。翼もずっと小さくて済むはず。大きさはたぶん長さじゃなくて幅が大事だと思うの。トリが地面に近いときにバアッと広げてるのはきっと意味がある。

 あともう一つ考えているのは、下方向に吹き出せば浮かぶもの。当たり前っていうと思うけど、制御が難しいし、ずっと吹き出していないといけないから、すごい風になると思うの。今日みたいに。

 両方を組み合わせれば良いんだろうけど、単純じゃ無いものは急に難しくなるんだよね。嵐で外に出られなくなるし、考えてみようかなと。


 今朝は、居住各棟から少なくても二人来てもらってるの。というのも昼頃から、きっと出歩けなくなって、明日いっぱいは、ずっとになる。それが何っていうと、ほとんどの人が料理出来ないから簡単な料理を作って美味しく過ごしてねって言うこと。

 良い機会と思って、ムリヤリ覚えさせようとお姉さん達と計画したって言うのはナイショ。ウチの町の食材が優れているよっていう自慢でもあるかな。まあ、昨日のいちイベントの屋台でやってた事だけどね。

 一日実践したこともあって慣れたもの。とても分かりやすい。今日の朝メシは自分で作りましょうの会。自分で作ると美味しさも違うでしょ。ウチメシ増えるかなって期待してるの。朝ご飯も毎日じゃなくしたいな〜って思って。というか、きっとお姉さん達はそのつもりだと思うよ。だから、ちゃんと出来るようになって、居住棟のみんなに教えないと担当が固定になるよって、分かってるかなあ。帰りに売店で二日分の食料も買わないとだよ。

 シリアルは、そのまんまだからって、二日間それだけっていいの? 棟の代表で来てるはず、教えるの面倒なら、今からでも他の人呼んできてって。僕は言ったからね。


 ちょっとずつ3品作ってもらう。メン2つと粉もの。メンは簡単な調理してからめるのとでてポンポンのせるだけのもの。粉は調合済みので野菜を切って足すだけ。各棟の調理室はフル装備なんだからね。入ったこと無いって人も何人かいたけど、大丈夫かなあ。そばに付いててくれて簡単に出来ちゃったは後で困ることもありそう。楽しいと覚えようは、ちょっと違うよ。


 楽しんでくれたのは良かったんだけど、かなり心配な感じ。ニヤリとしてる、お姉さん達を見てやっぱりと思った。多分だけど、お日様の日の休みは確定で朝は売店しか、やらない気がする。

 ゆ〜姉は、野菜の温室化で役割をかなり変えるみたいだから、全員で早朝作業というのは止めて、当番制になると思うというか、お酒と工場の人員を増やしたいだろうしね。

 人が増えないかなあ。町作りで想定した人数より多いんだけど、やりたいことが、すごく増えちゃってるの。僕のせい。ごめんねえは、ちょっとだけ。また増やそうと思ってるし。楽しい。


 これから二日間は籠もって朝の発案をつめるの。空飛びたいって思ってたんだけどね。ガッシュクとか言って、王達が来てるの。そう言えば、ぼくの家に誰が来るのは作った時以来だなあって。

 何かオモシロソウの匂いがしたとか言ってる。ビンカンだなあ。僕も何となく、そんな気がしたので食料はいっぱい持ち込んであるの。じゃあ解説。

「空気を温めると軽くなるの」

 次のお祭りの時にイベントで飛ばそうと思ってたって、灯りの道具を暗くして、紙で作ったハコの下の蝋燭ろうそくに火を付けるとふわあと上がって天井に着く。

「「「おお〜」」」「不思議〜」「面白〜い」

「夜に上げると、キレイかなって思うの。カミに絵を描いたりしてね」

 火事にならないように蝋燭(ろうそく)のところは道具にするけど、海はこれでやる。


「空気より軽いものを詰めると、それだけで浮く」

 球を作って、ふわりとさせる。

「下に乗るところを作って、空を飛ぼうって考えていたの。市イベントの乗り物とかね」

 球の下にかごを作って、フッって離す。

「でも、遅いってことでしょ」

 流石(さすが)、べ〜姉分かってるね。

「浮く球を大きくして、丈夫にすれば、たぶん2勇車。

 ううん3勇車くらいは出ると思う」

 って、下に乗るところを付けた大きな球を出して飛ばせる。おお〜って声が上がる。

「進む力はボートでカード王がやった空中加速で出来るって分かった。

 速く後ろに出せば、速く進むのは海に行ったときに問題無いって。

 でもね、船だから水の無いところじゃ使えないの」

 当たり前なんだけどね。それを陸じゃだめって言うのはみんなも何となく気がついている。そう、国の利害のアレコレがあるから、いじれない。たまたま人の少ない河だったから、無茶が出来ただけ。


「浮かんで楽しむだけのつもりだったんだけど。

 じゃあ空を飛ぼうって思ったの。

 でも浮かぶ球じゃあんまり載せられないし大きすぎだって思ってて。

 今日は風が強くって飛ばされそうになったの。

 なら、風になれば飛べるかなって」


 東の街が近くなったら遊びに行けるの。またねって、僕は言ったんだよって。あとね、北に行ったお買い物隊が心配なの。何かあったんじゃって。分かったら、すぐ行きたいんだよ。


