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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
9章 海が待ってる。
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065 聖都観光のこと。

今後、定番化しそうな聖都観光の第1回。

お試しと言う事もあって、強制的に。

道のテストもあったり。あとは成り行きで・・・


ありがと。

 オヤツの後、美味しい決意をして、お姉さん達を引っ張って食材棟に来た。正確には、お姉さん達とアサガオちゃんにくっついてきた数人。オヤツ食べて戻るときに一緒にってこと。

「え〜とね。商品開発。トマト(つぶ)して香草入れただけだと、

 ソースっていうのはダメって思ったの」

 揚げたイモのソースとして出したんだけど、深みが全くなくてトマトって感じだった。まあそうなんだけど。それじゃ処理済み材料であって、ソースじゃないって思ったのって説明する。


 タマネギとニンニクに赤い香辛料を道具で潰す。これを赤いソースって言ってたのを加えて、砂糖をドバッと塩をサクッと胡椒をササッて入れて煮るの。アクをしっかり取って、3Hくらい。「今回はズルするね」って言って、妖精さんにお願いすると量がぐぐっと減る。砂糖の半分くらいの酢を入れて完成。

「味見してみて」

 皿にポテトと作ったものを乗せて、どうぞってする。

「美味し〜い!」「全然違う!」「「うま〜い」」

 こうじゃないとソースって言っちゃダメ、新しい料理を作りたくなるものが良いって思うの。でね、魚醤(ぎょしょう)のことをケ・チャプって言うでしょって(東の言葉だから)尻尾の人に確認とって。

 だからね「これはトマトケチャップ」


 もうひとつって、卵と黄色い酸っぱい実に酢、塩、砂糖、油、最近開発した黄色い辛いソースを用意する。酢、塩、砂糖、黄色い辛いのをよくマゼマゼ。卵を入れてよくマゼマゼ。油をちょっと入れてマゼマゼを繰り返す。「大変なのでコレ」って道具を持ってもらう。ぐい〜んって回しながら。油をタラタラしていく。様子を見て、クリームになったので止めてもらう。「ちょっと待ってて」ぴゅ〜とキュウリを持って戻ってくる。お皿にソースを盛って「つけてみて」ってすると、みんなの幸せな感想が返ってくる。

 じゃあ、両方つけてみてって。幸せな顔がいっぱいになった。


 最近、僕が食材棟で調理するときは、1人がメモを取るようになってて、まず同じ味を再現して改良していくってことらしい。楽しみ、よろしくね。



 昨日の朝、東のお買い物隊が出発した。聖都のすぐ近くまで高品質化した道になってるの。計画は最初の出発の時に話してあって、来るときは無事見つけて帰って来た。入口は、ただの崖。わかりやすいとも思う。結界があるので、認証具を着けていても、この町にとって悪い対象は通れない。最短ルートは山や森、渓谷とかあって、通れないから遠回りになる。普通15日くらい掛かる。僕が捨てられた時はダラダラ休み休みだったから20日も掛かっていた。橋を架けたり山を削ったり、沼を埋めたりして道路を作った。速い馬車で5Uくらい出る。たいていは1Uよりちょっと早いくらいだけど、ずっとじゃない。道が悪かったり雨は動かなかったりするから、かなり余計に掛かる。遅いけど、いっぱい荷物を運ぶ馬車は必要なもの。


 ふつうは・・だけどね。うちの町は道が良いし、荷車の品質は最高な上に、馬が()いてない車でスピードが出せる。かなりね。

 勇車は速い馬車の倍だけど荒れた道をその速さで走ると、荷車の揺れがひどい事になる。称号のなんかが働いて、意外に快適だったらしい。

 でね。お買い物隊はその勇車の1.5倍で走って行った。ミラクルな称号の力より快適な乗り心地になってるはずなの。

 カタバミちゃんなら、帰りは3倍出しそう。予想だけど、行きは2Hくらいで、馬車なら休憩が必要な時間。あっという間に着いたって感じるかな。お買い物隊とお別れをして、聖都に入る。カタバミちゃんには(ひど)い記憶しか無い街。ゴミのように扱われていたけど、今は聖人だから入るときに障害は無いし、(あなど)る人はいないどころか、おがまれるかもしれない称号。一番高い宿に泊まるように言ってある。良く知っている街だから間違うことはないかな。かつては絶望の毎日で消したいはずの記憶のはずだけど、カタバミちゃんの性格だと、じっとしていない気がする。


 ゼロライン達は宿前で放される。出発前に聖貨おかねを渡してあるから、安宿くらいなら泊まってご飯も食べられる。どこに行くかは自由だけど、出発時間までに戻ってこないと回収されない。懐かしさで、動き回って僕たちの町での記憶の飛んだ元勇者達にあったら捕獲されちゃうよなあ。良い意味で。きっと良くなっている、あの街を見たら帰らないだろうし、働かないといけない、この町より何となく過ごせるあっちの方が良いと思うよ。帰って来たら、強制的に働かせるつもりだしね。なんて、僕は予想してた。


