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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
9章 海が待ってる。
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068 海に行こう。その2

歯が痛くなるほど砂糖なケーキとか、土地のアタリマエはある。

ぼくがおいしいと思うかは別だけどね。

それでも大事なところはあるよって思うの。


今日もありがとお。

 大きな港町に来て、美味しいっていう店をいくつか回ったんだけど、う〜んだった。ここの好みの違いもあるんだろうけど、それ以前だから評価もしたくない。処理が甘い。ワタや骨を取り切れてないし、ウロコが残ってる。雑味がある、スープのアク取ってない。ダシは引けないのかなあ。塩がまだら模様なのは違うなって思う。甘味だって、砂糖のまんまの味がしてヤダなだった。

 お昼はそれぞれ買ってきたのを食べるにしてたけど、きっとどこも同じだと思うから、みんなの分を作るつもりだし、持って来た食材がいっぱいあるの。もしもを考えて月単位で用意してあるよ。


 不思議ふしぎで頭いっぱいだったせいで、ちょっと買いすぎてる。美味しいマップはここの人基準、ここの普通だから次からは期待しないでおこう。ガッカリは心につらい。


「大きな魚と大きな海老のどっちが良い?」

 両方だと多いし、ダブルインパクトじゃもったいないからね。

 2人で相談して「さかなっ!」ということで、レッツクッキンなんだけど、料理を好きになって欲しいから簡単でインパクトのあるのにする。

 ワタを取ってもらって、僕がうろこを取って、骨もね。寄生虫とか病気もチェック。平たい鍋で野菜やイカを中火で炒めてね。イカには焼き目が付くように。

 わあ〜とか言って楽しそう。トマトピュレを入れて煮詰めてから、大きな貝や黄色い香辛料に魚、水、塩を入れて強火、お口が開いた貝や魚たちを取りだして、やっぱりあった水の麦をサラサラ入れて、最初強火でグラグラさせて、弱火でコトコト。

 最後に強火でごおっとは美味しいコゲを作るためなの。魚たちを戻して、ハーブを飾って完成。

 2人が頑張ってる間に、煮付けとスープ、生魚を薄く切ったものをお花みたいに並べたのを作った。なまは、何度か出したし大丈夫。


 やっぱりお姉さん達やお買い物隊は、作ったご飯を買ってなかった。料理はぐ〜ちゃんとき〜ちゃんで作ったのって言うと、おお〜って。料理作る人少ないからねえ。じゃなくてアイドルの手作りが良いんだって。僕そういう反応もらったことないんだけど・・

 じゃあオツカレサマ。人魚さん達はオハヨウかなあ。まずはスープを飲んで、最初は水の麦のからね。美味し〜っていう声が上がる。2人はとても嬉しそう。本当に美味しいよ。

 あと、おすすめは生なの。ここでしか食べられないの。持って来た黒い調味料につけて食べてみて。大人の人には辛くするのもあるよ。お姉さん達はやっぱりエールを持って来ていて「エールに合う!」とか言ってる。


 死んだような表情になっていたウサミミお姉さんは、ごはんとエールでちょっと元気になったかな。お買い物隊はお姉さん達に減らされたってことで、こっちに来るはずだったウサミミお姉さんをあっという間に引っ張って行っちゃった。超ラッキーだったはずなのに貧乏クジじゃ報われない。

 ごはんの後はこっち。大変なのは分かってるから集められる人達を見つけて依頼するだけになってて、探す手間だけでラクラクのはずなんだけど、どうして?


 依頼するのは仕事感が無いからって、まだ依頼してないって。間に合わないよ。感って分からないんだけど。


「仕事感って苦労したいってこと?」

 ハテナだよお。今回のお買い物は時間が無いから、じゃあねって明後日あさって帰っちゃう。成果より時間を優先!って言ったよね。

 お買い物隊が、いつも予定より、いっぱい遅れるのはこういうことかなあ。


「別行動にする? お魚は絶対必要だから、僕が買うよ」

 お仕事感?大事なら大切にしなきゃだよね。ゆっくり帰ってくれば良いよ。


 ひとつも完了していないお買い物リストを回収して、ハイって渡す。「思い出づくり」って書いておいた。だって、上流に向かって船をげないでしょ。馬車で、ここから帰るとぐるっと回らないといけないから、月が4つは掛かるよ。季節を楽しんだり、途中に深い森があったりするから旅の思い出いっぱいできるよ。良いなあって思っちゃった。


 さっと甘味にお茶を用意して、食べて待っててね、ぴゅ〜っと。

 場所は分かってるの。それにね。ここの人にとって称号より巫女(みこ)の方が大事。ぼろっちかったのが嫌でお店を立派にした最初のお店の人がね。「全部任せろ!」って言ってくれたから、みんなのお茶が終わる前に、ただいましたよ。


 お買い物隊は、お姉さん達にぽいってされて、お仕事感を探しに行った。

 僕達も捜し物するの、人魚さんと魚。一緒だねって思った。

 地形や潮の流れをみて、穏やかで安全が確保できそうな場所に向かう。北の海は荒れやすいって言われているし、冬はとっても寒いから、ちょっと入り組んでいる奥の方じゃないと安心してお休みができないよね。

 人魚さんは人なんだから寒いのは一緒だと思う。海で遊ぶと風邪引かないって言うのは塩水かなあ。


 んん、この辺りちょっとワザとらしい。

 お姉さん達は、もちろん気がついていて、獲物を狩る目になってるよ。でも僕達じゃなければ、まず分からないと思う。

「住むならこっち」ってお姉さん達が誘導してくれる。

 ス〜ちゃんがピクッってする。何か聞こえたらしい。


 お姉さん達がガントレットを付けて、邪魔な木や岩を吹っ飛ばしているのを僕がお片付け。

「あっち」って、ス〜ちゃんが言う方に船を進めていくと、また(ふさ)がっているところや岩になっていたりする。お姉さん達がバチ〜ンとすると粉々になって、また水路が現れるのを何回かしてひらけた場所に出た。


 すごい! 人魚さんがいっぱいいる。ウチの人魚さん達が飛び込みながらヒレに変えて泳いでいく。ここは人魚さん達の国かもしれない。絵本だと、海の中に大きなお城があるんだけどね。

 人魚さん達、浜に上がると足に戻す。おおおおってどよめいてる。変えたりは出来なかったからね。足の人は人魚らしさに憧れるし、ヒレの人は陸に憧れる。らしさは大事な事。


 ウズウズしてる、ス〜ちゃんに行っておいでって言う。仲間がいっぱいは嬉しいことなんだよね?

