061 人魚さんに町をご案内する。
あの汚かったこと趣味って思ってた。
だってキレイな水にドブンしても、こびり付いてるから取れない。
水辺に住んでるんだよ。わざとでしょ。健康法?
でも、汚いのヤなの。クサイのダメ。
きょうもありがと。
もっともっとの声で何回もヒレを出して仕舞ってをする、ス〜ちゃん。たった半日で、出し入れがスムーズ。道具を使えるからかもって思った。でも、そろそろおねむ。
「明日から仕事。解散!」
いつもはダラダラとするんだけど、思い切り休日を楽しんだせいか、すんなり帰って行く。僕は何かずっと忙しかった気がするよ。おやすみ、みんな。また明日ね。
食堂に住んでる子供達はお姉さん達と上がっていく。眠さでぐらぐらしてる子が多いから、手を繋いでいないと危ないからね。残った人魚さんたちはお片付けをする。タダは怖いというより落ち着かないだろう。普通の足になっていると、みんなと変わらない。とてもキレイだけど、ここの人達だって美しい人ばかりだから、ヒレが無いとケモ耳の分、ちょっと負けかもしれない。(僕基準)
僕のお片付けは早い。台車に乗せて持ってくるだけだし。調理場に入るとすぐキレイになっちゃうの。やっているのはもちろん妖精さん。ありがとうっていっぱいする。人魚さんはスゴイっていうけど、お姉さん達はズルいって言うよ。
明日の朝って思って、パン生地をコネコネして平らに伸ばしたのを沢山作っておいた。
じゃあって、2階に皆さんをご案内する。お姉さん達は待っていなかったよ。ベッドがいっぱい並んでて変なの、は思うだけ。「良い夢を。また明日」って、言って僕もお暇しながら、灯りを暗くする。
食堂を出て、家に行く。みんなの住居の灯りは消えていて街灯の灯りだけ。今夜はみんな素直だなあって楽しかったね、良い夢をって何かにお願いした。
いつもより遅くって、外がぼんやり明るくなる時間に起こしてもらった。今日は7月20日。月の日。
新しい始まりには新しいメニューって思って、そのままにしておいたパン生地。いい感じに乾いてるのを細かく切ってメンを伸ばす道具にドサドサ入れて伸ばしていく。これをボールに受けながらカラカラに乾燥させて、いくつも作る。
これをガラガラと持っていって並べてね。木の実とか干しぶどうとかフルーツの乾燥させたものに砂糖、牛乳を用意する。後は来るまで、ターンオーバーの卵と腸詰めを焼きながら待っているところ。
お日様がオハヨウする時間に第一陣の畑の人達が現れる。5時ちょっと
「器にこのカサカサを入れて、木の実のを掬って入れて、砂糖をささ〜ってして、牛乳をドバって掛けてね。あと卵と腸詰め、野菜付き。ソースはお好みで」
今日のは楽ちんなので、ちゃんと何回も言う。新メニューだしね。反応みたいから・・・
「お腹に優しいのにしたの。新メニュー」
栄養十分だし、好評なら手抜き朝食でいけるかなって。今日のお弁当は、場所と名前書いてもらって、お届けするの。こういうのもどうかなって。朝、お弁当作るの面倒だからじゃないからね。
そうして、早朝の人達がいなくなって、しばらくするとどっと来る時間に備えていっぱい補充しておく。
この時間にって、ぼくもごはん。「サクサクおもしろ〜い。ぐじゅぐじゅもいい。甘〜い」うん、大丈夫って思ってたけど、食感や味は食べてみないとハッキリ分かんないとこだよね。サクサク食べながら、他の材料を変えたのを想像してみる。あの使ってないのとか、あれもって。
すっかり明るくなって、ゾロゾロとやってくる。「おはよう」また、いつもより丁寧にメニューを説明していく。「これはね」「さらさらってね」「ジャ〜って」初日だしね。がんばってって気持ちもある。やっぱり誰だかよく分かんないけど。
「ごめんね〜。寝坊しちゃってね。まあ今日もまた違うんだねぇ」
「うんそう。今日は新メニュー。これなら朝ラクかなって思って、砂糖掛けすぎないでね。1回だけ」
まあ、おかしみたいねぇ。いっぱいって下の方から声。
しばらくして、うめ〜って言ってる。あっという間に食べ終わって、ぴゅ〜って行っちゃった。
わいわいと話してるのを聞いていると良い感じみたい。良かった。
お姉さん達が、子供達と降りてくる。
「今日も新メニュー。始まりの日だからね。新しい食材にって思って」
ちゃんと説明する。お姉さん達はへ〜とか、ふぅ〜んとか言ってる。掛けるの多かったり少なかったりするから、混ぜちゃったのでも良いかなって思った。もっと楽ラクだし。
なんか子供集団がわ〜っと来た。おかしみたいなのとか言ってる。そのあと大人もゾロゾロ。「お客連れて来てやったぜ」なんて言ってる。あ〜美味しかったってこと? 手抜き〜とか言って、はたかれてるよ。
その後、人魚さん一行が来たり、次々と。時間になってお片付けをする。
じゃあって、待っててもらってた人魚さん達をお姉さん達と町のご案内ツアーへ、しゅっぱ〜つ。いっぱいの時は、一人じゃ無理だって。歩いてる時だって話したいことや聞きたいことってあるって思ったの。
