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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
8章 楽しい夏休み。
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060 暦はじめ。

豪勢にって言われたので、コース料理にしてみたんだけど、下はちゃんと1つずつが出来ていない気がする。

誰かが2つ取ると、メチャメチャ。夕食代いつもの値段なんだけど、二つ目は正規料金。

無くなっちゃったは2つありにしているけどね。


楽しんでねぇ。

 花火がドドド〜ンってして、空中そらじゅうキラキラ。キレイだな、花火って良いな。下や周りはうお〜とかキャ〜って大騒ぎしてる。あれって思った。そう言えば夏休みの最後の二日間って、身体を休める、だらだらするって予定だったよ。じゃあって食器をお片付けをしているときにみんなに「明日」って言って回わった。夏休みの後からこよみを使い始めるって、決まっていたけどお休み始めだけが決まってなかった。それが明日ってこと。


「夏休み楽しかった」「いっぱい遊んだ」「美味しかった」「明日何しよう」とか言いながら、降りていく。ゆっくり休んでね。明日から食堂やってるよ。あと浜とお城もやってるからねって、ついでな感じに言っているんだけど、楽しいことは、もれなく伝わるので大丈夫。お片付けは明日、船便は今日と同じ。


 がら〜んとした食堂は、ちょっと懐かしさを感じちゃうよ。僕の家が出来るまではここのはじっこに寝ていたなあって。明日から始まる暦の前に立って、上の白いところに優勝したみんなが並んだところを思い出して転写してから、18のところまで数字に斜め線を入れる。明日が7月19日でお日様の日でお休み。おとなりがつきの日で、の日、みずの日、の日、きんの日と続く。暦を作ったときにお休みを6日ごと入れるというのは良いって言われてるから、いつからを決めたのがさっき。めくると赤い日が右にずれている。いつも同じだとつまらないしね。キレイに5列になっている下になん日分の枠があって、ズレたときに足す。調べてあるから、いつ足すかも分かっていて、その時は31を入れる。売る暦には謎の枠は入らないから大丈夫。半年の暦は半値にしとくよ。

「ステキねぇ」「楽しかったわねぇ」「おいしかったわぁ」「アリガトねぇ」と次々に声がして。うわっと驚く。ちゃんと周りを探ってないと食われるわよぉって、言い方が怖いよっ。

 おやすみぃってお姉さん達は階段を上がっていく。僕もうちに帰る。よく「一人で寂しくない?」って言われるけど、この家は妖精さんだらけ。寝るときは、真似して寝たふりをしてくれる。今日も楽しかった、ありがとうって思いながら眠った。



 つんつんって妖精さんが今日も起こしてくれる。毎日ありがとう。起きる時間はいつもより遅く外が明るくなってくる時間。昨日は魚獲ったり野菜採ったり、料理の準備してたから寝てなかったなあ。パン焼かなくちゃ。昨日の朝と同じくるっと巻く、丸いパン。おかずは卵に野菜たっぷり。トマトのソースを付けてどうぞ。スープも卵。今朝のテーマは卵。たぶん、おつかれお母さんだから、こども達が来ると思って卵メニュー。食べ終わってから、野菜いっぱい食べたことを教えて悔しがらせてあげる。野菜スキーへはもうすぐかな。

 日が昇って、遊び足りない元気なのがゾロゾロ入ってくる。もう水着だし。声がかれ気味なのは、ちょっと面白いね。時計機能で待ち合わせに遅れなくなったじゃなくて、お祭りで目覚まし時計買った人がみんなを起こしたらしい、僕といっしょ。「船の時間が」って慌ただしく食べて行っちゃった。25Fごとだから(あわ)てなくてもと思うんだけど。

 それから予想通り子供の集団が来て、お母さん達に卵の料理とだけ言う。美味しそうに食べた後、こしょこしょって言われて「だましたなぁ」って叫んでる。いや美味しかったなら良いでしょ。


 実は気になってる事があって、お姉さん達が起きてくるの待ってるの。その中の水棲種、ス〜ちゃんって呼ばれてる子。やっぱり名前は覚えてない。保護者がいない子は食堂の上で一緒に住んでいて、少し前まではアサガオちゃん、カタバミちゃんもここだった。ちょっと大きい子は友達同士で。あの国からだし、たくましい。でもね料理はしないのほとんど。大人も。とりあえず食事って出していたんだけど、ずっとになっちゃってそのまま。色んな料理を味わって興味が出た子も少しずつ増えているんだけど、お姉さん達にばっかりで誰も僕に教わりたいって人は居ないんだよね。

