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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
8章 楽しい夏休み。
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056 みんなで夏を楽しもう。その2

全力の遊びは楽しい。

とはいえ騒ぎすぎ。日焼けし過ぎたって人はヒール掛けてもらって。

いっぱい楽しんでね。


ありがとう。

 お休み初日は遊ばなければ!っていう使命感みたいなのがあって、2日目は遊び疲れがでたって人がいっぱい。前日はお祭りだし、二日連続の全力遊びでさすがにお疲れ。

 だらだらゴロゴロだったんだけど、休みっていう風景は本来こちらでは。

 手慣れ感がでた3日目にようやく開放してもらったので、湖の探索という名のボート乗りをしているところ。()ぐのは僕には大変なので、水流発生装置を付けてある。仕組みは車と変わらないけど平面だし、自動運転機能が無いから、こっちの方が簡単かな。

 ここに来たときに確認しているけど、かなり広い。魚が多いというのは釣りの時に確認した。深さもかなりあるから、古代生物がいるかなと期待してしまう。

 底を(あさったゴーレムが戻ってきた。貝が取れていて、食べられるもの。密度が高いようでいっぱい入ってた。この下は砂状になっているらしい。奥に行くほど塩分が濃い、奥側は海並に辛いから岩塩の鉱床が上流にあるんだろう。こっち寄りは水が湧いているようで段々薄まっているって感じだ。むむっってことは、海のものもここで育てられるかも知れない。すごく楽しみになってきた。生け付きの船を開発せねばって思ったりする。それには操船(そうせん)ができるようにならないとだねえ。最初は遊びからやってみるかなって思ったとき、ふとアレやってないって思いだした。あんなに調整に苦労したのに、他のことが忙しくって・・・。忙しいダメ。

 ゆとりが大事。思いついたら即なのが僕。あれユトリはどこに。


 で、作ったのがこちら。(おだ)やかな湖じゃ必要ないんだけど、海への進出を狙ってるから揺れない仕様と言うことで船を2つくっつけたもの。後ろに水をドバ〜って出すのが付いて、精霊石を動力にしずしず進む。100人くらい乗れるのを3そう。夕食は湖って告知だけした。水怖いって人多いから、これでも十分だろう。上手く動作できたら、しばらくは遊び運用して、慣れてもらうつもり。もちろん、中にキッチンあるよ。


「相変わらず急ねぇ」「魚食べるの?」「おじさんが釣るってこと?」船に乗るの初めてって人ばかり。

 ちょっと試してみようって、お昼の後に、何人か乗せて出航!

 気持ち良いって、評価は上々。慣れたところでスピードテストをする。構造上かなりスピード出せるんだけど周りを見ると楽しそうなぐ〜ちゃん、き〜ちゃんを除いて、他は引きつり気味だけど比較物が遠いせいか大丈夫そう。「車テストでぐ〜ちゃんが乗った速さ」っていうと、え〜って言う。

 ねっそんなに速くなかったでしょ。いやいやって言うから速度を半分に落とす。まだ速いけど、これなら良いって。え〜。


 一番奥のこの辺がしょっぱくて多分海くらいって言って、すくった水を()めてもらう。うっかり飲んじゃった人がいて「ヒドい〜」って言われた。ちゃんとすごく(から)いって言ったのに。

 海から魚を捕ってきて、ここで育てるのっていうと「いつでも海のものが食べられるって事? 楽しみぃ」って、お姉さん達は新鮮な海の魚を食べたことあるのかなあ。僕はカラカラになったのなら食べたことある。焼いたらふわふわになって美味しかった、お祭りで買ったの。湖をぐるって回って、近くなった所で船を止めて(あみ)で魚を獲る。網は船に繋いだままにして、何匹かすくう。あと底をさらう。

 いっぱい採れるから今日の分も大丈夫って見せた。ちょっと待っててって、さっと調理して持ってくる。塩振って、魚を焼いただけのと東の調味料で煮込んだ貝のスープ。


「「「「美味し〜」」」」

 口にあって良かった。貝初めてって人が多かった。あの国の汚い川じゃ魚だって食べられないから、乾物しか無いしね。その後また調理して持ってきたのは、溶かした小麦粉を付けて揚げたもの。

 揚げるっていう調理法は、お金持ちしかしない。油は高いものだからね。これは麻を絞った油。生地を作る用に育てようといっぱい買ってもらったけど、生地になったものを買うことになって油にしたもの。こういうときは、こっちの方が良い。試食って食べてもらう。お金持ちの使用人か高級料理人でなければ、初めてのはず。


「初めての食感ねぇ」「サクサクで美味しい」「これがお金持ちの料理か」「うまうま」


 あのなんでもある国でも庶民は塩までしかなかった。塩は焼き塩にしたよ。東の調味料が手に入ったし、スープと食材棟のソースをいくつか用意して食べてもらうと、どれも美味しいって良かった。今日の夕ご飯の試食だからね。あと、おじさんが大物を釣ってくれるから期待しててね。何にしよう。煮付けかなあ。

 そうそうって、べ〜姉に「あれを今夜やろうと思う」っていうと、「そういえば、やる(ひま)なかったねえ」って。お祭りの時に忘れてたのは一緒。


 湖を船で一周イベント、おやつ付き。速度は試乗の時の低速よりさらに遅くした勇車。これでも車の街で最大速度なんだけど大丈夫だろう。乗ってくれたのは200人ちょっとだったので2艘だけにした。ほとんど座らないので1艘でも良いんだけど、浜に戻らないで夕食になるからね。おやつがあっても水の上はちょっと、というのがいっぱいだった。

