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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
9章 海が待ってる。
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062 さかな食べたい。*

やりたかったの。お昼の配達! もちろん僕がじゃなく。

サンバイザーにシマシマの制服。

お届けは、もちろんアレ。


まいどっ!

「今日のお昼は配達」にしたら、いつもの倍もあった。

 お弁当が無いだけでかなり違う。余っちゃうと困るから予想数ちょっと少なめに作っておくけど、越えた分はさっと作るので忙しい。どうしても朝と近いものになっちゃう。注文ならピッタリだから無駄が出なくて助かるしね。


 メニューが良かったのかも知れないし、配達がお姉さん達だって思ったんだろうなあ。ふふふ。今日は人魚さん達で、男の人は女の人魚さん、女の人には男の人魚さんがお届けする。一人ずつお渡しっていう特別感たっぷり。ずっとやりたかったお揃いの服と帽子。カッコイイ! 河でさぼってる、おじさん達のは僕がお届けするね。

 今日のメニューは、お祭りでも人気だった小麦粉ベースの生地にたっぷりのチーズにトマトソースを乗せたもの、さらに乗せるものの希望を書いてもらった。特に人気の組み合わせには名前があるので、名前を言うだけでOK。今日のはハンドトスはしない生地の厚いふわふわなもの。焼きたてに冷たい飲み物、オマケに今日の新メニューおやつを付けたのを木箱に入れてお届け。出来立てするために車で、僕が設定してゴ〜。帰りの設定をするときに思いついたことがあって、帰りは歩き。

 いってらっしゃ〜い。


 歩かせるのは意地悪じゃ無いの。歩くの慣れてないって人が結構いるので、確かめながら歩くように言ってある。何故なぜって、車のため。この前の大量の不合格者は、歩くことってどういうことって言われると分からないってことだった。じゃあ歩くのに意識し始めた人なら大丈夫じゃないかってことなの。また実験してる、相変わらずだなあ僕って。

 お姉さん達は、お仕事クジを計画してそうだったので、ちょっと待っててしてる。湖の中が気になるし、船とか海とか、漁とか気になるのって言ったら、良いわぁだって。お魚おいしいよねえ。


 帰って来た人から、車の試乗で広場をぐるっと回ってもらう。速度は2U指定。子供はお隣か後ろに乗ってもらう。見えるところなら、危ないことしても僕が操作を上書きするから大丈夫。で、結果としては全員が危なげも無くOK。歩きを意識してやったのが良かったってことが分かったから意識させれば良い。どうやるかは、べ〜姉にお願いしておこう。


 お昼は、お届けのと同じだけど大きく焼いて切ったものを選んでもらう方法にした。1枚ずつは面倒だったし、丸いと折って食べるから、なんか変だなあって。大きい一切れの方が食べやすいかなって。

 お祭りとその前は、薄いサクサク生地だったけど、今日のはフワフワでパンみたいなのにしたから僕は一切ひときれでお腹いっぱい。色々食べてみたかったけどムリだった。取りすぎないように気を付けてね。

 人魚さん達は、今まで食べ物に苦労してたようで、食べ過ぎるみたいだなあとか、警戒?してるとか、ずっと観察している。


 お茶を飲んで、一息ついたところで聞き取り開始。ひもじくしちゃったのが、ここら辺一帯の食べられる動物をくしたのが原因だろうから触れないようにしておこうっと。あとやっぱりいる王の人達にカタバミちゃんとアサガオちゃん。知りたいのは湖に何がいるかなの。

 まず、海老をいくつか書く。他の貝、海藻、カニ、小さい魚から大きいものまで、海にいるはずのアレコレ。湖の奥側3分の1は、海と塩分濃度が多分一緒。真ん中付近の湧き水で薄まって、その手前にアサリ、湖口付近にシジミが大量にいる。なら海老や海の魚や海藻とかがいるんじゃなかって思ったってこと。

 でね。ざんね〜んだった。いなかったよ、どれも。まあ海のものだしね。鮭くらいはいるかと思ったんだけどねえ。どっかに熱泉が出てるらしく、割と暖かいみたいだから、色んな養殖は出来るかなって思った。新鮮なの食べたいからね。


