070 海に行こう。その4
すっかり町どころか。車まであってスゴイ。
牛さんや豚さんにトリさんもご用意。
昨日植えた野菜が、順次収穫だとか、もう至れり尽くせり。
明日に希望が見えたかな。
今日もありがと。
ポコポコっと車を作ってると「多くてズルイ!」ってき〜ちゃんに言われる。
だってねえって、あくびしてるケモミミお兄さんを見て、ムリそうっていうと、残念って。
多くなると一歩も外で歩かなくなる気がするよ。無駄遣いもったいないし、きっと太ったケモミミは可愛いの方向性が違うから僕がゆるせないって何かするよ、たぶん。
お昼は「テストぉ〜」って言うお姉さん達に前の人と、さっき来た人達でレッツクッキン!
審査員する〜って見てようとしてた僕に、保険って言われて食堂の三階で調理させられてるのは、おおきな海老。あるぇ〜。
もう絞めちゃってるし、じゃあって作ったのは、蒸したのとオーブンのと焼いて煮たのにシチューの4点。料理が合格点だったっていう人魚さん達が見学してて、ふええ〜とか、ほえ〜なんて言ってる。
審査するって言ってたはずの、お姉さん達は出来上がったわぁって言って、食べないで来ちゃってるし、ぐ〜ちゃんや、き〜ちゃんは当然のようにいる。ウサミミのお姉さんは特別ゲスト枠で。
「「「「いただきま〜す」」」」
いつの間にか、ここでも最初の言葉になっているの。
人魚さん達は、ずっと恵みを与えて続けてくれた命に感謝、というより祈りを捧げているように言う。昨夜は言いながら泣いている人もいた。厳しい毎日だったんだなって。
パクって食べると、予想の遥か上の美味しさだ! 海老さんに感謝。小さいのとは別物っ。
カニに近いかなあ。でも色んな料理が出来るし、厚みがあるから作れるの色々。あ〜でもカニはカニで作って見たいのがあるぅ。なんて、頭の中で料理大会しているの。みんなを見ると黙ったまま、集中してる感じでバクバクと食べてる、ちょっと怖いよ。
お姉さん達がゴクゴクってエールを飲んでから
「「「「すっごくおいしいわぁ!」」」」
から、次々と。みんなが満足そうで僕も嬉しいよ。夢中で声が出なかったってことらしい。
カニと一緒だね。海老さん大きいから量がすごいんだけど「自信なくされると困る」って、全部食べちゃったよ。
お姉さん達は、値段付けの基準ってことで、僕のと比較して決めさせようと、人魚さん達に作ってるところから見せて食べてもらったそうだけど「これは忘れてっ」とか言ってる。町の始めだし、ウチの町よりちょっと安くしておけば良いと思うよ。
「お買い物隊達はどうだった? 美味しかった?」
味見してないよねとは言わない。
「大丈夫なのは半分で、あとは食べ物じゃ無いわねぇ」
見てれば分かるだって、そうかも。僕も分かるし。
よく不味い食べ物を豚の餌って言う人が居るけど、美味しいお肉にするために体調をよく見て栄養を計算したり、チーズから出るものを飲ませたりしてるんだから、ゴミと一緒にすんなって怒りたくなる。
言ったら料理を作った人にボカ〜ンされたから、もう言わないの。
あとね、夏は僕に物理は効かないかな。結界で周り覆ってるから跳ね返るだけ。ポキッとね。
小鬼ちゃんが料理長になった。一番だってこと。2番が10人いて、交代で中心になって作るって。料理が怪しい人をなんとかしたり、作れる人を増やすのも大事、料理を仕事にしたいなら良いけど、感が違うんだったら自分のためってこと。
人魚さん達の役割を決めて、お買い物隊が増えたので予定の上方修正を王と聖女で決めていくって聞いた。ごはんの前の僕は別行動だったからね。
人魚さん達はみんな漁が得意なはず、僕に人の区別が付くはずはないから、たまたま居た人を連れて入江に行く。
漁の船は、双胴船にした。魚を獲るんじゃなくて、増やすんだもの。船の上で作業ができるようにグラグラしにくい方が良いかなって。船?ってしてる。泳いだ方が速いんだものそう思うよねえ。