 情けないなあ。まあ1艘は着岸しているんだから、それでもイヤなら夕食は知らない。ゲームに負けて居残りになったお姉さん3人がムスッとしていたから、ぐずっている人達が湖に放り込まれるのが想像できる。

 僕の料理が試作と同じなはず無いって良く知ってるからね。僕の乗ってる船ともう一艘の船では出すものは同じになるんだけど着岸の船の仕込みで気付いて、ちょっと変わってるし、作る時にまた変えちゃうかも。

 それがあったのかも知れないけど、夕ご飯にしようかって時に、向こうの船にいた、ぐ〜ちゃんとき〜ちゃんがムキムキ弟子にこっちに放り投げさせて、登場イベントやってたけど食欲だよね、ただの。

 べ〜姉もお返しとか言って弟子を投げたけど、普通はあの二人みたいに綺麗(きれい)に着地できないんだから、あ〜あだよ。


 盛り上がったところで、夕食になる。試作で作った。魚の揚げ物に野菜も揚げてみた。あと肉は焼くんだけど、食感出すためにパンの乾いたのを細かくしたヤツを付けたのが、さっき思いついた工夫。いつもトッピングでスープに浮かばせるんだけど、今回の貝のスープに合わなかったので、細かくして肉に付けてみたって事、うまくくっつかないので溶き卵を付けてから・・揚げてみた。サクサクで美味しいと思うよ。

 そうだ。屋台で油も良いかもしれないな。衣付けるのも無しにして、素揚げとか面白い。

 うん感想もらわなくても、その顔見れば分かるよ。良かった。黒いソースが合うって。

 あ〜キノコとか合いそうだったなあ。あと細かくしてごちゃっとしたのも、今度夕食で出してみよう。色々思いつくなあ。美味しい顔、大好き!

 赤くなる空が湖に映ってとてもキレイ。おなかがいい感じになると景色を楽しめるものだよね。


 僕とべ〜姉は船で引っ張って来た、でっかいいかだの準備をする。といっても簡単なチェックをして少し離すように送り出すだけ、順番は設定済みだから時間が来たら始まるよ。何がというのはみんな分かってる。テストするのにとっても目立つから隠しようが無いからね。

 そろそろかなって思って船の灯りを少し落とす。


 光が上っていく。ずいぶん上がるなあというところで、光の花が咲く。すぐにド〜ンって大きい音が来る。それからパパパって上がってドドド〜ンってなる。そこから次々と。最初、すっごく驚いていてポカ〜ンだったけど、ちょっと慣れてきて歓声が入る。

 テストの時は単発だったから「すごい音でビックリしたよ」だったんだけど、それが集まったのは、とてもキレイですごい迫力だなあと思う。みんなを驚かせたかったから連続で上げていない。

 僕の頭の中で見え方を何回も研究した。まだ、ゴーレムの設計は僕しか出来ないしね。精霊石花火は童話には描かれている失伝した文化になる。

 今では武器じゃないものに精霊石を使わない。精霊石を作る技術も失伝しつつあるから、遺跡からたくさん見つかるものを少しずつ決まったものに使っている、高いものを遊びには使わないうちに失われたってこと。あのパ〜ンと細かい布を飛ばすおもちゃに精霊石が火薬の代わりに使われているって知ったら、みんなビックリするはず。

 こうして見ている間も改良や効果の方法とか考えちゃってる。でも、前は頭でしか感情が分からなかったのに、キレイとか嬉しいとか思えてる。感情の時間が長くなっている。


 どうしたのって、ぐ〜ちゃんに肩を叩かれる。泣いてるよって。

「とってもキレイだなあって思って、

 また楽しい時間があると良いなあって思ったの」

「そうだよ。いっぱい楽しいを作っていこうよ。一緒だよ」

 ぎゅ〜って抱きしめられる。反対側からも、き〜ちゃんにぎゅ〜って。

 花火の光が水面に映っていて囲まれて、ここが湖だってことを忘れるくらい、キレイで幸せな時間だった。


 最後はドカンという、べ〜姉の構成リクエストで全力モードっぽい打ち上げで花火が終了。

 良かった、すごかったという声を聞きながら再始動して浜に帰る。浜では何故か水に入っている人が何人も居て、ぼーっと空を見上げていた。頭の固い人たちには、かなりのインパクトがあったみたいで、水が怖いこともどこかに行ってしまったらしい。ほっとく訳にもいかないので、回収しながら戻った。花火の間中浸かってたんじゃないよね。風邪引かないといいね。


 なぜか僕は着岸組のお姉さん達に文句を言われて、新しく思いついたものの試食を約束させられた。

 あれ? ぼくは悪くないはずだけど。今日も楽しいなって思ったかな。

火薬で花火作ると、火を人力でしないといけなくって危ない。

精霊石で作ると道具と同じなので、細かい演出ができて楽しい。

安全第一。楽しさ最大でね。


お話は、火曜と木曜日の22時にアップ。

またねえ。


「悪のマ王がやって来る」もどうぞ。こちらは金曜日。

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