057 みんなで夏を楽しもう。その3
花火ってキレイ。視界いっぱいになるように出来るだけ近くで。
音もド〜ン。空気が揺れる。
今日も花火しよっと。
ありがと〜。
昨日は船遊びとか花火で楽しかった。ぜんぜんのんびりしていないなあと思う、夏休み4日目。お姉さん達は作る場所が色々あるのは面倒ということで今日明日は食堂を閉めて、湖だけにしちゃったから朝からゾロゾロと湖へ来る。ちゃんと働いていた人は車に乗るから、格差感がすごい。
仕事のへのモチベーションになるかな。子供ちゃん達は朝は来ないから、おうちで作ってくれるんだろうということもあって、子供向けは作らないけど朝食はどこも似たようなもの。
「いらっしゃ〜い」
にっこりお出迎えする。今日は東の街風の前合わせ服、麻で涼しいんだよ。僕が服を変えるのは珍しいから見てお店に行ってくれるかなって。お姉さん達も一緒。とっても似合っててステキでしょ。
今日の朝食はメンに昨日の揚げた魚や野菜ノセにゆで卵も乗せちゃう豪華版。遊び疲れた頃かなって、栄養補給してもらおうと思ってというのと、魚から船に興味を持ってくれるかなの期待。海の魚食べたい。
そうそう、おじさん達が大きな魚釣るって言うから料理法考えていたのに釣れなかった。今日こそって言ってたけど、期待はちょっとだけにしとくね。
き〜ちゃんは、朝スプラッシュしてからくる。スピード大好きな二人は昨日の船遊びで気がついたかな。一見、船には見えないからどうだろう。おや、珍しく二人に銀までいて、ごはんしながら何かの相談らしい。
おかずの補充に引っ込んで、出てくるとべ〜姉にゆ〜姉まで増えている。また引っ込んで、メンを茹でて出てくると、カタバミちゃんとアサガオちゃんにお姉さん達まで。
ちょいちょいって呼ばれて、この布に湖の地図を書いてって言われるので、ぱっと妖精さんにお願いして転写する。1回しか見てないんだけどちゃんと覚えてて良かった。
そう言えば、牧場の横の川って、この湖から出てる川だったなあって思い出す。川用に作ってるから、よっぽど重くなければ、底を擦らないはずだけど、川の凹凸は調整しないといけないかなあ。真ん中が擦るのは困る。あの船の真ん中が大きな生け簀になってるのとか、気がつかないよね〜。
しばらく、ぽや〜んとして時間が来たので、お片付けする。終わりに近づくと注文受けてから作るから、無駄は出ない。それでもちょっとくらいは残るので、湖に蒔いて魚のご飯にしてもらうの。まあ。パン粉くらいだし良いよね。そのまま、テクテク歩くと川になるところに着く。ちょっと向こうにお城が見える。ここから見るお城はハリボテ感がある。後ろがつるんってしてるし、お城に厚み無いから仕方ないんだけど。
そう言えば、昨日の帰るときに林の中で小さな光をみた、ぽつぽつって感じで何かなって思ってたんだけど、ふと見ると沼がある。近づいて見るとあの虫がいっぱい。ふむふむ良いねって。川沿いに浅く掘って、細い溝を作ると水脈まで穴を通す。溝の手前は深くする。川は塩風味だから川に入ると多分死んじゃうから行かないでねを繰り返す。池の底をざくざくっとすくって、それぞれの凹みに入れていく。
川側の木を間引いておく。これは食べられる貝だから、寄生虫いるとやだなって思っていっぱい見たけど、どれにもいないから大丈夫かな。知ってる食べ物があったら取りあえず食べると思うからねっていうのは僕くらいか。今年はこの沼だけだけど、来年はいっぱいになるはず、楽しみ。
湖からの流量は多いけど穏やかだから中洲がいっぱい。蛇行も運行しにくい。そこをごりごり削って真っ直ぐに整えていく、見た目とっても不自然な川。それを大きな河までゴリゴリとやる。そこで一休み。河で魚が跳ねている。
おじさん達もムリしないで河で釣れば良いのにって思う。調査してもまだ見ないし、湖には大きな魚はいない気がするんだよね。
この町はガンバリ過ぎが多い。(頑張った方が良いよっていうのもいるけどね)お休みの始めの方は、休む(遊ぶ)のに頑張りすぎてクタクタになってた。ひゃっほうばっかりじゃ疲れちゃうよ。休みに慣れてくると、ほどほどが分かってのんびり出来るかなって思う。まとめても良いけど時々も入れた方が良さそう。暦が1列6日だから、最後の方で調整するのも良いかなって、みんなに聞いてみよう。せっかく作ったんだしね。もっと使ってもらえる方法を考えなきゃ。
