表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
9章 海が待ってる。
65/850

063 海はまだ遠い。

水は高いところから低いところに流れるもの。

じゃあもっと高くすれば、楽しくなる?

今だけ頑張れば、ずっと幸せがやってくる。

(日付は旧暦なので、7月は8月に読み替えてね)


さんきゅう。

 今日も妖精さんにほっぺをツンツンしてもらった朝。ぽや〜っと雨戸を開けるとお日様がコンニチハしている。7月21日、火の日はとっても晴れ。(こよみ)が定着すると良いなって思う。


 お姉さん達に遅くて大丈夫って言われているので、顔を洗ってから食堂に行く。

 朝ご飯は昨日の朝作ったものを観察して改良をお願いしたものが全部揃っていた。びっくり。「完成すると朝寝坊が出来るよ」って言ったことにお姉さん達がとても反応していたとは思ったけど、聖女の本気はすごい!

 出来たのは3種類(原料は2種類)で砂糖が表面に付けてある。

 その1)オーツ麦をふかして潰したものを中心にドライフルーツや木の実を砕いたもの。

 その2)トウモロコシの実の粉を練って潰したものにドライフルーツなどを入れたもの。

 その3)1のオーツ麦だけ。炊く。


 評判は上々で、お母さん達の感謝の声がすごかった。3は好き嫌いが分かれたかな。子供の小さいうちに慣らしておけばいいかも。

 評判が良かったので、食材として生産することになった。トッピングの工夫は、きっと最初だけで、そのままミルク掛けるだけになりそうだから、()きないようにって見かけを変えたり材料に違うものを入れたり、色んな味をご提案。定番になりそうだから、ひとつの屋台全部になって選ぶのに迷うくらいあったら楽しいよ。


 今朝は、昨日準備したのを並べただけ、今日はスープは無し。卵は昨日夕食のついでに()でてスライスしたもの。ハムもそう。置いてある精算の道具で支払ってから選ぶ方法だって。思い切ってるなあ。

 あの精算の道具ね。前にお姉さん達の代わりでごはん一人で作ってたことあったでしょ。忘れてる? お泊まりで狩りに行ったとき、その時ね。

 ごまかそうっていうのが何人もいたの。一緒に来て、わーわーしてた。うるさいなあって思ったけど。10人程度じゃ分かんなくなることは無いからしっかり徴収してる。

 悪意とうっかりの違いが見つけられなかったんだけど、出来たのが最近。うっかり支払い処理をしないと1割加算される。誤魔化そうと思ってる(購入の思考をしない)と3倍になって、小さくピ〜って鳴る。誤動作対応のため見てるけど大丈夫かな。


「これで1H、遅くできたのよ」

 お姉さん達うれしそう。じゃあって僕もご提案する。

「パンはね。前の日か前の前の日に焼く、これでもう1H」

 ずっと調べてたの、どのくらい美味しいが続くかなって、保管の方法とかね。旅行に持っていきたいパンは日持ちがネックなんだから、最初っから調べてるって。あのカチカチの代わりにならないかなって、ずっとね。いくつか出来たのを今日出発のお買い物隊が持っていくの。荷車1つ分も。日持ちとか美味しさとか、気付いたことをメモしてもらうの。やってみたは大事。

 お姉さん達がパチパチ。ずっとコレってダメだよねえは思ってたって。

「畑を朝飯前にしてもらうの。これで2H」

 おおって、お姉さん達が珍しい。朝が早いのを変えられないのがお仕事時間のせい。野菜の朝採りのためなんだから、そんなにキツくない。じゃあご飯前の元気で大丈夫にしてよ、なの。