「ヒントはもうあるから、後は試してみるだけなの。

 イメージはこんなカタチかな」

 棒に細い翼が大小着いている大きいのと、三角の広い翼の目立つ小さいのの2種類作る。


「大きいのが12勇車くらいで、小さいのは22勇車ぐらいかなって」

 言うと、ぐ〜ちゃんとき〜ちゃんがキランとする。

 ふわ〜って上に上がって、ばびゅ〜んって飛ぶのって持って見せる。これだとね。速くなっても15日掛かる東の街に1日で着くよって言うと、みんながおお〜って言う。


 カタチは出来てるの。もうね。朝に飛ぶんならトリになれば良いって思ってから、ずっと頭の中で作って飛ばしているの。

 でね。飛ぶだけなら出来たんだけど、飛び上がるや強度や空の上をどうするとかが、まだこれから。でね全部話して王の力をもらうの。王は材料が揃えば、そこから最善が分かる。出来るのは、ずっと先だと思っていたけど、きっとこの二日で完成する。王が六人もいるんだから。


 それから、いわれる通りに頭の中で調整して、出来たのを見せる。また調整を繰り返していく。お昼に夕食に楽しんだよ。お昼の後には、イベントで空に上がるのができたし、夕ご飯の前には大きい球のも出来た。ご飯の後はみんなでゲームが楽しかった。

 昼頃から嵐になって、僕はワクワクして夕ご飯を作りすぎたけど、きれいに食べてくれた。1箇所だけ、ボートの風よけで使った謎素材の窓があって、スゴイ雨で風になってたのを見た。楽しい。


 河がきっとすごいことになっていそう。ボートと船は湖に船の家を作ってあるから大丈夫。建物は過去最大の嵐の倍くらいじゃないとビクともしない。今までで一番(ひど)かった嵐の記録は色んな人が残してくれて家丸ごと飛んだって! 温室に大木が飛んできてもビクともしてないなは、ゆ〜姉が全く動じてないから分かる。

 加護の力を感じているんじゃないかな。

 前にみんなには、ゆう王の意味が分からないって言ったんだけど、そんなことは無いの。称号はきっと僕の願い。ゆうは夜のこと。夜を守って欲しい僕の想いだと思う。空が昼だとすると地面・地下は夜。空の恵みを蓄えいつくしんで、僕らに力を与えてくれる。

 夜を守るというのが言ってない、ゆ〜姉の力。聞いたら怖いかなって思って分からないって言ったの。まあ自分のことは当然分かってる。

 ゆ〜姉がにっこりして僕は安心したんだよ。



 ワクワクの夜は、ぐっすり眠って、今朝もガタガタで目が覚めた。昨日より激しくなっている。楽しい朝は8月4日、木の日とはいえ、木が飛んでるのは、やり過ぎだと思う。せっかく育ってきた木なんだよって、嵐に文句を言う。河がちょっと心配だけど、底を掘り下げたりつつみを作ったりして勢いを弱める工夫をしてある。堤を固めるために植えた木とか飛ばされちゃってるかなあ。まさか過去最大級のが来るなんて思ってなかったからねえ。

 他の街はどうだろ。大きい嵐だから、被害あったんじゃないだろうか。買うはずの収穫減ってないと良いんだけど。農村は、収穫直前に嵐シーズンとか嫌らしい天気だって、ずっと眠れなくてヤキモキしてるよね。押しつけ勇者達は戦ってるのかな。


 朝食は、水の麦(もう東の言葉のコメでいいか)を炊いて、塩を手に付けてニギニギしたもの。中に具を入れてあるの。最初に海の街で注文というか採ってもらった岩に着いている海藻を板状にまとめて乾かしたのを付けているから、ベタベタしないの。あと、あっさりタレに1日つけた野菜をポリポリどうぞ。なんか嵐のごはんって思ったら作りたくなったもの。

「食べてみたら、中に具が入っていて美味しくて楽しい」

「おなかにズッシリ来ていいわぁ」「パリパリが合う」「悪くない」

「海老の揚げたの入れたって尻尾見えてるよ」

 うん、好評だ。良かった。パン、メンとも味わいが違うから、味付けて出していたの。今日のはそのまま。もうそのままでも大丈夫だろう。主食がまた増えた。とっても嬉しい。


 ごはんが済んで、昨日の続きになる。早々に飛ぶ道具は浮き上がってからじゃなくて、道でスピードを付けて少しずつ上がる方が簡単って言われる。そうなんだけど、行き先の道って真っ直ぐで平らで両側が広く空いている道は滅多めったにないというのは知ってる。出力や素材が最大の問題なんだけど、精霊石が使い切れないほどあるし、素材は自重しないにしているから、最大の問題が最初に解決してるの。なので、安定や安全、快適にとかいっぱい載せるにはを考えている。