ぽてぽてと浜に戻ってくると何か賑やか。あれれ。
「いた〜!」って言われて、こっちこっちって船着き場に引っ張られてく。
「これこれ、使い方!」やっぱり気がついてた。いっぱいあるし気がつかない方が可笑しいけど、使い方まで分かってる感じ。精霊石道具は、動作を理解しないと使えないから一度は聞かないと使えないからね。
「こう乗って、ぎゅっと回しただけ後ろから水流が出て、ボタンを押して逆に回すと逆噴射するの。動力の仕組みは道具に通ってる水が後ろに移動するだけだから、車より簡単」
「わかった〜」
じゃあ、テストねって言うと、ハイハイって二人が手を上げる、だと思った。
「いくらでも速くできるけど、まずは4勇車リミットにしたからやってみて。
最初はゆっくりと蛇行して曲がり方を覚えてから、スピード出してね」
うんうん。って聞いてパッと乗る二人。あの服の下は水着だから大丈夫かな。ふよんふよんと蛇行乗り。上手いなあ。最初から出来るとは。僕が手で大きい丸を作ると二人はグッと後ろに体重を入れて、大きな水しぶきを上げながら、あっという間に遠くまで行っちゃった。しばらく遠くでグルグル回ったり、真っ直ぐ走らせてから、戻ってくる。
「「すっごく面白かった。もっとスピード出せるようにして」」というので、大丈夫かなあと思いつつ、6勇車まで上げてみる。僕じゃ当然ムリなんだけど、頭の中では15までは問題無かった。道具がだけど。
いくつまでスピードを上げたとか、距離とか色々表示されるから、どこまで出したか分かる。まあ、見てなくても、道具の記録を見れば分かるよ。スピードテストで気絶する人多いからね。意識が飛ぶと止まる。車のテストのフォローは僕がしてた。それで気絶したり寝ちゃったときにどうしようって考えた。運転と寝ちゃう時との差を見つけるのは、ちょっと苦労したかな。
「あ〜負けちゃった」
ぐ〜ちゃん達が帰って来た。
「いっぱいまで出したんだけど、曲がるときに遅れちゃったよ」
二人ともとても満足そうだ。
「リミット設定は3で良いかな、ねっ」
「ん、そのくらいで十分」
「今日は練習日にして、あしたレース!」
ええっ、なんのこと?
ハテナでいっぱいな僕に。水上レースやるって、朝にみんなで話して、いきなりは難しいから練習してやろうってなったよって、説明してくれる。
「船を好きになって欲しいって思ってるでしょ」
やっぱり、ぐ〜ちゃんにはお見通しらしい。
それから、道具のリミットを3勇車に設定して開放した。ぐ〜ちゃんとき〜ちゃんが弟子〜ズに説明して、試してから拡散ていうことらしい。蛇行の時にどばんどばん落ちる。普通はこうなる。イキナリできる方が変だと思う。
「よく分からない人は砂の上で走って曲がると分かるよ」ってアドバイス。ぐっと必要量を沈めないと飛ばされたり手前に落ちるの。さすがに称号持ちは何度かやると出来て、沖に走って行く。
僕はスピードものはダメだなあって思いながら、昼の用意って浜の食堂に行くと、横断幕で「ボートレース開催! 参加者募集中!」ってデカデカと。すごいねえって、中に入るとレース受付があった。小さな飾りや花が賑やか。地図がデカデカとあって、いろいろな競技があるみたい。二人乗りやジャンプ有りのコースも作るらしい、本格的だなあ。
・・・ってコースマークにジャンプ台もだよね。コースマークはサンカクで浮かぶ素材にして、自動で位置補正。ぽこぽこっと作って、いつも持ってる精霊石をカチって付ける。はい、指定の位置へ行ってらっしゃい。ジャンプ台は偶数周に先頭が半分になったときに上がるようにセンサーマーカーを送って、ジャンプ台のカーブをシミュレーションして、作成。水の中に沈めておく。
「いらっしゃ〜い、レース参加するぅ?」
「すごいねえ。ぼくはサポートかなあ。速いのはムリ」
「これねぇ。がんばるわぁ。楽しみにしてるぅ」
お姉さんが指差したのは、優勝賞品のところ「船の上で花火を見ながら豪華なディナー」って、これ僕が作ることになってるけどって言うと「サポートでしょう」ってにっこり。
今日のお昼は、またメンを出した。何か浜だとメンって感じなの。今日のは、豚の骨とか野菜の芯部分とか、野菜丸ごとに貝も入れて昨日からコトコト煮ていたスープで油浮いてる系のこってり。メンは負けないように、コシありの小麦粉(パンを作ってるヤツ)に湖の奥で取ってきた、塩分の入ってる水でコネコネする。コネコネは大変なので道具にやってもらう。できたのを道具で細く切って、一人分ずつの山を作る。