「ゆ〜姉がウンっていう、作戦はあるよ」

 なんて、意味深に言ってるけど大したものじゃ無いの。朝の時間がまとまれば楽ちん。出来たてパンはお昼か夕食、おやつで作るかも、かな。

 またピ〜って鳴る、連続で。今までごまかしていたの結構いたのかもねえ。お姉さん達は苦笑いしていたよ。


 ごはんが終わると、南へのお買い物隊が出発する。かなり遠くだし、いっぱい荷車がある。ワイワイはあるけど、ヒヒ〜ンが無いの。嫌だあが時々。

 ワイワイは前のお買い物隊とだいたい一緒の人に勇車隊の人が何人か、尻尾の人が何人か。そのまま、お里に帰っちゃう人もいるから見送りでほぼ全員いるっぽい。尻尾をもっとモフモフしたかった。帰っちゃう人に付いてくっていう人も何人かいる。

 恐るべしモフモフ。出て行っちゃう人には、認証アクセと交換にお金や宝石をいっぱい渡す。いっぱい頑張っていたから、知識や技術を持って元気で幸せにって。

 で、ぎゅうっとされる。ポロポロ泣いていたらしい。遠すぎて約束は出来ないけど、いつかまたね。


 ヒヒ〜ンが無いのは馬車じゃないからで勇車でもない、ただの車。荷車を徹底的に改造したので、凸凹の道でもスピードがだせて、平らなところなら15Uは出せる。今までが1U前後だったんだから速いでしょ。馬さんのごはんは人より多いんだから、無くなると売り物やご飯を載せられる場所がかなりできる。20台の馬車なんだけど御者は一人、前の車に着いて行かせる操作が人によって難しいっていうのは後で聞いた。そういう時は人を増やせば良いから、対応可能なの。

 ゆっくりの時は良いんだけど、スピードが上がると脂汗ダラダラして制御するんだって。あと何人かがイメージ作りをする。大き過ぎだし馬がいないのは変ってことで、用意したもの。町の近くに行くとき画像を作る。それに合わせて馬の声がするって仕組み。

 ガタガタが無いと疲れが、かなり違って休憩の時間が減るはず。補給のほとんどが馬のお世話だったから、だいぶ楽になる。一日に進める距離がかなり。

 嫌だあは、ゼロラインの人達の聖都見学ツアー。ここ1月で10日以上マイナスの人ってゆるい条件にしたのに50人もいた。引率にカタバミちゃんが手を挙げたので、文句は言えなくなった。だよね。


 名残惜しいけど、じゃあって出発する。行ってらっしゃい!とか元気でな、ありがと〜なんて声も掛かる。改良した荷車は音があんまりしないで、ぐんぐんスピードが上がって小さくなってく。行っちゃったなぁの顔はおだやかで、旅程たびの安全と成功、別れた仲間の幸せを想っていたと思う。

 人魚さん達は馬がいない事に心配して、動き出して驚いて速さにぽかんとしてた。人がわ〜っと来て連れ去られて行って、何人かが残るからコッチコッチって、ご案内する。


 昨日と同じ説明を湖と比較したりして、少し丁寧にする。その後、船に乗って停泊、やり方を見せて、釣りを楽しんでもらう。全員が釣れて終了。船を動かして、どこまで大丈夫か聞きながらスピードを出す。ゆっくりターンして戻ってくる。楽しそう。

 なんか違う。目的がないのは、ただの遊びで仕事ちがう。これだとおじさん達が釣りしてるのと同じ。ああこれかって思った。成果があってもなくてもだよね。勇者や勇者もどきをかかえてた時はこういう思いだったんだろうって。適正うんぬんより、来たばっかり見たばっかりなんだから急ぎすぎた。でも、あの素敵なヒレを見ちゃうと期待しちゃう。ううん。切り替えよう。

 キチンとお片付けして捕った魚を運んでもらう。お昼に出すよって言うと嬉しそう。

 いっぱいは捕ってないので、ちょっとずつだけど、みんなに食べてもらおうね。きゅっと冷凍して野菜と一緒に。この黒い調味料を付けても美味しいよ。


 そうして今日はチェンジして、午後は違う人達、たぶん。これで一巡? また漁の説明をして、ちょっと磯釣りなんかすると時間になる。気持ちがちょっと下がっているので、自分でマキマキするおやつにして楽しく。磯釣りの魚は塩焼きにしたので腹ペコさんはどおぞ。