「住むおうちは水が近い方が良いかなあって、ヒレでいた方が落ち着くって人多そう。向こうの端っこで遠くになっちゃうけど、車に乗ればぴゅ〜だし大丈夫」

 僕らの住居だと、今ひとつな感じだったから、作りたかった水辺の家はどうかなって。布に書き書きしてこんな感じって見せる。


「漁師募集、あと船員に、加工する人」

 いきなり生活に無かったモノをってムリだろうから、水関係なら良いかなあと、僕の欲しいものをお願〜いなの。海までのお買い物隊。あの船なら2日。海で漁とかやりたければ出来るし。じゃないな捕まえて湖で育てたいの。

「漁は簡単なの。

 ちょっこっとやって一人で1000人分獲れちゃうくらいだったから」

 ノラちゃんを基準にしちゃダメって言われる。お姉さん達が出来るわぁって言うと、お姉さん達もダメって。おじさん達は全然獲れないからこれもダメだって。いや、おじさん達は湖で大物獲れなかっただけ、元々大物っていなかったみたいだよ。


 人魚さん達の事は、まだ聞かない。おじさん達にだって詳しくは聞いてないし。尻尾の人達、小鬼ちゃん達やエルフちゃんは助けなきゃだから聞いたの。助けたいか聞いただけ。お里のこととか生活とかは聞いてない。僕は本でだいたいは知ってるけど、実際はそれぞれだから、話したくなるのを待っている。明日、東にお買い物隊が出る。全員が目標なので馬車いっぱい、お金いっぱいで行く予定。そう言えば・・・


「北のお買い物隊、帰ってこないよ」

 ああって。みんな忘れてたね。東は交渉で時間が掛かったって。北も? 北の方がずっと近いんだけどねぇ。


 今すぐ決めてってことじゃないよって僕は言う。初めて見るものばかりだから、ぐるぐるお仕事してみれば良いよ。なので振り分けイベントは待ってね。たぶん選べる人達だって思うよ。

 ほとんどの人がずっと指図されて仕事をしてきたせい? で自分で仕事を選ばないし、執着も無いからフラフラするのが出てくるので、時々振り分けイベントをして定着の仕事を決めているの。情けない。


 じゃあって、それぞれ連れ去られていく。残った人は漁体験ってことで。

 すぐのところは船付き場なので、少し下流に行く。「どんな漁をしてたの」って聞くと、木槍突きか貝採りで、魚は湖口側だから僕達がいて魚も捕れなかったって事だよね。ゴメンなさい。

 ズルズルしてたこれね。アミ。・・・は知らないよねって、やってみせる。ぱあっと広がるとおおって言う。ぐぐって引っ張るとピチピチがいっぱい。今日は漁を見せるだけなので全部逃がしちゃう、またね。

「これはアミを投げるから投網とあみ。アミを仕掛けにしたり色々できるの。かごを据え付けたり、罠に追い込んだり、ビックリさせたり、お家ってごまかしたりって色々20種類くらいあるかな」

 この河は魚がいっぱいいるし、種類も多いよ。知らなかったって事は、ずっとあの湖だけで生活してたんだよね。でも、スーちゃんがいたの東の街だから、ここから出ていった人達で他の人達はもう・・だろう。もしかしたら、海の人魚さん達もここから? 湖より豊かなんだから戻らないよねえ。というのが僕の推測。たぶんお姉さん達も大体同じだよね。聞かないようにしてくれてる。聞いちゃうと責めてるようになるからねえ。

 あとねって、これは釣り竿なのっていって、石をひっくり返して、みつけた長いのを針に引っかけて、竿を振る。すぐピッとしてから、竿を立てると魚が捕れる。これも河に戻す。

「漁はこんな感じなの」

 簡単だよとか言わない。ぼくの簡単は他の人と良く違う。お姉さんが動物と魂の会話は簡単って言っても無理って思うのと、ちょっと一緒。いつか出来そうは今じゃ無いってこと。