「これは運ぶために使うの。
あとね、冬は水が冷たいんじゃないかなって思ったの」
確かにって思う。昨日の漁は凄かった。これからは少人数でするから運ぶとき困るなとは自分でも思っていた。毒のあるものや触りたくないものは運べないので獲らないようにしていたなと思い出す。すぐ忘れてしまうけど、冬は寒く辛かった。忘れたいことだったが、忘れてはいけないことのはず。どうりで毎年苦労するはずだ。辛かったことに懲りてない。周りの者を見ると同じように納得している感じがする。
「分かった。教えて欲しい」
じゃあって、船を3艘作る。強弱と反転だけやってみてもらう。方向は出力機の向きなので、分かりやすいかな。練習してる間に水路を作っていく。この入江から外海に出ないで行けるようにするの。海って怖いのいるよねえ。漁の時は、負けないと思うけど作業中は分からないし、護衛が欲しいなあ。あっ、閃いちゃった。
模型地図のところに行くと話し合いが続いている。地図に水路を作っておく。
「イルカ食べる?」
ぐ〜ちゃん達はイルカ、ハテナなんだけど、人魚さん達なら分かる。
「たまに」
よし、いける。
「あのね。イルカを追い込んで集めて欲しいの。
でね、お姉さん達にお話してもらう。
馬みたいなサカナ? 頭が良くてね。可愛いくて、美味しいの。
人魚さん達の護衛になってもらう。
海にも危険なのいる。戦ったら人魚さんの方が強いと思うけど、
小さい子や作業しているときに危ないなあって思ったの」
全部の入江に危険なのが入ってこないようにするつもり、どっちもジャンプが得意なので乗り越えてくれるから大丈夫。人魚さんが控えめに答えたのは、非難されるかもって思ったからかなあ。可愛いのを食べるのをすごく怒る人がタマに居るからねえ。食べるためだけに牛や豚を飼ってるのに何言ってるの、だよねえ。
そう言えば、この子は何でも食べちゃうんだったと人魚さんは思った。作ってくれたの、全部美味しかったなあって。
「サメやクラゲ、ウニ、ナマコ、ヒトデも食べるの?」
食べていないのを思いつきで聞いてみる。
「ヒトデを食べる地方もあるって聞くし食べてみる?
増えると他のを食べ尽くしちゃうから、いっぱいの時は駆除するの。
サメは美味しいの多いから食べたい。危険なのは駆除かな。
ウニとクラゲとナマコは食べられないものもあるから、今度いるのを教えてね」
うわ〜やっぱり食べるんだって。嬉しそうにキラキラしているし。
「イルカは大丈夫。護衛っていうのはよく分からないけど」
「じゃあ、後でね。船組は帰りの相談なので、船に集合で」
お買い物隊に湖の人魚さんはハテナしてるけど、お姉さん達やき〜ちゃん、ぐ〜ちゃんはキランとしたよ。
まあ、おやつの時間だよってこと、ス〜ちゃんも呼んできてもらうの。帰り前の相談はホント。
お買い物隊は仕事感なのか、食堂で出ると思ってるのか分からないけど来なかった。
湖の人魚さんは2人だけ。
おやつでホワホワしてるみんなに帰りの時間を言って、人魚さんは帰るのは全員じゃなくてもって。
ス〜ちゃんがお姉さんにお友達いっぱい出来た!って言ってる。
この町が大丈夫っていうのは、みんなの顔を見れば分かる。始まったばかりだし、ゆっくりやっていこうね。
町長を決めたまではね。良かったんだけど、僕がオーナー(領主)というのはハテナだよお。
人魚さん達に食べ物や着るもの、家をあげて、町を作って、文化を始めてもらって。仕事は僕からって、あああ、気がつかなかったあ。
あはははって、ぐ〜ちゃん笑ってるし。
じゃあ、お姉さん達は漁の船に乗って捕獲ね。イルカすっごく可愛いよ。
僕は頼んでいたものの受け取り。人魚さん達は一緒に来てね。1人じゃムリなの。ごかましきれないの。