最初にって、裏からトリさん達にこんにちはする。広々に色んな種類のトリさん。ビックリしても言うのは雑な柵のことで誰でも同じように聞く。僕も不思議って思うし。
次は食材棟へ。1階はスカスカなんだけど種類は多いよ。作ってるのを見るのは楽しそうだった。
反対に歩いて商材棟へ。「全部売り物」って量に驚いたり、キビキビしてる、べ〜姉たちにほえ〜って、でっかいゲームとかにうわってしたり、ちまちま作ってるムキムキに驚いたり、ダンスの練習にほわ〜っとしたりしてた。
学校は、読み書き計算は最低限。まだ出来ない人は居るけどね。専門的な事を勉強する。道具を使うためが第一だけど、知ってやった方が楽しいよって言う。道具ハテナってしてるので、見てもらった方が早いって思って、停まってる車と足りないので集合してもらう。ここからは車で。足りないって思って学校でぼんやりしてるのを引っ張ってくる。遊びすぎてマイナスの人達、これはセッタイっていう仕事なの。
まず、お風呂前で停車。詳しく言いたいけど、昨夜は入ってるはずだし簡単に言って、次。
住居をぐるっと回って丘へ。工場が稼働しているから採石の建物には誰もいないはずなのでパス。
丘で下車。湯畑をぐるっと歩く。うん、とても幻想的。戻ってきて、はじっこまでいくと丘っぽい山がずっとあって「全部鉱山で、あの建物で鉄を作ってるところ」目立たないように掘り下げて建てた、でっかい建物。高純度の鉄が出来るんだけど、扱い手の問題でちょっと良いだけの粗鋼を作ってるかな。
じゃあ次って、車に乗り込んで蔵へ。ぐるっと回って「作ってるのはお酒とか」っていうとギラッとする。みんな好きだねえお酒。大きな橋を渡って、管理棟前で下車。
じゃあ、気になってただろう建物へ。入るのには身体を洗わないとダメなの、ごめんね。今の時期だとあんまり変わらない感じ。ワサワサと実がなっていたりする。収穫出来るのがいっぱい。成長早いなあ、建物の方。じゃああれも。収穫関係無いって言われてた木にも花が咲いて別世界感がスゴイある。
パキッと折って人魚さんにしゃがんでもらって頭にさす。うん似合うね。次いでって言って髪を編み編み。ステキって思った。んだけど、私もって並ばれちゃって、全員に編み込みさせられた。男の人まで。似合うから良いんだけど。笑ってるお姉さん達の方が上手いでしょ〜。
自慢したかった畑は興味なさそうなのでパスして、工場〜はまだ稼働していないので、これもパス。で、お城に到着。車だと早いね。夏だし、花が凄く元気。アーケードで下車。見かけでおおっと。入って牛さんが居て違う、おおっと。搾乳体験をしてもらって。小動物館へ。ふれあい体験でほのぼのする。さあ休憩って戻ろうとすると「あのお屋敷は」って聞くので、堵殺館なの。殺ってみる?って聞くと、すごくフリフリする。
アーケードまで戻ってきて、カフェに入る。スッと小鬼ちゃんがみんなにメニューを渡してくれる。
えっすごい。僕がやると、せいぜい2択だよ。お姉さん達はしっかりパンケーキも注文して「食べなきゃ損」とか言って勧めてる。小鬼ちゃん、数が多くてアワアワしてるので、僕もお手伝いする。
小鬼ちゃんにお茶をお願いして、僕はパンケーキを作る。調整したタネはもうあるので、さっき採ってきたバニラを妖精さんにお願いして、発酵・乾燥を何度もやってもらうと良い香りがしてくるので、エキスを抽出。小瓶に入れてもらった。それを1滴入れてコネコネ。鉄板にぺぺぺっとおく。クリームにもエキスをちょっと入れる。ひっくり返して、焼いてを繰り返す。お皿にぽいぽいっておいて注文のトッピングをしていく。大人の人にはお酒をちょっと入れたソースを添える。
小鬼ちゃんに運んでもらって、ぼくも運ぶ。もちろん1皿多い。運んでいる間にお茶も用意しとく。運び終わった小鬼ちゃんも呼んで、どうぞする。
「「「「甘い匂いする。美味しい」」」」
さすがお姉さん達、すぐ気がつく。
「さっき採ってきたものをエキスにして入れてあるの。お菓子には匂いも大事だからね」
これって小瓶を見せる。小鬼ちゃんが僕の手をくんくん嗅いでいるけど、恥ずかしいよ。
美味しく食べて、お茶をお代わりしたところ・・・
「あの、ムリヤリ連れてきてゴメンなさい。
食べ物に困ってるようだったので保護したの。
帰ってもらっても良いし、一緒に住んでもらっても良い。
でも、ここに住む人はお仕事しないとダメ。それだけ。どうかなあ」
僕は可愛く訊く。
「こちらから、お願いしたい。ぜひ住まわせて欲しい」「わたしも」「俺も」
小さい子にこしょこしょ話してる。「はい」って言ってくれる。
つんつんされるので、小鬼ちゃんを見るとズルイって笑顔で言われる。
じゃあねってペンダントを渡す。みんなに渡し終わって、昨日のお仕事料をチャージ。
「昨日、浜のお仕事のお金を今入れたの。こんな感じになる。細かい事は後でね」
で、さっそくお昼の配達をお願いしたいっていうと、お姉さん達がズル〜イって言う。
うわあ聞こえてたの? お仕事なんだよって。何か顔が熱いよお。
どうしても仲間になって欲しかったから頑張っただけなの。
セッタイってそういうものだよね・・・・
また見てね。




