072 収穫するよっ。
相談しているフリで、色んなイベントを勝手に決めてる。
きっとみんなには考えているスケジュールがあるよね。
いつもは、ちょっとある文句が出なかった。みんなも感じてるのかも知れない。
今日もアリガトね。
7月29日は、木の日で今日も晴れ。木は大地の恵みのこと。草木だけじゃなく、牛やトリに僕らだってそう。美味しいだったり、嬉しいだったり、悲しいもいっぱい。僕達はそれを受け取って、もっと美味しく楽しいにして嬉しくする、悲しいにならないように頑張る。それでね、ありがとうって言うの。
暦を見て、729とか思っちゃった。食べたばっかりなのに。まあそれもそのはず、今日はみんなで収穫をする。すっごい広い畑に水田(もう水は無いけど)も広い、それに温室まで。早すぎって思ったんだけど、ゆ〜姉の力が温室に特に掛かるらしく、成長が凄く早いの。で作りたかったアレとかアレが出来るなあって嬉しくって。食材棟の人達は、魚の加工を人魚さん達の町でやるって喜んでいたけど、畑の作物のこと忘れているなあって可笑しかった。アサガオちゃん達のニコニコはそういうことだったんだし。
魚の加工となると、塩がいっぱい要る。自給自足を目指すんだから海塩も作っちゃうか。あ、でも感がいっぱいあると嬉しすぎちゃうかも。将来のために人魚さんにやってもらおうかなあ。今までは、自然に塩分を取れていたけど、陸の生活が中心になるから身体に必要な塩というか、料理に必要なの。海からそのまま取った塩は美味しくないから、作らないといけない。僕と将来のために・・・でも教えられるの僕だけだよねえ。と言っても知識だけだから、やって失敗しながらだし、教えるにも試作しなきゃ。湖でやってみようっと。
なんて、もう気分は海の食材なんだけど、色々と足りないものばかりだなあなんて、思いながら作ってるのは牛乳と砂糖を入れた卵液に浸してから焼く甘いパン。腸詰めを焼いたのと早採りした果物付き。最近開発したタンポポコーヒーにミルク一杯入れたものという、今日がんばっての気持ちを込めて、愛情たっぷりメニュー。みんなで焼いてるんだけど、人気はカタバミちゃんとアサガオちゃんのところ。不自然に長い列になってる。
僕の所は人気なさ過ぎて早々に閉店。さとうカエデの樹液から作ったのが掛かって、ひと味違うのに。まだあんまり取れないから試作の時しか使ってない特別なものなのに。
今日は準備する人が最初に行って、それからってなっていて少しずつ畑に入るから、食堂にどっと人が来なくて助かっている。僕はそろそろ。
畑の刈り取りに道具を導入するのは、田植えのイテテで何日か町の機能が停止したから。ずっと考えていたんだけど構造が単純じゃない(10行程程度)ので、操作できるのが僕しかいない。ゆ〜姉ならできるけど、役目があるからダメだし、で困っていたの。採石場の工場を動かす苦肉の策で単行程しか出来ないならチーム!で稼働した。じゃあそれでやってみようということで5人操作の道具を作った。
道具の操作には、道具に設定した以上の事が出来ないとダメなので、朝からひたすら同じことをやってもらってるの。
これの担当は採石場の女性たち。最初の人は傾いているのを起こす。次が刈り取り。その次が運ぶ。4番目が実をこそげ取る。最後が風を送って屑や実の入っていない軽いものを吹き飛ばすの5工程。収穫した籾を受けたり、作業後のわらをまとめる作業は、まだ車の操作ができない男連中が担当する。今は女の人に作業が遅いって笑ってるけど、道具になったら、かなり忙しくなる。作業を理解するのが目的なので、ゆっくりでもしっかり考えながら・・・ちゃんとやってるね。
僕がチェックして、OKになったチームから道具の稼働開始。操作のイメージをしっかり作ってね。手作業で楽だったパートは道具操作になると凄く難しくなるでしょ。脂汗タラタラ。ゆっくりなんだけど、手作業よりかなり早い。2台、3台と稼働していって、ワラをまとめる作業が忙しくなってくる。この後色んな事を試すから丁寧に扱ってね。
採石場の仲良しパワーってすごいね。工場の本格稼働しても良い気がするんだけど、2人の王がまだゴーって言わないんだよね。1人で何工程も出来るようにならないと、全員で掘って、全員で工場になるから、ダメって考えているんだろう。そういうの仲良しいっぱいで面白いなって思うけど。
誰かが欠けると上手く行かないものだから、サボれなくなったし、ゼロラインが解消しつつある。真面目になったのにすぐ解消しないのは食べ過ぎ、飲み過ぎのせいだと思うな。それに次の段階がもう近いって思ってるんだろうけど、それにするには全然足りないよ。
道具ですごく進んでいるけど、人いっぱい。効率が良いのか何だか。
勇者騒ぎで広げすぎた畑は縮小の予定。水田は現状維持、は収量なので作付けは大幅に縮小かなあ。野菜とか通年食べたいので露地栽培を止めて温室にするの。南の果物もあるし、何倍にするかって話をしてる。ゴーレムを扱えるようになってきたし、温度や水撒きに何より病害の心配無いから管理が楽だしね。
子供達は、カイコのお世話とキノコの採集でとっても嬉しそう。今までは窓越しだったのが中に入れるし、カイコやキノコは可愛いからね。カイコの繭は畑の工場にお届け。キノコは食材棟にお届けする。
食材棟では朝のうちは、ひたすら容器づくりしていて「何のためって」思ってて、収穫物が次々と運び込まれて、ようやく気がついて焦っているところじゃないかなあ。ラクだと思っていたらしいけど、加工もしなきゃだし、今日終わらないと明日もあるよ、頑張ってね。
その向かいの商材棟は、早まったのに余裕で半分は収穫の方に行っているらしい。流石だし、助かるよ。
温室は3棟とも全部収穫になってるの。僕が待ちきれなくて、ちょっとだけズルはしてるのはあるけど全体的に生育がすごく早くてビックリ。奥の方は森みたいになっていたよ。これで作り方は分かったし、取れる量や栽培期間もね。そうなると作れるの、アレとかアレとか色々、お試しじゃなくって、いっぱい! 楽しみっ!