 空は高くなると、すごく寒いとか息が苦しいっていうのは、もう知ってる。空を飛びたいっていうのは、ずっと考えてきたことだから、妖精さんにお願いして何度も調査はしてきているの。でもずっと出来なかった。アイデアの次の「できそう」にならなかったの。それがね。どんどん形になってきているのが嬉しい。

 あの人だって、空に浮かんだまでは出来てた。僕もそこまでは何とか。その次は古今東西で初めてのことになるの。ワクワクする。


 お昼前になって、待望の空を早く飛ぶ道具が大丈夫になった。荷物もいっぱい積めるし、快適。空で雷に襲われたり、嵐も大丈夫。空気が無くなる場所も平気。ドラゴンが出たらどうするのって言ったら、速いから逃げちゃえって笑う。

 やりたいなあが出来る。とっても楽しくなって、トウモロコシの粉から皮をを作ったものに野菜や肉を載せてソースを掛けたものを作った。豆のペーストが良いよとか魚を揚げたのとか、こっちのソースや揚げた皮もパリパリで美味しいよってオススメする。


 お昼の後は、飛ぶことが確定したものを高速にする。構造は全く別物だよね。ぐ〜ちゃんとき〜ちゃんがすごくって、速いペースで開発が進んでるし、銀やゆ〜姉は、スケッチをしてカタチや塗装をアレコレ言ってる。カード王とべ〜姉は内装や食器なんかを相談していて、僕はトイレを快適にすることを考えているの。

 音の威力はレースを見ているときに改善しなきゃって思って船の改良に活かしていて、海の往復で15勇車出たときにスゴイって思って、結界を付けてみたの。そしたらうるさかった風切り音が無くなって、外の音がちゃんと聞こえるようになった。速くなるほど結界が強くなるから物理のコトワリが淡くなるって感じがする。

 強く掛けると多分見えない。町の境界みたいな感じになるんだけど移動しながらだとできるのは僕くらい。海への遠足で、減速無しで帰って来られたのは良かった。自動運航だと弱めだから、町や村ではやっぱり減速しないといけないと思う。虚像作成の遅滞も出来そうだから、やっぱり海の街で減速しなくても良さそうで、飛行の道具も音の影響はあんまり気にしなくて良いよって。

 外がだいぶ静かになってきたからピークは過ぎたかな。早く収まれば試乗テストできる。そしたら明日持って行けるなあって、楽しみになる。上から見れば、町の被害もよく分かるだろうしね。


 おやつは、甘いパンを丸く焼いたのに、小豆を甘く煮たのを挟んだものを作ったの。目の前で焼いた出来立て。オツカレサマに気持ちを込めてみたよ。

 ビックリなことに完成した。どころか、おやつ食べながらデザインの話をしてるの。搭乗員の制服とかね。僕はトイレを完成するのがギリギリ。ダメ出しされて何回か修正してやっと。


 ゆ〜姉が嵐は去ったっていうので、ではさっそく空の展望をしてみようになった。みんなというので少し大きめにして、建物の広場の真ん中にドーンと作る。みんなで乗って「しゅっぱ〜つ」

「「「すごいすごい」」」

 高いところ楽しいな。100Mくらいのところで横に移動する。育ってきた木があちこちに散らばってる。河は橋に水がザバザバかかってるけど大丈夫そう。堤も壊れていないし、建物はどれも損傷は無いように見える。

「湖を上から見ると広いっていうのがよく分かるよ」とか「町広いけど原っぱ」とか「鉱山どこまでも」とか「温室大きい」や「お城に厚み無い〜」って言う。この程度の高さだと、勢力圏の全部は見えない。国並の広さだねえとか思う。

 スルスルって元に戻って、ひゅうって消す。明日はずっと小さいのにして、紐を付けて運用する。乗る人にもね。安全第一だからね。


 下について、これから手分けして状況確認と復旧をするの。僕は抜けた木を元のところに植え直すんだけど、遠くまで飛んでいった分は、後で苗木を植える。上から見て寂しく見えたから、せめて街路樹を増やさなきゃって思ったよ。

 飛行の道具は何十年も考えていたこと。歴史で見ると1000年を超える。それがたった二日で出来た。王の力ってすごい。まだ、僕の頭の中でだけど、完成と思ったことは、今まで全部出来てるから大丈夫かな。後は実物を作って調整していくの。知らなかった情報があったりするから抜けているのを埋めていく。


 明日、街はビックリする。頭で分かってる僕だって驚いたから、スゴイと思う。空に居るのはトリだけじゃない。僕達も飛べるよって。みんな顔を上げて笑おうよって。空から下にいるみんなに手を振ったときに楽しい気持ち、ううん未来への希望が伝わると良いなって思ったんだよ。

飛行の道具出来ちゃいました。たったの2日で!

王の力ってスゴイよねえ。賢者の称号は無いかなあ。

植えて半年経ってないとは言え、めちゃくちゃ。

建物はビクともしてないのに。ヒドイ。


晴れたし、またイベントやります。次も見てね。

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