「作れんの?」って言う人が多いから目の前で作ったのにねえ。夏休みの最終日、つまり昨日はどーっと来るから、一度に言ってもらって、ハイハイって渡してたら「注文したヤツだ」とか言うのが多くて、暑さでおかしくなったのかと思って冷たい水も渡したよ。10人同時くらいじゃ間違わないでしょ。

 今朝のパンとか、ずっと料理教室用にって作らないでおいたのになあ。とか考えながら、はしっこで、コソコソ食べているところ。今日の浜の食堂は、そんなに多くないと思うので、注文を受ける方法をやってみようかな。載せて焼くだけだしね。あれとこれとってメニューを考えてる。

 補充を何回かしてるとお姉さん達が降りて来た。一緒にこども達が何人か。いつもはこども用のをいくつか用意してあるんだけど、今日のは同じの。特別っていうが好きなんだけど、そればっかりじゃなくて大人と全く同じって事もしないとダメらしくて、まあ様子を僕が読み取れるはずはないので、3回ごとってしてる。いや、それは今は良くて。


 食べ終わったのを見計らって、賄賂というか甘いのが入った小さなパンを籠に入れて、お邪魔する。

「あのね。昨日の夜にご飯食べたところで、声が聞こえるって言ってたよね」

 ス〜ちゃんに聞く。驚く、お姉さん達なんだけど、しっかりパンは確保してる。

「うん」

「どんな声だったぁ」

「楽しそうとか美味しそうって」

 見合わせる、お姉さん達と僕。「やったあ」って思わず声を上げちゃったよ。

 つまり、あの湖には水棲種が何人かいて、この間から食事を見ていた。ずっと水の中じゃ食べてるのは見えないし童話みたいに湖の底に町とか作れない。どの研究書でも「人間と変わらない」って結論だった、水にまうことはできない。声が聞こえた所辺りに集落があるんだろう。

「この子と波長が合うって事は、同属かもしれないね」


 さっさと食堂を閉店にして、ウキウキと湖に行くことになった。浜用の食材はもう積み込んであるんだけど、さらに食材を積み込んでしゅっぱ〜つ。面白そうに気がついたのはカタバミちゃんとアサガオちゃんだけだった。そのまま湖の奥、昨日食事した辺りに向かう。この子とお姉さん達がいれば、すぐ見つけられるはず。

 ス〜ちゃんが何か聞こえたみたいで、あっちっていう方に船を静かに移動する。着岸して、カタバミちゃんがス〜ちゃんとゴニョゴニョ話して、スッと指す。タッと飛び出すお姉さん達とアサガオちゃん。えっ参加するの?

 それからしばらく3人で待っていると、お姉さんがフッと現れて「見つけたわぁ」って、続いて大きな魚を持ち挙げたアサガオちゃんがやってきて「サカナ捕まえた」だって。魚って・・・顔あるじゃない。え、人魚? 海じゃないよ、ここ。あとお胸隠してねって、お姉さんのために持っていた大きなタオルを1枚渡す。


 お姉さん達が獲り漏らしをすることは無いので、これで全員。小っさいのを入れて40人くらい。予想よりもかなり少ない。で、やっぱり上半身だけ見ると僕らと変わらない形態の、人。シャツ着たら分からないと思う。あ〜分かっちゃった。ス〜ちゃんに似ている子いるし。僕が気付くって事は当然お姉さん達に二人も分かってる。それに、ミコが関係してるよね。う〜ん。

 どうしよっかってお姉さん達を見ると、一人が指差すので浜に行くことにした。お姉さん達に捕まると大人しくなるというか警戒心が行方不明している感じになる。大量捕獲から出来るようになったみたい。頭の中で鐘が鳴ったって言ってたし。すぐに試してもらったけど勇者には効かなかったな。ウチのじゃなかったしね。

