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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
9章 海が待ってる。
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066 2回目のお休み。

お休みするには、準備が必要って。

大量生産得意でしょ。いや全然違うって?

いっしょいっしょ、がんばれ〜。


よろしくねえ。

 今朝は気分を変えて裏から回る。トリさん達が元気。朝は外に出ている。昼間は暑いからね。7月24日、金の日は天気で暑くなりそう。

 昨日から食材棟の人達が食堂の作業に参加してる。というのもお姉さん達も海にお買い物に行くから。それを聞いた人達が口を揃えて「ごはん」って言う。いい機会だから自分たちで作ってみなよって、すごく立派な調理場なんだから使ってという僕のお願いに、ヤレヤレみたいな顔をするの。


 仕方ないってお姉さんの誰かが残りましょうになることは無く、食材棟から何人か引っ張って来た。アサガオちゃんやカタバミちゃんがやるって言ってくれたんだけど「まだ早い」だって。大事にされてるなあ。

 僕の扱いと違いすぎない?

 メニューは考えてあるので、それを早くいっぱい作る練習をずっと。暑さで食欲が落ちるどころか増えたから、やっぱり1000食作らないといけない。シリアルとメンだけにしても大変だそうで特訓中。

 30人体制だとか、あれ僕1人だったけど。

 お姉さん達のOKが出たのが、お昼過ぎで「疲れたから甘味〜」って僕に言うの。なんか違うよ。でも、頑張っていたのは知ってたし、僕が海に行くお手伝いをしてくれるようなものだから、面白いのにしようかな。


 お姉さん達や食材棟の人達がぐで〜としている前で、調理開始。

 タマゴをポンポン割って牛乳に砂糖にこの前作った甘い香りのエキスをぽちゃっと。冷やして混ぜるのは道具にお任せ。出来たのをガラガラって冷たい部屋のすごく冷たいところに持っていく。

 次に小麦粉、トウモロコシから作った粉、タマゴの黄身、パンの粉、砂糖をまた道具でまぜまぜ。特上水と牛乳で伸ばしたものをオーブンで焼いていく。焼き上がりにきゅっと型を押し当てて格子模様を付けて、くるっと巻いて置いておく。ぱぱぱ〜っと。できあがり〜。

 いつもは試食なんだけど、まだ冷えてないから、お楽しみにしててね。ほえ〜って見てたって後でお姉さん達から聞いたけど、楽しくって気がつかなかったよ。


 おやつの時間に焼いたのと冷やしたのをガラガラって持って来て、試食ねって、べ〜姉に作ってもらってた先の大きいスプーンでちょっと冷たいのをすくって、焼いて丸くしていないものを小さく割ったのに乗せて、ハイハイって渡す。今日は試食の人が多いなあ・・・えっ? ずっと見てたって。

 冷たいと味が分かんなくなるから、台のおかしをかじって元に戻してね、また冷た〜いなの。


「冷た〜い」「甘〜い」「おいし〜」「甘いにおい〜」

 でしょ。美味しいよね。香りだって大事。入れ物も食べられるって面白いでしょ。お姉さん達は試食してるけど、普通に食べるよね。だから追加は無し。

 特製スプ〜ンでまん丸くなるようにすくってポンって乗せるの。って最初の食材棟の人に見せて、あとはお任せ。夏だしね。冷たいものが良いかなって。夏休みの最後に出したのと同じなんだけど、香り付いてないし、この食べられる入れ物でかなり違うって思うはず。

 お姉さん達とちょっと離れて、様子を見てる。アワアワしてるけど大丈夫そうってお姉さんはOKみたい。良かったって思ってたら、ピ〜って鳴る。こりないなあって思った。


 夕ご飯は、食材棟の人達だけで作って、お姉さん達は口を出さなかったけど大丈夫そうだって、良かった。

 明日は2回目のお日様の日だけど、前のは夏休みにくっついていたから最初みたいなもの。ぐ〜ちゃんズに歌ってもらって、くじタイム。「王と聖女と人魚と一緒に海の旅、限定1名」ものすごかった。