 時間になって、かなり少なくなった偽装馬車が走り出す。かなり離れたところで映像の馬を消す。箱から自分の認証具を首に掛け1人ずつ渡す。いっぱい残ってるのを見て(さび)しさと新しい旅立ちの幸せを願う。

 帰りは勇車の3倍くらい出てたかなあ。速かったって笑ってる。少しのかげりも無くなった笑顔が嬉しかった。アサガオちゃんが泣きながら抱きついていた。色々考えちゃっていたらしい。いっぱい話して、これからは2人の楽しい笑顔がいっぱい見られるだろうって思ったよ。


 元勇者のお友達は住んでいたところにフラフラと行って、あんじょう捕まって(勉強や働く事を強制されない)楽しい時間を過ごしていた。

 怠惰(たいだ)な習慣がいつまでも取れないでダラダラしていた人が、望んで帰っていた人の店で夢で見た話って楽しそうな町の事を聞いて衝撃を受けたって。


 カタバミちゃんはずっと気になっていた病気の人や怪我(けが)で苦しんでいた人達を元気にして回っていたって。前にいた屋敷は元勇者達の突撃で粉々に壊されて公園になっていたり、一時期停まっていた物品の流通が急に流れ出してからは前よりもモノが(あふ)れていて、笑顔がいっぱいになってるって、あとやっぱり臭かったし、みんな鼻栓で変だった、私も鼻栓したって笑って話してくれた。


 かなり減った聖都観光メンバーだけど、今回は幸せなお別れ。これから頑張るって言うゼロラインに期待するよと言いつつ、観光代を差し引く。カタバミちゃんは引率なのでチャージ。文句は無し。ずっと言ってるよね。特急料金は取らないし、聖貨(おこづかい)は入ってない、乗車運賃だけにしたんだからね。


 トラブル無く、元気で帰って来てくれたのが嬉しくって、明日お披露目(ひろめ)しようと思ってた作ったばかりのソースを使った料理を出した。赤白のソースの衝撃は、大変なもので特に白はすごかったなあ。


 予想通り、夕食後はクジイベントになった。人魚さんと改心したらしいゼロラインに所属不明の何人か、人魚さんは後ということで、ゼロラインからなんだけど採石場が続く。不正だとみんな思うけど面白いので黙っている。

「車合格するまで合宿所」宣言だけど、え〜って思う。王が試験しないから採石場の粗鋼班のほとんどが合格していない。まあ毎日ちゃんと働けばすぐプラスになる。いつ試験してくれるかは分からないけどね。

 き〜ちゃんのやり方が良いと思ったらしく、いつもはちょっと押しつけ合いになるフラフラ〜ズがすんなり決まっていく。喜んでいるけど、合宿所って事務所に簡易ベッドがあるだけだと思うよ。一番に働いて最後までって事。食材棟だと、きっと素敵(すてき)アーケード(牛小屋の中)じゃないかなあ。

 うん。強制的にって言っておいたしね。ちゃんと戦力になってもらおう。


 で、メインイベント的な人魚さん達。色々なことを知らないけど能力は高いし、何より素直と評価が高い。なんと、ぐ〜ちゃんが初めてクジで受け入れをしたのを始め、次々と決まっていく。恥ずかしがる反応が新鮮で、ほのぼのイベントになっていた。やっぱり余るのはいなくて漁師は誕生しなかった。他所(よそ)に売ることは無いから、まあ良いかなあ。残念だけど。



 翌朝は予告通り新しいソースを使ったもの。挟む具はハムの代わりに鮎のフライ(チーズ入り)の違い。評判は上々。

 人魚さん達をアテに出来なくなったので、オベントも用意する。パンに具を乗せてパンを(かぶ)せて焼き型でジュッと焼く。中身がこぼれないし、焼きが入った方が美味しいと思ったの。後で感想を聞かせてね。


 あの食材棟で作った白いソースだけど、タマゴケチャップにしたって、名前があった方が良いというのは分かる。売りやすいし使いやすいからね。

 じゃあ前の赤いソースはって言われたので、ピュレが食材感の強い水気の多いので、加工品みたいにドロっとしてるのがペーストって言っておいた。いっぱいあると分かんなくならないって聞いたけど平気だって。すごいなあって思った。

 美味しい町になってきているって思って、僕はワクワクだったな。

せっかく行ったのに、観光してないよ。

でも、臭いから無理か。行くなら暑くない時期だね。

大丈夫なら、行きたいって人が結構いるの。男の人ばっかりだけど。

なんで?


じゃあまたね。

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