 あとは船。ボートは車に乗れる人は誰でもできるから、もう乗れるよ。この船は速いので、遠い海まで行きなら、頑張れば1日で行けると思う。

「海の街でお買い物するのと、海の魚を獲る。

 あとね。人魚さんとかとか捕まっていたら逃がすのと奴隷だったら買ってくる」

 ここはそういう町なの。あと大事なのがね、おやつっていうと、ぽかんとする。

 先に戻ってるから、ちゃんと手を洗ってからねってぴゅ〜っと行く。


 今日のおやつはお届けのお昼に付けたアレ。もう出来てるから、あとは焼くだけ。20F焼いたら温度をちょっと下げてじっくり40F焼く。焼けたのを覚ましたあと、ジャムを塗り塗り。サクサクって切るとできあがり。

 お茶は、サッパリなハーブティーにしたよ。

 今日のは甘いイモのパイって人魚さん達のところに持っていく。おやつはたぶん毎日作るよって、お約束はできないから、多分にしとく。今日のは定番の可能性がある新メニュー。お姉さん達は、お昼前の試食でも食べてるのに、また食べてる。お弁当で食べた人もチラチラいるって人魚さん達が言ってた。

 このあとチェンジの予定だったけど、体験が終わってないということで、このまま。じゃあ夕ご飯は魚って、お姉さん達にお知らせしておく。焼く、煮る、揚げる、生のどれが良いって聞くと「全部」だって。いっぱい獲らないとだね。メニューは獲れた魚で考えることにするね。


 釣り竿をいっぱいと網に餌をガラガラって持っていく。さっき誰がいたとか僕には無理。船に来た人がさっきの人のはず。さっきの人数になったので出航する。初めてだと思うので、緩やかなところで泊める。

 餌の付け方や合わせとかコツみたいなものはこうねって、ポイポイと釣る。釣ったのはバケツにね。僕はちょっと離れたところで、竿を振って、糸の重さで遠くを狙う。餌は偽物なの、虫が飛んでいる動きで誤魔化す釣り方なの。カッコイイとか言われる。さっそく当たりがあって、大きなマスが獲れた。床のフタをパカッとあけて、ポイって入れる。僕がやってるのはタモに入れるとこまでで、あとは妖精さんがふよふよって運んでくれてる。重くて無理。いっぱい獲らなくちゃなので、次々と。声が上がったので、竿を引き上げて見にいく。横からアドバイスして無事1尾目のゲット。針を外して餌を付けるところまで見て、また戻る。何度か行ったり来たりして、全員が釣れた。僕はほぼ入れ食いで次々と。釣れた魚と数で、メニューを違う思考で組み立てたりしているところ。竿を変えて足りない魚を釣っていく。目標数になったので釣り上げた人から片付けていってもらう。

「早めに終わっちゃってゴメンなさい。料理しなきゃなの」

 帰る前に船を走らせてみるねって、速度を上げていく。30Uくらいになったところで、しっかりつかまってって声を掛ける。速度を落として船を傾けてから、ぐるんと回る。そうして、またグウーンって戻ってくる。

 着いたよって言って、みんなを見たらゴロゴロってしてる。寝るのは早いよ、後でね。


 箱いっぱいの魚がふよふよって着いてくる。可愛いって思う。いただきます、ありがとうって。

 調理室で待ってくれていたお姉さん達と手分けして魚をスパスパ下ろしていく。仕込みが終わったのを寒い部屋に置く。生で食べるのはきゅっと凍らせて、置いておく。


 今日はマスと野菜のを入れたメンでニンニクの香りが効いている。マスのバター蒸し、鮎の香草焼き、小魚のフリッターにマスのマリネに野菜のスープ。これは人魚さん達が仲間になったお祝い。あとお買い物隊の成功を願って。じゃあカンパ〜イ!


 ごろんとしていた人魚さん達は疲れて眠かったのではなく、眼を回していたって、ゴメンなさい。明日も人魚さん達のお仕事体験が続く。明日は気を付けよう。

 毎日、賑やか。明日も楽しい日でありますように。妖精さんにありがとうと、お願いをしたよ。

速いのとか結構平気だけど、体力的にボートレースはムリ。飛ばされちゃう。

船なら平気。クイックターンとかね。

デカいのでやんなっ! おじさん釣りしてたの? ゴメンナサイ。


船で最初2日って言ってたのに1日になってるよって、そうなの。スピード出せば大丈夫。

僕だったら、もっと速いと思う。のんびり川下りはしない。きっと流れ変えちゃうな。


またね。

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