 僕もいるけど、マイナスにしかならないから言わない。


「やったわぁ!」

 お姉さん行く人でしょ。ノーカン。参加しちゃだめだって。

「いえ〜いっ!」

 ぐ〜ちゃんもダメ。さすが、持ってるなあ。当たりを戻して、よくマゼマゼ。そのあと外れが続く。全くの無欲の他の人魚さん達はハズレ。復活したいお買い物隊だった人もハズレ。

 残りの人わずかになって「イチャイチャしてんなっ」って()り出されて、お兄さんはハズレでザマアって笑われる。

「あっ当たり」うさ耳のお姉さん。ええ〜って周り。

 まあこういうもんだよね。出発は2日後、月の日。よろしくね。



 実質、初めての定期休日。7月25日、お日様の日。お日様の恵みに感謝する。すごいパワ〜をくれて、夏は元気でいっぱい居てくれたり、冬になるとお疲れで、すぐ休んじゃったりする。何かに感謝したり、目指したり、恐れたりする日は、今日も晴れ。

 浜は大賑わい。だよね。ちょっと前のことだったのに、もうみんなが休みのベテランみたいに自然に遊んでる。すごい順応性だと思うな。


 すっかり浜食堂の店長で店員の僕。食堂の半分だけど広い、1人だしね。でもメニュー増やそうとしてるの。自動徴収はエラーや取りこぼしが無かったし大丈夫ってことで、昨日の夕食の時に謎の音の正体を発表。

 思い当たるのが何人もいて、知っている人達も多い。

「だからダメだって言ったのに」とか「うわっサイテー」とか何とか。

 夏休み前はそれで節約してたんだろうけどね。あのお姉さん達を(だま)せるとか、すごいって思うけど、ダメ。夏休みの時にごまかそうとするのが何人もいたので作ったもの。全システム作ってる僕を(あざむ)くのは無理なこと。


 集中する時間は無理だけど、それ以外だったら大丈夫かなと。まあ簡単なものだけ。今日は朝から甘味があるし、食事メニューも10くらいある。すぐできるのならメニューに無いのもOK。掛かる時間も書いてあるから見て注文してね。

 お姉さん達は、ボートのコーチをやってるらしい。レースの駆け引き的な。また、レースやるんじゃ無いよね。

 いや、やりそうだなあ。寒くない水着を量産しないと。


 そうそう2番手以降は水しぶきが眼に入るよ、なんとかしてって、ぐ〜ちゃんの相談から顔にぴったりの眼鏡みたいなのを開発したの。ガラスじゃ割れて危ないから、ボートの風よけに付いてる妖精さんのナゾ素材のもの。強い光があると少し黒くなるようにしたの。走りやすくなるって喜んでくれた。最速実験とか言ってたのは聞かなかったことにしたかな。


 お休み前にレースの時の服、ちゃんと人魚さん達の分も作った。スカーフは好きな色を選べる。

 あと、団体戦の時に、どっちのチームか分かりにくいって声が観客からあったので、捨て色になっていたスカーフに変えたところもある。アサガオちゃんが髪の色でピンク。カタバミちゃんがオレンジにして、いっぱい余った青をカード王がもらった。

 あれれ、お姉さん達はどうするのかな。

 銀がグレーに変えて、べ〜姉はムラサキにした。結構変わったねえ。しょうがないっておじさん達が白に、ピンク似合ってたのにねぇ。


 なんて、来ている人達を見てる。朝の混雑時間が終わってガラガラになったしね。

「甘味〜」ってお姉さん達が入ってきた。料理の特訓の後にまた教えることになってて、オツカレサマ。

 スカーフ水色になったねって言ったら「カード王がね、もうっ」だって。


 新作は「ベリーソーダ」「バナナソーダ」「甘酸っぱいソーダ」「ふわふわ氷」「固めプリン」で他色々。お城みたいに選べるの。これのためにシロップと練乳を作ったんだよ。作り方は小鬼ちゃん達に言ってあるから、あっちも同じのがあるはず。で、8人違うのを注文。やっぱり。

