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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
7章 分かるかな?
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050 ガマンとか無理。

僕の見えてるのとあなたは違う。

それって哲学的な? あるいはスピリチュアル?

じゃなくて本当に。


今日もありがとう。

 エルフちゃんの悩みがエルフらしさの羽。僕はハッキリ見えていて気が付かなかった。目立つからエルフで、目立たない方が良いのが巫女だとか、イヤな対比だなあと。

 目立つから狙われる。助かったのは羽が見えなかったからだけど、機能していなければ、らしさが無いって悩みになる。大いに羽を広げて、僕達に美しさを見せつけて欲しいなって強く願って、決意したのが昨日のこと。


 お悩みを何とかって、理由をこねくり回して、念願の羽に触れてとても嬉しいのが今の僕。

 自分でも(さわ)れないのにって言う。こんなにすべすべでキレイなのに、もったいないってナデナデしながら、意識を注いでいるハッピーな時間。

 ふと、何か欠けている感じを見つけたので、治すイメージを注ぐ。

 ぱあ〜って明るくなって、光が収まる。「変わってない、ゴメンネ」すると、アリガトウって抱きついてきた。

 変わって見えないんだけど、治ったってことらしい。さわれるって言ってるし。

 やってみるって、少し羽が光るとふわっと浮き上がる。飛んでいる姿はとてもキレイで楽しそうで、ああ、絵本のエルフだって思った。


 なんか分かる。

「羽を仕舞うイメージしてみて。すうって吸い込む感じ」「んん」って何か念じてる感じにしてると、すうっと羽が収まる。

「うん。出来るって思った。これで大丈夫だね」

 羽を収めてるエルフは伝承や民族学の本にも無いけど、さっき出来ると思ったの。

「まだ、怖いと思うから」練習はしててね。

 パチパチ〜って、お姉さん達。食堂の方でやるわけにいかなかったので、調理室なの、ここ。

「ふわってするのねぇ」「きれいね」「トリとは全然違うわねぇ」


 やりたいことが出来ると、アレ作りたくなる。

「調味料。ついでにお酒」

 じゃって、ぴゅ〜っと。

「いつもあんな、なの?」

「そうね、あんな感じね」「お酒楽しみ❤︎」

 見つからないように、ビクビクしててバカみたいって。

 エルフの仲間に私のこと、あの子のこと教えたいなって、うれしかった。


 最近になって、ペンダントの情報を見れば良いって気がついた。

 もう、まちがって声を掛けなくていいし、どこに居るかもわかる。あのふたりが畑にいるって分かってる。た〜って走って行く。

 ば〜ん、「見つけた!」「お酒の調味料作るの」「お酒」

 早く早くって。まだ使っていない蔵へ行って、また身体を洗って中に入る。


こうじや乳酸っていう美味しい菌がいるのに造らないのは良くないの。

 お酒の調味料作るの。ついでにお酒。

 材料があるから、もひとつお酒。


 お米のもちもちなモノを皮むきの道具で取るの。

 ご飯だとちょっとだけどお酒の時はいっぱい取って小っちゃくする。

 洗って、水に漬ける。それをね。蒸すの。しゅ〜って。使うときにね。

 ここが大事って言われてるの。様子をちゃんとメモしてね。


 コメは、麹用2割、酒母しゅぼ用1割でのこりの3つに分ける。

 麹をサラサラってして育つまで2日くらい待つんだけど、作ってある。

 育て方は麹用と酒母用は違うので今度やるときは最初からお願いするね。


 最初に酒母作り。

 酒母用のコメに水と酒母用の麹に乳酸を入れてよくマゼマゼしてね。

 14日くらい。段々ドロドロになってくるから、時々混ぜてあげるの。

 熱くならないように気を付けてね。8日くらいでぶくぶくしてくる。

 10日くらいには熱くなると思うから、冷やしてね。甘いお酒になるの。


 いよいよ仕込みはね。水とコメ、こうじを酒母の倍入れて混ぜる。

 次は2日後にさらに倍にして、翌日もさらに倍。三段仕込みってやり方。

 全部ドーンだと発酵が間に合わないからなの。


 ひと月くらい置いてね。

 すっきり味にするために、イモから作ってあるお酒を混ぜるんだけど、

 味をよく見たいから、今回は入れないでいいよ。

 ぎゅって絞って、静かに置いて上澄うわずみだけ取って、す。

 今回は、料理に使い(お姉さんは味見がし)たいだけなので、これで完成。


 普通はこの後ね。熱いくらいまで熱を加える。火入れって作業ね。

 しばらく置いておいて、水を足すの。

 ちょっと濃いから味の調整で、水増しじゃ無いよ。

 ビンに積めるときにまた殺菌のために火入れをして完成。

 雑菌は居ないけど念のためね。


 お酒の調味料は、あっちに準備してあるの。最初だけ一緒で、かなりラク。

 安くて甘いお酒って言われてるって。料理には大事、必要なの。


 大麦は、夏のお祭り用ね。となりの蔵でつくってね。菌が違うからなの。

 大麦を発芽させるの10日ね。もう準備してあるの。明日でちょうど10日。

 ハーブを入れる。

 細かくするの。勇車隊が注文の御礼って、もらったビールの酵母いれて7日。

 してから15日冷やすとできあがり。

 わかんなくなったら、聞いてね」


 僕にだってわかる。見ないようにして良いことってあんまり無いよって。

 夏祭りまであと1月、みんなで楽しいよにしたい。

 見えない僕だから見つけられるって。

  