終わったら、野菜を茹でたり、肉のおっきいのを紐で縛って表面を焼いて、ぐつぐつ煮込んだり、半ゆで卵を作って、肉を煮込んだ汁に浸けておく。あとタレ作り。
一通り出来たので、ガラガラと持っていくとお姉さん達がみんな戻ってきたので味の仕上げをお願いするために試食というか普通に作る。器にタレをちょっと入れて、スープを入れる。メンを茹でて、しっかりと湯切り。メンを入れて軽く広げてトッピングを入れる。半ゆで卵は一個。肉を薄く切ったのは3枚。お好みでニンニクの擦ったのや胡椒をどうぞ。
新メニューだよ。はいどうぞ。僕用に小さいのを作って、ご一緒する。
「「「美味し〜い」」」「クセになりそうな味ねぇ」
「東の方でよく食べられているメンなの。浜っぽいかなぁって。
あの人達には懐かしい味かなあ」
新メニューだし、1200食作ったから、大丈夫だと思うんだけど。スープは足りないから、お代わりはメンだけにしてもらう。お代わりする人はあんまり飲まないようにね。
何か泣いてる人がいるって、尻尾の人だ。懐かしい味になってて良かった。スープの継ぎ足ししないから、お代わりするんなら、あんまり飲んじゃダメだって。
「食べて午後もガンバロ〜!」って向こうの方が騒がしい。コクコク頷いているのは、昨日水で尻込みしてた人達らしくて、にっこりするお姉さん達を見ると参加申込をする。こども達も大人とペアで参加するみたい。30台もって思ってたけど、足りないかなあ。お昼終わったら追加しておこう。
お昼のメンは大好評で、あんなにいっぱい作ったのに売り切れになるとは思わなかった。東の人たちには、とっても感謝された。魂の料理と言い切る大好きな人もいっぱい。今の収穫が出来れば、いくつか再現できると思うから待っててね。お片付けをして船着き場に行ったら大盛況だった。20台追加して、ジャマになってる船を川側へ移動しておく。レースの参加は延べ300人を越えていて全員参加ぽい感じで盛り上がってる。
じゃあ、僕はサポートだしって、商材棟までぴゅーって行って服をチクチク縫って精霊石をペタッと付けて、うむってする。た〜っと戻ってきたら「勝負よ」って言う、たぶん巫女ちゃんに「これ着て」って、バサッとかぶせる。「とっても似合うね」って言うと。「あ、当たり前じゃない」という巫女ちゃんを引っ張って、船着き場の先にいく。「さあ飛び込んで」「えっえっ」って言ってるのをドーンと突き飛ばして水に入れる。ちょっと沈んでから、すぐにプカプカ浮かぶ。「ありがと〜」ってぴゅ〜って。
プカプカしていたら、シューって音がして岸までいけた。「可愛い」や「似合ってる」って何人にも言われて、誰に怒って良いのか分からなくなって、まあいいやにした。
夕食は、全員が湖上大丈夫になったので、遊覧へゴ〜。昨日ちょっと早いって声があったので、ゆっくりと。湖は場所によって雰囲気が変わるから、今日は森の深い奥の方で停泊。
メニューは、肉の盛り合わせ、イモのバターのせ、豆のスープ。エールもあるって、お姉さん達が言う。今日はいっぱい運動したので栄養補給な感じにした。こども達も大人と一緒に遊べて楽しかったと思う。で、今夜の花火は魅せる系、小さいのがいっぱいに大きな花を添えるっていう高低差を付けたもの。べ〜姉のデザイン。最後は空一面キラキラで、水面に反射するから囲まれたみたいに感じる。思わずため息が出ちゃう。
帰りは浜を通り過ぎて、みんなアレレって思ってる。そのまま川に入って、しばらく行くとふわわって光が飛んでいるのが見える。まだ数が少ないけど来年はいっぱいになるからね。左にお城が見えて、河に入ってしばらく行って、橋をくぐると建物のすぐ横に着く。暗い道は楽しいけど、心細いよねって思って送ることにしたの。
「朝はここから、半時間ごとに出るからね」
これは最初にやってみたかった使い方。ようやくできて良かった。お風呂に入って、ぐっすり寝てね。またあした。
新しい遊びを見つけて、いきなりレース?
なんでも全力って、すごい。
僕もね。みんなのごはん頑張るよ。だいじょぶって言えないけど。
えっと次は、木曜日の22時にアップ。
また見てね。
「悪のマ王がやって来る」もどうぞ。こちらは金曜日、これから書くね。