 まあ、あるものに炭酸とシロップを入れてるだけ。だいぶ変わって感じると思うよ。


 氷のはね。この前来たとき、冬のことを考えて氷食べたいって思ったから。

 これにもシロップかけて食べてもらう。練乳も美味しい。固めのプリンは練乳で作ったの。食感が違ったのも美味しい。後は前に作ったのとかで種類多いように見えるだけだから同時に作れちゃう。しゅわしゅわ美味しいよね。ここにお酒は料理用しか無いの。酔っ払って水に入るのはやっぱり怖いからね。

 お姉さんは甘味で元気になって、また教えに行くらしい。がんば。


 お昼近くなって、また人が増えてきた。「時間見てね。急がせても無理」って最初に言っておく。1人ずつ聞くのは面倒なので、同時に言ってもらう。

 ワザといっぱい言ってからかうのが時々いるんだけど間違わないって。お残しはダメだからね。

 冷たいメンは早いよ。道具が乗せるからすぐだし、出来てるのもあるから急ぎたい人はそれ。他のは()でたり焼いたりするからね。最初に入っているのを抜くのは無理。誰かに食べてもらってね。

 忙しいって思うけど、アワアワするほどじゃない。意外と大丈夫。


 お昼が過ぎてから、甘味がチラチラと増えてくる。誰かから新作のことを聞いて来たみたい。氷のをウマウマって、バクバク食べると来るよ、ほら。キ〜ンが。みんな一回はやるよね、くすくす。

 ゆ〜姉が何人かと入ってきた。甘味を持って席に着いたところで、お邪魔する。


「収穫どうするの、いっぱい。麦は」

 忘れているはずが無いから確認みたいなもの。言わないから黙ってたけど夏の収穫で麦を刈らなかったのがちょっとハテナだったの。麦は買うってなったから、秋植え必要ないし、だったら大麦だよね。牛さん達、籾殻もみがら好き〜だもの。あとラガー作るよって言ってあるし、いや大麦も買えるか。購入契約はしてないけど。あとオーツ麦もだよね。


 やっぱり気付いてたかって顔をする。

「麦もう無いの。早めに刈っちゃった」

「やっぱり。でも収穫手伝ってもらわないとだよ。他のもみんな収穫でしょ」

「だよねぇ。お願い!」


 こっそり麦刈ったのを気にしてたみたい。麦はきっとエールに変わってる。水の麦の刈り取りって大変。道具に変えるとしても一回はやらないと、歩くのを置き換えただけの車がすぐ使えない人が多かった。みんなは体験していない道具は動かせないみたいだし、僕みたいに頭の中でやるとか無理なんだって。


「じゃあ8の月の2段目かなあ。他所の町でいちやるし調整だよねえ」

 すぐにお買い物隊を出して、お買い物予約と場所取りしとかないと、売れる物調査もだよねえ。小麦の後は肥料を漉き込んで、テンサイといろんな豆を植える。増やしてから、いっぱい作ってくれる村に作付けをお願いするつもり。テンサイから砂糖が取れるって、きっと思わないし分かっても取り出すのは大変だから、ウチ専属になっちゃうね。高く買うからいっぱい作ってもらうつもり。あれもこれも、作るの大変な原料は人任せ。水田だけ、いっぱいのままにして、畑は大幅に縮小と予想してる。

 うふふって、ゆ〜姉と笑う。周りが引いてるから、ちゃんと説明!だよ。

 注文が来たので、またねってお(いとま)する。


 甘味を作りながら、明日行く海のことを考えてニヤニヤしたり、北のお買い物隊、遅いなあって。

最初に思いっきりやっちゃえば、普通のお休みもベテランの域。

でも、遊び限定なの。なかなか上手く行かないなあ。


また見てねえ。

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