そろそろって、広場に戻ってきてお姉さん達と南方のパンを焼いてるの。きょうのお昼は食べるスープでとっても合うはず。今日の収穫で足りなかったスパイスが手に入ったから、さっそく作って見ようかなって。
「何か、つ〜んとする匂いねぇ」「でもお腹が空く匂いだわぁ」「カラフルねぇ」
色を濃くした方が美味しそうになると思うんだけど、違う想像をする人が居そうなので、明るい色にしてある。東の調味料を見たとき、とっても失礼なことを言った人が結構いたので、その対策。味を好きになってからにするつもり。
「赤いのが辛くて、黄色がちょっと辛い。
白いのは蜜入れて甘めにしてあるの。
どれも美味しいよ」
スパイスの調合は、奥の方のいわゆる失伝といわれるレシピをアレンジしたもの。何十冊もあったから、美味しいと思って、ずっと頭の中で研究していたものなの。あの国で誰かが作ろうと思っても、スパイスが揃わないから無理。というのが失伝の理由。ここでしか食べられない、ステキ。これって、さっき材料が揃ったばかりで、お姉さん達も試食していないの。あ〜匂いでおなかがすくぅ。
お昼になって、ぞろぞろと戻ってくるし,集まってくる。建物群での作業の人達もね。今日は食堂はやってないし、商品や遊びは無いの。ごはん屋台だけ。飲み物は、シュワシュワや酸っぱいのとか色々あるけど、お酒はなし。終わってからね。オススメは、取れたての果物から作ったジュース。美味しいよ。
みんな最初は、なんだこれ〜って言うの。でね次に美味し〜って。辛いっとかカレ〜って言う。子供達のは辛くないから大丈夫。すぐ遊ぶので、辛くする調味料は用意してないの。でも春の辛さに挑戦してるのは面白かったので、今度ね。これは可能性のある料理なので、これからお楽しみに、なの。
予想通り、食べ過ぎ・飲み過ぎで動けないっていうのがいっぱい。長めにお昼休み。朝が早い畑はお昼休みが長いので、最初からそれに合わせて予定を組んであるから平気。
ぐ〜ちゃんが「暑い〜」って言ってるので、お城から氷削り器を取ってきた。氷は元からいっぱい持って来てあるし、掛けるものも当然持って来ている。僕がどうぞすると、ワラワラと集まってくる。だよねえ、知ってた。作りまくりモードにして、掛けるのも自分でねにして、僕は氷を入れていくだけ。盛り放題にしたものだから、キーンが続出して面白い。山盛りだと掻き込む食べ方になるのが多いの。キーンしてからは大人しく。こりないのもいて何度も頭痛いって言ってるのがいて、面白い。氷に掛けるのも食材棟でいっぱい開発していて、カラフル。で、べ〜ってすると赤だったり、青だったりでこっちもカラフルなの。
ゆっくり休んで、元気回復。午後の作業はじめ〜。
水田の刈り取りはまだ終わってなかった。なかなかスピードが上がらないみたい。このペースなら今日中に終わるから頑張って。刈り入れはね。採石場だけにしてるの。やっぱり成果を気にしてる感じがしてた。この道具で工場の練習になるし、こんなに広い場所を刈り取れたっていうのが、自信になるかあって。この道具で何工程もの作業が終わっちゃうっていう、すごい道具って説明してある。すごくやる気だったのは、それもちょっとあるかな。
温室の方は、手作業じゃないと無理っていう作業は終わっていて、午後は道具を入れてサトウキビを刈る。大きい草だから、道具は大きいけど、倒れてはいないから元と先っぽをカットするだけ、だいぶ簡単だけど、4工程ができないと厳しい。道具に乗って動かしながらになるから、もうちょっと難しくなる。じゃあ畑の道具は誰が進めているのかというと、監督してますってふりの、べ〜姉だったりする。
畑の道具操作が面白く見えたらしく、ぐ〜ちゃんとき〜ちゃんが名乗り出てくれたんだけど、2台にすると、すぐ終わりそうだったので交代にしてもらった。案の定、すぐ使いこなして想定最高速度で動かしていた。これが道具のあるべき姿。こうでなくっちゃ。道具の必要性や効果がみんなにもよく分かったかな。
ワサワサでいっぱいだった畑がサッパリしちゃった。高い南国っぽい木は実が付くのはちょっと先だし、大きな実のは成熟するまで半年もかかる。この最初に作った温室は、品種改良や苗の育成に使う予定で、増やすのは、この後ろにってなる。暑くてジメジメのは増やさないかな。