 また夕ご飯に魚を出すから、船では今度は僕もしっかり釣る。帰りに仕掛けを回収。見たいというので、うにょうにょしているのを見せた。泥臭どろくさいので、あんまり食べないって言われたよ。ふふふ。


 お姉さんに今日はこれって見せると同じ事言う。美味しいんだからね。びっくりするよ。

 最初にタレを作る。東の調味料は、もう残り少ないなあ。作ってるのはまだまだ時間が掛かる。無くなったらズルはするかも。とか言いながら熟成が足りないってズルしちゃった。

 お姉さん達に見ててって、寒くてぐったりしているウナギを取りだして、背中からをこちらにして置く。顔のところをザクッとして、眼に杭を打つ。刃を倒して、スッといれて皮をを切らないよう注意して尻尾まで、パカッと開いて、内臓を取って、同じように骨を取る。ターンって首を落として、サク、スッスッって血や骨を取っていく。尻尾のところに切れ込みを入れて、端っこのヒレとかの固いところを取る。

「これがウナギの開き方なの。ちょっと難しいかも」

 やるわね〜とか、面白そうとか言ってる。大丈夫そう。

 やっぱり問題無く手分けしてウナギを処理できて、焼いてから蒸した。ここで止めて他のをつくる。今日のは煮付け、これも美味しいよ。

 他のが全部出来たところで、タレに浸けてウナギを焼く。美味しい匂いがいっぱい。最後にしたのは、このせい。キラキラ待っているお姉さん達に小さく切って、どうぞする。

 臭みが無くて美味しい。油臭くないって。ね、美味しいでしょ。調理次第なんだから。


 匂いで期待が高まってる。ウナギっていうと、え〜って言われる。きものスープもあるよ。ウナギのタレは甘め。煮付けも甘め。疲れているときは甘いものだからね。添えてる生姜(しょうが)は、口直しと体のためで根のところをちょっとだけって言ってるのに、丸ごと食べちゃってから文句言わない。

 獲ったものが美味しいと嬉しい。ただ焼いて煮ただけじゃダメ。頑張らないと美味しくならないんだよって言っても、多分聞いてない。僕も一緒してやっと分かったし。

 銀とき〜ちゃんを見つけて、今日感じたことを言ってゴメンナサイする。2人は困った顔をして、ぎゅってしてくれる。ありがとうって。


 ゆ〜姉を見つけて、同じようにゴメンナサイすると、ぎゅってしてくれる。あとね、お願いもあるの。お仕事は朝飯前にって、畑の早朝のご飯を止めたいって言う。その代わり、新しい食材に元の名前を付けるからって、おじさんにウインクする。もう根回し済みで、おじさんがみんなにも話してくれている。ゆ〜姉は、やられた〜だって。

 あのすぐ食べられるものの名前は「シリアル」になった。おじさんはいっぱい書き残してて、名前にセレスティーナを見つけた。つまんない名前が多いのに愛をいっぱい感じるよ。豊穣(セレスティーナ)の聖女なの。ぴったりだけど、どうやって調べたんだろう。そのままじゃ悪いので、他の国の言葉から付けたの。おじさんも自分だけが知ってるというのは嬉しいらしい。親バカ。


 漁師さんは、まだまだ無理。しょうがないから海へは僕が行こうかなあ。なんて考えているのは本気。海が見たいし、海の魚食べたい。人魚さんもいるかもだしね。

 ぱっと、ぐ〜ちゃんと目が合った。OKみたいなポーズをしてる。き〜ちゃんが近くに来て、いいよとか言ってるんだけど、僕何にも言ってないよ。思っただけ。離れてたしね。


 嬉しいなって感じたんだよ。いっぱい。

楽しいだけじゃダメ。お仕事とは違うもの。

プロとアマの違い? 楽しいやお友達で頑張るけど、その時だけ。

それからが無いと、やらなきゃを思わないってことだった。

難しいな。でも大事なこと。どうしたらは分からないけどね。


がんばりまあす。また見てね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