お姉さん達はボートの扱いが一番なので、初見の船でも大丈夫。いっぱい作っておくね。
海の街に行って頼んでいたものの受け取り。
アテが出来たので要らないのもあるんだけど、製品の質の参考にはなるかなあ。
育てるのは、たくさんある入江で。人魚さん達にも獲ってもらって、大きく育てるつもり。
魚のほかに貝とか海藻もね。冬の食べ物にもなる。寒い海に入るのは可哀相だからね。
魚の加工は徐々にしていくの。最初に注文してたほとんどに牛や豚もいっぱい。
いつの間にかある荷物船に乗せてもらう。
お店のほとんどを買ってるし追加の動物もあって、すっごくニコニコしてる。
運び込みどうしようかと思っていたんだけどやってくれて助かったよ。
戻ってきて、人魚さん達に養殖をお願いした仕切りに使う網はいっぱい買った。
ひとつ張って稚魚を入れる。稚貝は籠に入れて育てるのとか、縄に海藻の株を付けたりする。これは育てる研究なので、色々試して見てねってお願いしとく、失敗は大事な事だから、記録しておいて僕が来たとき見せてね。
湖の人魚さん達に少なくとも1人は帰るようにしてね、お買い物アリガトって言ってある。わざわざ言わないといけないのが、悲しいなとは思う。
話合いの所に戻ってみると、お姉さん達は帰っていて「イルカ可愛かったわぁ」って言ってる。良かった。
決まったって言う内容を見せてもらって、僕の養殖の希望に畑の育成計画を見て、ずっと見ていて分かった海の人魚さん達の出来ることを加えて、思考を総動員する。
布にこれからの計画、人員配分の修正をハイって渡す。ウチの暦を使って休みに、お祭りとか何かもあるの。これはお買い物隊のって、それぞれが頑張れば出来るように組んだものをお買い物隊の人にバサッと渡す。
名前入り。この名前が誰かは分かんない。分かるのは料理長ってある小鬼ちゃんくらい。いや、どの小鬼ちゃんか分ってないか。
えええって言ってる。喜んでくれて嬉しいって言っておくの。人がいっぱい増えたら仕事感なくなっちゃうから、調整しておいたよ。元からお買い物隊の人はギリギリの線で他の人はふつう。料理当番も載ってるから大丈夫。
お姉さんにそろそろって、ス〜ちゃんのお迎えをお願いする。人魚さん達に、収穫があって売り歩くから、すぐには来れないけどゴメンネ、会えてうれしかった、幸せになろうねって言う。みんなもそれぞれお別れの言葉を言っている。大丈夫って確かに思う。
一緒に船まで来ると、たくさんの人魚さん達がいてお見送りしてくれる。船に乗ってみんなに手を振る。ス〜ちゃんは、いっぱいの友達が出来たようで「またね!」って、ブンブン振っている。するすると船を移動させて見えなくなるまで手を振ったよ。嬉しさと寂しさがあってね。
外海に出ると、お姉さん達が怒っている。湖の人魚さん達は来なかった。みんなは見送りにいないっていうのが見て分かってる。僕には認証具で何処が分かる。理屈ではバツ。
どんな気持ち〜は分からないので、これから考えてみる。
この町でもマズいと思うし、湖の人魚さん達には選択を迫ることになるのかなあって思ったりする。
ううん。僕は首を振って、心があるみたいだよ、何言ってんのって。
船を泊めて、みんなに
「僕達の町や人魚さん達が生まれた湖も帰る場所じゃ無かっただけ。
離ればなれだけど、ここだって僕達の町みたいなもの。
これから自分の町に帰ろうね」
僕は明るく言うと、みんながハッとする。
また船を動かしていく。海の街に差し掛かる頃には、デッキに人の気配がなくなっていた。河に入ってしばらくして虚像を消して、スピードを上げる。
早く早くと思いながら船を走らせていたよ。
あ〜あって思う。こうなるって分かってたのに。
でもさ。全く気持ちが無いのに、仲間を押しつけたくないし
僕達を選んで欲しかったなあ。ウソでもね。
え〜っと次は木曜日。またね。