ゆ〜姉は相談とか言ってたけど、きっと増やす内容は決めてると思う。道具をマスターするって予定込みで増やせるギリギリの線を出してくるはずなの。頼めば収穫作業はみんなが快くやってくれるし、道具の効率(ぐ〜ちゃんたちの方)を見たらいけるって思ったはず。目標がお酒寄りっぽいのが気になるところだけど。僕も色んな種類を作ってみたいから、良いかなって。
料理に使いたいしね。試作したっきりでその後作ってないのばっかり。材料が無くて作れなかったと言うより料理に使えないから作らなかったのかも。
ここはもう終わり、子供達はお昼前に終わってて温室の浜辺で遊んでる。温室組はこれから運び出し。要らない枝葉とか取って加工しやすいようにする。残った人で均しておく。葉っぱとか、そのまますき込みとか考えたけど、ちゃんと肥料にしてからにするつもり。何植えるかが決まってないから、葉っぱは肥料棟行き。食材棟にはもう入りきらないので、裏に積み上げかな。あ、サトウキビはね。畑の工場だよ。食材棟の分担が広すぎなので、畑と相談かも。
作業が終わった人から、お疲れ様になる。人が少なくなっているのに、今日は早いな、道具が入ると違うなって思ってくれると嬉しいな。運ぶのとか荷車(動力付き)があるし1人で一度にたくさん運べちゃう。人じゃなきゃできない所に人が増える。今日のは細かい作業があったんだけど、早く終わるのは当然だよね。
お運び大変だし、籾を乾燥させる設備を水田の近くに作って、ここに放り込んでって言う。空気でゆっくり乾燥させる。天日干しって方法もあるけど、手間増えるだけだし、留守の時に雨降ったら困るからねえ。入れっぱなしか、籾のままで俵?、脱穀して袋にするかは考え中。今、食材棟でやっている箱詰めは畑でやった方が良いよねえ。気分的にも。ゆ〜姉が、コソコソ刈り取りしたのは、そういうの気にしたからだけど、あの広さだから大変だったと思う。
ちょっと前までは生野菜が商材になるとは思わなかったけど、車と道が良くなって、朝採りのままで持って行ける。初めのお買い物では片道3日掛かってるから、うちの町の位置を絶対勘違いするね。でも、野菜を売るっていうより屋台のため、美味しくて安い料理で驚かせちゃうつもり。材料が手に入ったし、いよいよ紙を作る。
あとねあとねって考えているのはヒマだから。終わらないかな〜って待ってるんだけど、もう待ちきれないって、こっそりみんなの作業の補助をして、3倍速で進む。受け取る人達はそのままだから、ものすごく慌ててるけど笑いが出るからまだ大丈夫。しばらくして、ケタケタと楽しそうな集団がとうとう全部刈り取った。たくさんの補助が入ったとはいえ、広い場所の刈り取りをやりきったんだよ。良かったね。頑張ったね。自信になったよね。見てる子供達が「すげ〜」って言ってたから、この後きっと子供達が真似をする。その様子を見て過信はしないなと思う。ずっとお世話してくれていた、べ〜姉お疲れ様。
今日の晩ご飯は、さっそく水の麦を使う。東の方では主食としているところが多いって聞いているけど、いきなり炊いたままというのも無理かなと思って、バターで炒める。それを1人分の深皿に盛って、タマネギをよく炒めたモノにお肉を細かくしたモノを投入してまた炒めて、トマトケチャップ、ニンニク、塩胡椒なんかをして、よく炒めたのをさらに乗せて、チーズを乗せてオーブンで焼き目を付けると完成。試食どうぞってすると、
「美味しいし、面白い食感ねぇ」
「トマトケチャップは美味しいよっていうメニューなの。おうちの味って感じがするかなあ」
まだこの子は諦めていないのねぇ。私たちよりはっきりと無理だって分かっていながら、あの人達にとって、私たちが少しでも大事なものになるようにしているし、「人魚って恩知らず?」にならないようにって、海との将来まで見ている・・ような。「おうちでも作ってね」なんて楽しそうに。
でも、働かせられるのがいるんだし見てるだけで良いわねぇって、やっぱり作ったのはお留守番隊たち。
また生魚をちょっとだけ、どうぞしたり、水の麦で作ったお酒も出す。収穫の小さなお祝い、おうちごはんな感じを楽しんでね。
道具は使わなきゃって思った?
使えるように意識して、学ばなきゃって思ってくれたかな。
あと、おうちごはん。そろそろ覚えておかないと困ることが・・たぶん。
またね。え〜と木曜日にまたね。