 何より先にって思ったのが洗うこと。だって汚くって生臭いんだもの、痛んだお魚の匂い。お風呂行くか、ここで洗うかで近い方になったってこと。

 浜に近づくと、レースで忙しかったはずのぐ〜ちゃんやき〜ちゃん、カード王まで寄ってくる。何々って。大きなサカナ見つけたって、カタバミちゃんが人魚さんを持ち上げる。ウッて顔をすると「集合!」って手を上げたり、カードを掲げて「召喚!」とか「来て!」て手を叩いたりすると、わ〜っと弟子達が集まってくる。何それ格好イイ。アサガオちゃんまでやろうとしたので、それはめておいた。洗う人と服を選ぶ人にって言い合って分かれていく。僕、何も言ってないんだけど、さすがだなあって思った。

 おなか減ってると思って、朝食の残りを温め直してパンを籠に分けて入れる。しばらく待っていると、モツをかぶったみたいだったのが、白くてキラキラした人に変わった。じゃあどうぞって食べてもらった。お腹の音すごかったしね。

 聞くと最初に捕まったのが、村の代表っぽい。最初からヒドい目に遭ってるけど、実験台になってもらおうかなと。エルフちゃんの修復でやり方は分かってるし、ずっと研究してきた。まずスカートを穿いてもらう。

 ちょっと待っててって、(僕にだけ)見えている足の修復。足ひれってカバーみたい、じゃあカバーを足に収納、という虚像化〜。ん出来た。

「じゃあ、足ひれはカバー。それを足に収めるってイメージしてみて」

 わかんないって言うので、人魚さんの像を造って「足ひれはカバー」って言うと、シュシュって足に収納される。こんな感じだよ。イメージね。

「んむむ〜」って手を組んで、祈るポーズをするとヒレが消えて足に変わる。ガクってバランスが崩れるけど、両方から支えられる。

 やった〜って言うのは周り、あれ?


 キラキラって見てくるんだけど、これからお昼だから後でね。って言ったら、べ〜姉チームは人型の人にこしょこしょ言って何人かにいらっしゃいませの練習させてるし、カード王たちはメンズ人魚に、ぐ〜ちゃんズは女の子人魚にポーズの指導をしてる。

 僕はチラチラ見ながらお昼の準備をする。今日は二人一組で1メニュー。僕が甘味系でなんと6つも選べる。食堂だしね。メニューがいつも1つか2つって言うの良く無いかなあって思っていたので、お試ししてみる。

 入ってくる人達がぎょっとする、人魚だからね。お手々を振ってお出迎え、あんど、引き締まった系のカッコイイ美人さん達がそろい踏み。注文取るのも初めてやる。とっても食堂っぽい。全員本物の人魚だよ。

 べ〜姉が「注文すると、人魚とお話できます」と言い出して忙しくなる。その注文聞いてる人も人魚なんだよ。ネタで作った貝殻っぽいのを付けた水着、エッチっぽいって不人気だったんだけど、人魚さんはとってもお似合い。歌を歌い出すと、ふらふら〜ってしてる人が多くて、あっちこっちで衝突事故。人魚が船を座礁させるってこれかあ。そんなに無理して食べなくても、これからいくらでも話ができるのにって思う。

 お昼が落ち着いて、全員の修復をすると、ヒレの人は足。足の人はヒレでいる。とても嬉しそう。

「今は何も聞かない。町は迎え入れるよ。仕事できるって証明してもらったしね」

 ちゃんと食べていなかったし、種族的にも良かったみたいだから、これでいい。ちなみにス〜ちゃんもヒレが出せるようになって、同じくらいの子達と湖で遊んでいる。


「まあた、拾ってくるんだから」

 べ〜姉にツンツンされる。反対側からはき〜ちゃん。向かいのぐ〜ちゃんは分かってるみたいな顔をしてる。

「仲間になってくれるかな」

 っていうと、にっこりしてくれる、みんなが嬉しかった。


 やっぱり、夜は宴会になる。とってもくやしがってる、ゆ〜姉と銀のために、お立ち台を用意して、ス〜ちゃんがヒレに変身! こども達がうお〜うお〜って(はや)し立てる。今日は食堂の上に泊まって色々は明日。

 楽しい夏休みだったなって、これからもずっと楽しいよって思ったよ。

陸の人達にとって、ある意味伝説の種族。

そりゃ想像が高まって、事実から遠い話ができるもの。

いっぱい話して心の壁を取り払ってね。


お話は、火曜と木曜日の22時にアップをがんばりまあす。またね。


「悪のマ王がやって来る」も、こちらは金曜日というか、これから書くね。

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