 あの国では、いらないものだった僕だけど、今は帰る場所がある。この人魚さん達にとっては、ここがそう。

 生活はやっぱり大変そうだけど、助けは余計な事だよねえ。


 じゃあまず見てもらった方が信用してくれるかなあって思って、何か目がキラキラしている人魚さんの腰にタオルを巻いてもらって、両脇に介助の人を付けてもらった。ヒレをナデナデして壊れている組織を治す。

 まあヒールなんだけど、体の構造とかを完全に理解していないとできないから、能力が凄いアサガオちゃん達にも無理だった。最初から壊れているから治すというより、作ると言った方が近いからねぇ。

 何度もやったので接触しなくてもできるんだけど、うん触りたかっただけ。スベスベで気持ちいいんだよ。

 ヒレが足に変わるとガクンとする。後の説明をウチの人魚さんにお願いしちゃう。人魚さん自身の感覚を伝えてもらった方が分かりやすいかなって。やっぱり喜びが大きいのは周り。ハテナ。


 困っていることあったら、お助けするよって言って、一番エライって言う足の人のお話し聞いてたんだけど、本題にならないし、なが〜くて眠くなっちゃった。

 周りに居る50人ぐらいの人達に要点だけにして一斉にしてもらった。そもそもの部分で困っているんだけど、取引とか協力やお買い物しようにも人間怖いって、だよね。ス〜ちゃんがひとりぼっちって、そういうことだし。


 ん〜って考えて「お仕事感ある!」って叫んじゃった。

 お姉さん達も「それよっ」って言ってるし。


「じゃあ、町の形を考えないとね」

 えいって、この辺りの地形図を出した。イマココねって、黄色になっている真ん中あたりの小さい入江を指差す。周りに広げるのと言いながら緑を消す。この上に泉って水色の楕円を作る。こう川が流れてね。大部分が畑で牧場かなあって言いながら。細かいのをザザーッと出す。家とか役所、学校、工場、店とか書いてある。ぐ〜ちゃんとき〜ちゃんにヨロシクねって、要望をまとめたモノをペラペラ布に転写してお願いする。「最善が分かる」称号というのはそういうもの。これに聖女が加われば、動植物まで含めた町の理想が見えてくる。


 おおっ、思いつきでやってみたけど良いんじゃない。うちの行き当たりばったりな町づくりをみんなに作り直してもらおうなんて思ってたら「任せて♡」ってぐ〜ちゃんに言われちゃった。大好きっ。

 それから、人魚さんを交えて、わあわあと町づくり。僕の希望は全部入りの町で、どうしても足りないものは僕達の町から、僕が欲しいのをこの町で作ってもらうの。湖でやりたかった養殖もね。湖は生け()みたいに使う・・かなあ。

 ここの入り組んだ地形はとっても良い場所だって思うの。


 じゃあって思ったら、ごはん。普段食べてるものが焼くかなまって聞いて、え〜って思った。いや、鉄が手に入らなければ仕方ないか。じゃあナベって思ってお姉さん達に木を何本か倒してもらって、乾燥させたのを砕いてもらって、人魚さん達に積み上げてもらう。木を組んで吊り下げ式のかまどを作る。今回限りだし適当で。大鍋は持ってきました風に船から持ってくる。

 何か言ってな感じで待ち構えてる人魚さん達に食材を獲ってきてもらうことになって、昆布と貝、海老、大きな魚とかってリクエスト。

 アレ回収しなきゃって思って海の街に戻って、ぼんやりとしているお買い物隊に「感あったよ」って急いで乗ってもらう。何か言おうとしてたみたいだけど、すぐに寝ちゃった。外は暑いからねえ。やることは無いし、ごはんまで寝てれば良いよ。


 お願いした通り、鍋の周りに杭をパラパラと立ててくれてたので、灯りの道具を付けていく。真っ暗になる前の準備は大事。食材が揃ってきたので、ささっと下処理をして、鍋に投入していく。

 船に湖の人魚さん達を呼んで、小麦粉を冷やしておいてある出汁で溶いて、道具で野菜を細かくしたものを入れて混ぜてドンドン焼いてもらう。これはパン代わり。おかずばっかりじゃ何か物足りないんだよね。

 鍋が煮えてきたので、味を調整。水炊きと東の調味料のと、もつ鍋。みんなでご一緒に、がしたいとこだけど、人数が多すぎなので、好きな鍋に並んでもらって、なんちゃってパンを渡していく。初めての味になるんだけど大丈夫そう。一通り行き渡った所で、メンを投入。お腹をパンパンにしてね。僕は味見でお腹いっぱい、どれも美味しかった。


 ボク達の町の最初はボロ布が笑っているだけの人達で、今ではピカピカ輝いてる。きっとここもそうなるって、美味しい笑顔の人達を見て嬉しいなって思っていたかな。

手を出さないつもりだったのに

ウエルカムすぎない? ・・・なら遠慮無く。

幸せにするからね。


またねえ。

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