「ゴーレム操作練習ゲームを作ってみたの。あまりにも合格者少なかった。

 困る。巨人になって見下ろせば操作できるかなあって。

 地形のイメージすること。たぶんこれが出来てない。

 カード見てね。その命令を念じるの。ちゃんと書いてある通り。

 テストお願い。まず見本をセンチで。え〜と、ギリギリの人と落ちた人」


 おもしろそうなら、できるかなあって。センチはあっさり最高難度でも。実車でできれば簡単なこと。まあ、動作確認。ギリギリの人は中ぐらいまで。経由のイメージが難しいみたいって、難しいかなぁ。落ちた人は道路まで。少しずつできるをのばしていって。道具操作って、最低限これが出来ないと無理。歩いてるを置き換えてるだけで、体験してるものだから、出来ない方が不思議なんだけど。参加させなかった人達もこれなら出来るから、不満なくなるかなあっていうのもあるの。

 ノケモノって、僕はいつもだから平気だけど。イヤな事って聞いたからね。どんなイヤも良く無いかなって。


「お祭りまでに全員ができるようになってね。エール作ることにしたの。

 10Lのを100樽。不合格だった人達が運ぶの。1人1樽。

 高さは無いから大丈夫。頑張ってね」

 そう、大丈夫。不合格すっごい多いから・・・ 大丈夫じゃ無いなあ。


 ずっとね。あっとこっちにコソコソって行ったり、た〜って行ったり、戻ったりしてるのは、探してたの、どこかなあって。でね、僕だったらどこに居るかって分かるんだあっていうのがさっきで「もういいよ」になってるって思ったの。


 また、た〜って、こんどはお城。なんど来ても素敵だなあって思う。ぼくの好きなところを集めたものだから。中身が無いとかは良いの。紙の方が薄いでしょ。めくったら消えちゃうしね。

 今度はトトトって、小動物館へ。その1つ・・・


「オニさん。見〜つけた」

 そう、ずっと探してたのは小鬼ちゃん達。遠足をしてから、ずっと見てなくて。

 隠れん坊したい気分かな、だったんだけど。そろそろかなって。

 ここって分かって、そう言えばなの。ここだけ、食べ物を毎日運んでるから、ずっと居られるんだ。お店の練習だったんだけどね。お休みの時に来る場所にしたいなあっていうのにね。隠れるの上手。悲しい歴史のせい。

 小鬼ちゃん達をゴブリンっていう。下等で野蛮なものって意味でニンゲンを襲うって、さらうって、奪うって言う。汚い服を着て、粗末な(おの)を持って襲ってくるんだって。だから見つけたら殺せって。戦いの練習にされる、よく。

 優しい人達だから、あまり武器が好きじゃない、戦いたくないから簡単にやられちゃう。

 ニンゲンは怖い、全てを奪うもの。だから、隠れるのがうまい。隠れて隠れて。

 鉄器が作れるのに下等なんて変なこと言ってるって何でって。ここでもまだ鉄作れない。たぶんあの人達は黙ってたら、ずっと。

 見つけたら奪って殺して下等で恐ろしいヤツだったって言う。その人も良かったねって笑っている人達も怖い。


「僕たちも怖いよね。でも見つけたから、僕の勝ち」

 ぎゅっと抱きしめる。一人ずつをみんなを。見つけられると逃げられない優しい性質。僕と反対の本当に優しい人達。だから可哀相な歴史を持つ、弱くて強いステキな種族。

 あ〜あって顔、見つかっちゃったって。


 僕は、お祭りの話をする。あと1月後のお祭り。色々な催し、ゲーム、食べ物、新しいもの。みんながお店の人でお客さん。今でも十分なんだけど、もっともっとって増えてるのっていうことを。

 隠れている間にあったことなんかを少しずつ。いっぱいあった。

 ずっと一緒だった子。みんなエルフって気がついてなかったって可笑おかしいねって、昨日言ったってこと。

 ええ〜って。うそっキミタチも? とってもキレイな羽なんだからって自慢する。僕のじゃ無いけどねって笑う。わはは〜って。


 ちょっと嫌がってる小鬼ちゃんの手をぎゅっと握って逃げられないようにして、また繋いでいる小鬼ちゃんとで輪っかできる。どこから知ったのか、やっぱり何でもイベントにしてて賑やかで、楽しい夕ご飯。

「決意した!」ナゾの宣言を言って、エルフちゃんが飛ぶ。キレイだなあって、また思う。

 エルフちゃんは小鬼ちゃん達に「黙っていてごめんなさい」って言って泣く。小鬼ちゃん達も泣く。やっぱり僕も。


 泣き虫の町だなあって、またスカスカな僕の心にピースが1つはまった気がしていた。

小鬼ちゃん可愛いけど、男の子か女の子かよく分からない。

走ってるのは、探してたってうそ。あの後もやっぱり走ってる。

ずっと探してたのはホント。見つけられて良かった。


お話は毎週火曜日と木曜の22時にアップ頑張ってますよぉ。

また、よろしくね。

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